8  選抜高校野球

 今年の桜はポカポカ陽気で早く咲いたのですが、その途端花冷えとなったり、雨が降ったり、散々な天候でなかなか散りませんでしたが、東京のソメイヨシノはやっと葉桜となりました。そしてもう八重桜が咲き始めています。

■選抜高校野球浦和学院優勝
 第85回選抜高校野球大会は、浦和学院(埼玉)が17―1で済美(愛媛)を下し、春夏通じて初優勝を飾りました。埼玉勢の優勝は第40回大会の大宮工以来、45年ぶり2度目です。浦和学院は2回に1点を先制されましたが、5回に済美の2年生で4番を打つ安楽投手に8長短打を浴びせて打者12人の猛攻で一挙7点を奪い逆転。8回にも6安打を集めて8点を加えました。先発のこれまた2年生エース小島が8安打と打たれながらも、バックの声援に応え、1失点で完投しました。関東では強いのに何故甲子園では弱い?とか、プロ野球選手を送り出すのは全国トップクラスなのに、何故甲子園で優勝できない?とか、様々な不思議が語られて来ましたが、やっと今回それを払拭しました。我が少年野球チームからも浦学で活躍した選手を輩出しています。

咲き出した八重桜


■高校野球の連投で話題沸騰
 選抜高校野球で、愛媛の済美高校の安楽投手(2年生)が投げた球数が正気の沙汰ではないと批判しているアメリカのスポーツ紙に対し、安楽投手が「余計なお世話」と言ったそうです。これについて、提言型ニュースサイト”BLOGOS”で論争になり、これがテレビなどのメディアでも採り上げられて大騒ぎ・・・
 五体不満足のスポーツライター乙武洋匡氏の意見は→コチラ 
アメリカの高校生は一ヶ月でも200球を超える球数は投げないそうだ、として、投げさせ過ぎと批判しています。報道が、「エース力投」など美談、賞賛の一辺倒で、なぜ、ここまでの球数を投げさせることに疑問を呈する報道が見られないのか? それは高校野球を「教育の一環」ではなく、「ビジネスのコンテンツ」と見ているからで、高校野球とは本来、部活動であり、教育活動の一環であり、それが、あまりに「興業」としてのウマ味が大きいために、「球数制限」などあって然るべき対策がいつまでも講じられずにいるのだ、というのが乙武洋匡氏の主張です。これに対してはダルビッシュ有もツイッターで意見を寄せています。
 対して野球評論家の江本孟紀氏は「
連投で故障して肩を壊すから止めろということは無責任でしかない。本人が納得し、決めることなのだ!」と書いています→コチラ 筆者は江本孟紀氏に賛成です。米国では野球選手は高額商品なので、壊れたら損するから、球数制限するのです。WBCのときも、何故こんな少ない球数に制限するのか?と不思議に思われた方が日本人では多かったはずです。投げ過ぎて肩や肘を壊す選手はいます。少年野球でも、指導者はこれをすごく気にしていますね。ところが肩や肘に負担がかからないきれいなフォームの投手は、球数多くなっても平気なのです。指導者はコレを見ながら、この選手は制限する、この選手はここまでは大丈夫だ、と認識します。そもそも一ヶ月でも200球を超える球数は投げさせないなんて何かの間違いでしょう。そんなの、ピッチャーではありません。安楽投手があんなに投げても、監督も本人も大丈夫だと認識していたのです。
 とかく日本のスポーツは「根性」など精神論で、米国は科学的だと言う訳知り顔の人がいます。それではWBCで日本が強いのは何故でしょう?日本の野球は、少年野球からリトルリーグ、高校野球など段階的に指導者が一生懸命教えています。選手を故障させないようにと指導者は気を使って育てています。このピラミッド型の強固な組織があるから日本の野球は強いのです。部外者や評論家がつべこべ言わないで欲しいものです。

■鳥インフルエンザが中国から
 中国で鳥インフルエンザH7N9型ウイルスの人への感染が確認されました。死亡者が日に日に増えて4月5日で6人になりました。折しも昨年5月に公布された「新型インフルエンザ等対策措置法」の施行(公布から1年以内)を前にしたパブリックコメントが3月に終了したばかりです。今回のウイルスがパンデミックを引き起こすかどうかはまだわかりません。この法律は、2009年に大流行した新型インフルエンザウイルスH1N1pdm2009への対応の反省から制定されたものです。
 ワクチン接種の問題ですが、パンデミックの発生から接種までにはタイムラグが発生します。2009年のH1N1pdm2009の際は、4月23日にメキシコで発生が確認されてから、医療従事者に優先的な接種が開始されたのは半年後、10月後半でした。日本では8月19日に流行が始まったと宣言されています。もっと詳しく見ると、4月27日に厚生労働省が国内メーカーにワクチン生産体制の準備を依頼、6月9日に国立感染症研究所がワクチン製造候補株をメーカーに提供、7月14日に厚労省が生産開始を依頼という経過をたどりました。また7月10日には、不足分を輸入ワクチンで補うという政府の見解が出ています。タイムラグ解消に向け、細胞培養法などをはじめとする新しいワクチン製造法に取り組むこと、経鼻粘膜ワクチンのような新しい投与方法の研究開発を進めることも挙げられています。急いで欲しいものです。

■風疹の流行、手洗い、うがい、ワクチン接種を
 国立感染症研究所の発表によりますと、今年の風疹の患者数が3ヶ月足らずで、過去5年間で最多だった昨年1年間の患者数を上回ったそうです。厚生労働省は感染拡大防止のため、風疹ワクチン未接種者に予防接種を受けるよう呼び掛けています。妊娠初期の女性が風疹に感染すると、胎児に難聴や心疾患、発達が遅れるなどの障害が出る恐れがあります。妊婦は予防接種を受けられないので、人混みを避けて、不要不急の外出を控え、家族など周囲の人は予防接種を受けるようにと、厚労省は呼び掛けています。

■牛丼値下げ
 牛丼春の期間限定値引きが始まりました。アベノミクスで円安が進み、輸入食材価格が上がっていますし、米の価格も上がっていますので、「どうして値下げ?」と思ってしまいますが、実は長く値下げキャンペーンを停止していたために、売り上げがずいぶん下がっているのだそうです。お客様に牛丼を思い出して欲しい、というのでしょう。したがって、かつてのように各社が競って値引きを乱発する“低価格戦争”が再発するとは思えません。
 ゼンショーホールディングスが展開する「すき家」は、4月5日から12日まで全店で牛丼並盛りを30円値引きし、250円で販売します。「新生活が始まる4月にぜひ、すき家を知ってほしい」と、すき家がこの時期に値引きを実施するのは3年連続です。
 松屋フーズが運営する「松屋」も、“グループで1000店舗を達成した記念”として4月8日から15日まで、牛めし並盛りを30円値引きして250円で販売します。
 吉野家(吉野家ホールディングス)は今のところ「詳細は未定」としていますが、例年通り「春の牛丼祭」は実施する方向のようです。
 一方、焼き牛丼で牛丼業界に殴り込んだ「東京チカラめし」(三光マーケティングフーズ)は、「同じ戦場では戦わない」として、現時点では値引きを見送る予定とのこと。

牛丼と言えば吉野家でしょう

 牛丼の主要食材である米国産バラ肉の輸入規制の内容が、これまでの月齢20ヶ月以下から30ヶ月以下へと2月に緩和され、吉野家にとっては待ちに待った状況になりました。現状では、各社は輸入規制緩和前の米国産や豪州産、メキシコ産の在庫肉を使っています。米国産牛肉が全面的に月齢30ヶ月以下のものに切り替わるのは、今回の期間限定値引きが終了する5月以降になる見通しです。吉野家は、おいしい牛丼は米国産牛肉でないとダメ、と言って、他社より¥100高い¥380で販売していますが、吉野家しか食べないという固定客がいます。すき家や松屋も今後米国産に切り替えていくのは間違いないでしょう。
(2013年4月6日)


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