157  立喰い

 以前立飲み(145:2005年10月22日)をつぶやいたが今度は立喰いだ。代表はやはり蕎麦、それも駅ソバだろう。ほとんどおいしい店は無いが稀に例外もある。まずい店の代表はJR直営のあの店「あ○○○」である。各駅にたくさん店があり、しかも改札の中にもあるから大変有利な立場にあるが、蕎麦もまずいしつゆもまずい。ここではおいしい蕎麦の話をしているのではない。それを言うならいつも食べたいと願いつつ遠すぎてなかなか食せないあの十割ソバ・・・、いやそれは言うまい。温かい蕎麦というのは表面若干柔らかめで噛み心地良く、つゆと絡めて喉をつるっと過ぎて行かねばならない。なにしろ急いで食べるのが立ち食いの要件だが、早い、安い、まずいというのが一般的だ。しかしおいしくする方法はある。そばの茹で加減が問題なのだが、駅ソバはあらかじめ茹でてある麺をお湯を通してサッと温めて丼の中に入れつゆをかける。どの店もまずいというのは店員がゆでているわけではないので腕の問題ではなく、もともとの茹で蕎麦がダメなのだろう。2チャンネルや各種蕎麦ホームページでは「あ○○○」の味について圧倒的な不満意見だらけ、ほかのチェーンと違って店に依らず必ずまずいのはどうしてだ!?と大批判続出なのである。

典型的駅ソバ(天ぷらそば)

 駅の中にあってもそこそこの店もある。平均的に言えば北陸、新潟、信州の駅ソバはうまい店が多い。『喜多』や『小竹林』は昔の国鉄の店である。国鉄職員がリストラの時、職場が変わってソバを供した時代はいかにも駅員さんか乗務員さんか、不器用そうなオトコが愛想も悪く、気の毒な気がした。頑張れと念じつつソバをすすったものだ。国鉄北地区→喜多というのが店名の由来らしい。小竹林は東海道線や中央線だが、以前は池袋店もあって、それなりに味が良かったが「あ○○○」に変わってだめになった。チェーン数が多いのは富士そばや小諸そば。他にゆで太郎、箱根そば、あずみ(野)、梅もと、越後そば、笠置そば、狭山そば(西武系?)、一ぷく(JR武蔵野線)などがある。富士そばは工夫が見え、それなりに繁盛しているがここのソバはあまりお勧めではない。カツ丼にでもしておいたほうがよろしかろう。評判が良いのは箱根そば(小田急系?)と小諸そばである。小諸そばは安くてたくさん店がある。更科風で白い。ソバ度が低いのだろう。地域別に言うと新橋や神田、湯島、浅草橋はまあまあの味の店が多いが、新宿、池袋、大宮などは押しなべて×だ。ただし神田の1杯¥100のそば屋とJR神田駅階段途中のそば屋はちょっと・・・? 喜多や一ぷくなどはうまい店もあればまずい店もある。小諸そばも店によってかなり異なるがあまりハズレは無い。日暮里「おがわ屋」、江戸川橋(神楽坂)「山吹」、三田の「a la 麓屋」、東武東上線大山駅ハッピーロードの「ごん平」は評判が良い。JR駅の他の店を衣替えしてでもどんどん増やしている「あ○○○」はどこの店もまずい。品質が管理されているからとも言える。日本レストランエンタープライズとJRは猛省して欲しい。ちょっとの工夫でおいしいソバは提供できるはずだ。

(2006年1月15日)

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