145  立飲み

 秋本番、10月の埼玉は日照時間がものすごく少ない。少年野球の試合が雨で中止になるなど、この時期ではほとんどなかったのだが・・・。そのせいかどうか、今年は背高泡立草(せいたかあわだちそう)がものすごく目に付く。文字通り背が高く、雑草ではあるがきれいな花が咲く。その生命力は物凄いが、北アメリカから渡来したものだそうだ。どうりでダイナミックだと納得。
 先般盛岡に行った折、今年のりんご畑は元気だと見えた。直売場で数袋買い込んだ。本当は10月の末頃からが本格的収穫時期。岩手山麓の紅葉は丁度今が最高、赤、黄、緑のコントラストは見事過ぎて筆舌に尽くしがたい。高原に赤とんぼがたくさん舞っている。新緑も良い、桜も良いが、紅葉はもはや言葉でその美しさを表現することは不可能だ。
 本日の主題は立ち飲みである。この「つぶやき」でも東武東上線朝霞台駅の立ち飲み屋で野球を見たことなど書いたことがある。帰宅途中プレーオフや日本シリーズの良い場面をラジオで聞いて、見逃すまいと飛び込む。同じような人達がワイワイと話し合いながら一杯やる。短い時間だが立って飲むと不思議に見知らぬ人と気軽に話せる。店のカウンター内にいるおばさんたちが気楽で、ポンポンと掛け合うトークが楽しい。家にいるような雰囲気、そう言えば常連さんは「ただいま〜」と言って入ってくるし、おばさんたちは「お帰り〜」と言うのである。ドリンク、つまみ全品300円だから合計1,200円〜1,500円の勘定だ。
 会社の東京営業所へ行くには池袋駅東口に出て左折し、明治通りの歩道を交番前交差点よりビックカメラ本店前を通り過ぎて、豊島市役所の向かいあたりを左折する。明治通りの左手1本裏の道は歓楽街だが、ちょうどビジネスホテルサンルートの裏あたりのところに立ち飲み小島がある。ここもドリンク、つまみ全品300円だが、昔ながらのうらぶれた立ち飲み屋ではない。こうした洒落た店が今続々とできている。直ぐ近くの東京ガス前には酒屋の立ち飲み屋もあるが、乾き物で一杯やるおじさんの仲間にはなりたくない気がする。

戸田市の背高泡立草(2005/10/20)


盛岡りんご(2005/10/15)

 いまや立ち飲みは一種のトレンドになり、若い女性が出入りする店となった。安いだけではない。チョットだけだから酔っ払うほど飲まないので早く帰れる。インテリジェントビル街の周りに次々とオープンしていることがトレンディスポット「立ち飲み屋」を象徴している。もはやおじさんの店ではないのだ。東京で立ち飲み屋が多いところ、以前は神田、上野、御徒町、蒲田、ところが現在最も多いのが新橋、有楽町(銀座)だ。恵比寿にも新しい店が出来ているし、もちろん歓楽街の新宿、池袋にも続々。リニューアル蒲田もスポットだ。詳しくはFUKUSHI’S Web Pageを参照あれ。
 ところで何故このように立ち飲み屋がブームになったのか?その原因はサッカーだそうだ。サッカーは座って応援するものではない。最も熱狂的に応援できるスタイルは「立ち飲み」なんだそうだ。

 さて、日本シリーズが始まった。ロッテが西武、ソフトバンクを破ったプレーオフの勢いそのままに千葉マリンスタジアムで怒涛の攻撃。7回にモヤ〜と霧が出て来た中、ドカ〜ン、ドカ〜ンとホームラン。結局コールドゲームでキリがついた。この球場は海風とかいろいろ事件が起きる。隣の幕張メッセでモーターショウが始まって、いま日本最高のホットスポット。予告先発投手を聞いて井川と清水では勝負は決まりと思った。何故かって?シーズン中の数試合しか見ていないが出来がまるで違っていた。井川はしばしば窮地に陥り、打線に助けられていた。一方清水の低めに伸びる速球は左打者でも容易には打てない。このての投手がロッテには他にもゴロゴロいるのだ。黒木の出番が無いわけである。ロッテはポンポンとスタンドに放り込んだが、高目の球は持って行かれる。しかし阪神のこの後の投手陣は手強い。先発が辛抱したらさあ、JFKだ。このパターンはロッテにも同様にあるが、救援陣は阪神が上の気がする。そもそも今のシステムはパリーグに有利である。昨年の西武がそうだったように、2度のプレーオフを勝ち抜いたチームは強い。乗りに乗った状態で日本シリーズを迎えて、しかも初戦が熱狂的ファンの後押しを受ける球場なら勝って当然だ。試合勘の戻らない阪神は「らしさ」がなかった。第2戦はロッテ渡辺と阪神安藤の先発、速球投手対決、見物だが、やはり渡辺有利だろう。しかし甲子園に行ったらガラリと雰囲気が違う。阪神ファンは半端じゃない。今シリーズはファン対決が話題だ。26番ロッテファンの応援はスタンドで立って応援、ピョンピョン跳ねてサッカーと同じスタイル、立ち飲み屋で多くのファンが応援していることだろう。

さて謎かけです

赤とんぼとかけて俺の青春と解く

    そのこころは             →             夕日が似合います

(2005年10月22日)

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