549  アジア地政学

 最近また我が家の上をビュンビュン飛行機が飛び回ります。こういうときは大概北朝鮮がミサイル発射したり、中露の軍事演習が有ったりした場合です。北朝鮮の金正恩委員長がロシアを訪問して、プーチン大統領と会ったことが影響しているのでしょう。ウクライナ戦争が勃発して以降、世界の緊張は高まっていますが、ロシアは日本の隣国でもあり、日本はロシアとの間に北方領土問題を抱えていますから、ウクライナ問題は他人事ではありません。また中国は台湾を固有の領土としており、尖閣諸島も中国の領土だと言っていますから、日本としては中国との間でも緊張関係にあります。

■ アジアの地政学
 地政学とは、地理学と政治学を合わせた用語で、国の地理的な条件をもとに、政治的、社会的、軍事的な影響を研究する学問における研究分野を指します。いま、アジアにおける地政学リスクは様々ありますが、アゼルバイジャンとアルメニアの間で衝突が勃発しました。ロシアはやめろと言っています。ロシアと中国の動きも油断なりませんが、ハッキリ言ってロシアは手いっぱいで他に頭が回らないでしょう。不気味なのは中国です。習近平独裁となったのですが、不動産バブル崩壊で足元に火がついています。もし経済全体に波及したら日本にも多大な影響が出ます。米国のバイデン政権は習近平のご機嫌を取る政策に転換したようで、これは来年の大統領選挙対策でしょう。グイグイと存在感を増しているのがインドですね。

■ アジアの大国
 日本は「極東」地域と呼ばれ、アジアの東端にあります。日本の東は広大な太平洋です。アジアには中国という巨大国家があり、その北にアジアから欧州にかけて広大な領土を持つロシアがあります。そして中国の西南部にはインドがあり、2023年4月末にインドの人口が14億2577万5850人に到達し、中国を上回って世界一になりました。インドの合計特殊出生率は2・0で今後も増加傾向が続き、2064年ごろに安定する見通しだそうです。中国は少子高齢化で人口減少が急ピッチで進んでおり、昨年の合計特殊出生率1・2は世界で最も低い国の一つで、今世紀末までに人口は10億人を切ると予測されています。日韓も同様に人口減少が進んでいます。2022年の韓国人口は4994万人で、前年比▲0.3%(14万8千人減少)となりました。






■ 中東
 中東はずっと「火薬庫」と呼ばれてきました。サウジアラビアとイラン、トルコとシリアなど隣国の争いだけでなく、イスラエルの存在がまた特異です。しかもここには石油資源があるだけに、欧米から常に狙われてきました。

■ 北方領土問題と竹島問題
 日本はロシアとの間に北方領土問題を抱えています。北方領土は、ロシアによる不法占拠が続いていますが、日本固有の領土です。詳しくは外務省のホームページをご覧ください。故安倍晋三元首相がプーチンのご機嫌を取って努力しましたが実りませんでした。
 一方韓国との間の竹島問題については、日本固有の領土であるにもかかわらず韓国による不法占拠が継続しているとの政府認識で、韓国が実効支配しています。

■ 尖閣諸島問題
 東シナ海の日本の尖閣諸島に対する中国の領有権主張によって、たびたび中国当局の船舶が領海侵入を繰り返していますが、日本もイマイチ強い態度に出ていません。日本政府は尖閣の統治をあえて明確にしないという政策を取ってきました。それを弱腰だと非難する勢力は常に存在します。外務省のホームページをご覧ください。

■ 南シナ海領有権紛争
 南シナ海領有権紛争での中国の理不尽な態度は、周辺諸国との軋轢を生み、米国や日本も非難しています。そもそも誰がどう見ても、下図のピンク部分が中国の領海だなんて有り得ません。中国は南シナ海の領有権について、夏王朝と漢王朝の記録にまでさかのぼる歴史を根拠に主張しています。南シナ海にある既存の島での建設や、埋め立てによる人工島の建設は、主にベトナムとフィリピンが何十年も行ってきた。ベトナムは21島、フィリピンは8島の領有権を主張しています。中国は南シナ海での建設合戦に出遅れたものの、これまでにない規模で建設を進めています。あろうことか、滑走路を建設したりしています。


■ 台湾の領土
 金門島は厦門の目と鼻の先にあり、台湾本島とは遠く離れています。それなのに台湾政府が実効支配しています。馬祖島もそうです。どうしてこうなったのか?中華民国福建省の行政区が成立して以来、金門島と馬祖島は現在の福建省の他の地域と同じ政権に属していました。下関条約で清が台湾を割譲した際も、両島は清の福建省の一部でした。1912年の中華民国建国以来、両島は同国福建省に属する金門県と連江県の一部となっています。1949年に中華人民共和国に追われて中華民国政府が台湾に逃れたとき、両島は福建省の他の地域から切り離されたのです。実質的には両島とも中国本土と近いため、経済的には中国とのつながりが深く、金門島など水道を中国本土から引いています。中国政府がその気になれば併合はたやすいでしょうが、そうならないところに微妙な関係があるわけです。
(2023年9月20日)


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