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 前回は「2022年5月1日(日)、本日は新月(朔月)です」と書きました。今月は16日の満月「フラワームーン」を経て、30日に再び新月を迎えます。『アストロガイド 星空年鑑 2022』(アストロアーツ)によりますと、同じ月に2回満月があるとき、その2回目の満月のことを「ブルームーン」と呼ぶことがありますが、同じ月に2回新月があるとき、その2回目の新月のことを「ブラックムーン」と呼ぶことがあります。2、3年に1度しか訪れず、次回は2年半後の2024年12月で、1日と31日が新月になります。


新月
■ 走り梅雨
 2022年のゴールデンウィークが終わりました。これから「走り梅雨」の時季です。沖縄は、5月4日「みどりの日」に梅雨入りとなりました。平年より6日早く、2年連続でゴールデンウィーク中の梅雨入りになりました。例年ですと、沖縄が梅雨入りした約1ヶ月後に本州でも梅雨入りとなりますが、昨年は、沖縄と奄美が5月5日に梅雨入りし、その6日後に九州、7日後に中国・四国でも梅雨入りとなり記録的に早い梅雨入りでした。今年もこの傾向ですと入梅は早いかもしれません。本格的な梅雨の前の5月にまるで梅雨のように雨模様の日が続く頃を「走り梅雨」と呼び、植物の成長に慈雨となるのです。

■ 沖縄6日間
 今年のゴールデンウィークは3年ぶりにコロナウイルス対策の規制が無いので沖縄で6日間を過ごしました。5月3日に出発、しかし4日に梅雨入りした沖縄はずっと雨、7日(土)に少し晴れ間が出ただけでした。最高気温と最低気温が1〜2℃しか差が無いので、夜でも全く寒くないのですが、梅雨で湿度が高いのでモワ〜とします。建物の中は冷房しているので外に出ると暖かいと感じます。暑いと感じたのは7日(土)だけでした。8日(日)に羽田に降り立つと涼しいと感じました。自宅に帰ると、沖縄からずっと半袖なので寒いくらいでした。最高気温は沖縄も関東も変わらない、時には関東のほうが高いのですが、最低気温がまるで違います。寒暖差があるのです。

こんな沖縄を期待してたのですが...

■ 名前が独特
 沖縄は仕事では行きましたが、さすがに仕事では観光はできません。プライベートでは銀婚記念旅行で2004年に行って以来ですから18年ぶりになります。当時は恩納村のリゾートホテルに宿泊し、レンタカーを借りてカーナビに従って走り回りました。沖縄本島は狭い島で、道路が当時からとても良いのが印象的でした。信号機が少ないので時間が計算できます。ただし那覇は都会ですからここだけは交通渋滞があります。沖縄の地名は独特で、恩納村は「オンナソン」と発音します。読み方も、『城』は「グスク」、『原』は「バル」、玉城村は「タマグスクソン」と発音します。また、『喜屋武』は「キヤン」、『金武』は「キン」と読むのです。人の名前も独特のものがあり、『知念』『親泊』『辺土名』『平安』『下地』『玉城』、これらは沖縄によくある姓で、「チネン」「オヤドマリ」「ヘントナ」「ヘイヤス」「シモヂ」「タマキ」と読みます。『阿波連(あはれん)』『安谷屋(あだにや)』『伊波(いは)』『糸数(いとかず)』『座喜味(ざまみ)』『禰覇(ねは)』『勢理客(せいりかく)』『渡慶次(とけじ)』などの珍しい苗字もあります。姓にまつわる話で、面白いエピソードがあります。なんとなく作り話のような気もしますが、皇太子ご夫妻(今の上皇ご夫妻)が来沖したとき、その警備に本土から何千人もの警察官が応援に来て、道路で関所を設けてるかのように厳重な警備が行われていた時のこと。本土の若い警察官が、一台の3人乗りの車を止めて、運転席の男に名前を聞いたら、「俺はうんてんだ」と言いました。いかにも生意気そうな返答に彼はむっとしましたが、あらためて助手席の女性に名前を聞くと「あたしはおんなよ」。彼は目がつり上がるも、グッとこらえて後ろに座ってる男にも名前を聞くと「僕、なかまです」。怒った警官は3人をしょっぴいたのですが、地元の警察に連行したら、それは誤解だということが判明したのです。三人の名前はそれぞれ『運天』『恩納』『仲真』でした(^-^)。今NHK朝ドラの「ちむどんどん」が放送中です。沖縄本土復帰50周年を記念して制作されたドラマで、アメリカ統治下の沖縄本島北部・やんばる地域を舞台に、物語が始まりました。主演の黒島結菜は糸満市の出身です。そのお母さん役の仲間由紀恵は浦添市の出身です。沖縄出身の芸能人は数多く、新垣結衣、二階堂ふみ、GACKT、比嘉愛未、安室奈美恵、満島ひかり、満島真之介、黒木メイサ、上原多香子、三浦大知、国仲涼子、りゅうちぇる、いっこく堂、山田優、小島よしお、今井絵理子、川平慈英、屋比久知奈、安座間美優、知花くらら、真栄田賢、大城美友、島袋寛子、夏川りみ、具志堅用高、知念里奈・・・日本の多い苗字の順番は、佐藤、田中、鈴木、高橋、伊藤、渡辺、山本、中村、小林、加藤、吉田で、よくある姓とはやはり一風違いますね。

「ちむどんどん」主人公暢子(のぶこ)役の黒島結菜

■ 独特な墓
 沖縄と言えば亜熱帯の地、台湾はすぐ近くだし、フィリピンへ行くのと東京へ行くのは同じ位です。沖縄で驚くのはお墓ですね。本土にあるものと違って、同族が共に葬られる共同墓ですから、巨大で、石造りの建物の内部は6〜10畳と、とにかく広いのです。町や村から遠く外れた崖とか、山野にあります。形も亀の甲羅を伏せたような“亀甲墓(きっこうばか)”、小さな家のような“破風(屋根)墓”、岩や山を掘り抜いた“堀込墓”などがあります。

小さな家のような“破風(屋根)墓”
墓の構内に石造りのテーブルや椅子がある場合も...

■ 霊場である御嶽
 沖縄ではいたるところで御嶽に遭遇します。うたき、オタケ、オタキとも言います。沖縄で神を祀る聖所のことを指し、各地域共同体に1つ以上のウタキがあり、その守護神として各種の祭祀が行われることから、ウタキの神と住民との関係は本土の氏神氏子にあたるものと考えれば良いようです。ただし神社と違って人造の造形物ではなく、自然そのものです。

斎場御嶽(セーファーウタキ)

■ 独特な料理
 食は本土とはかなり違って、やはり暑い土地なのでスタミナ料理の様相です。豚肉と魚がメインで、特にブタは捨てるところが無く、すべて食べます。チラガー(顔の皮)、ミミガー(耳の皮)などは沖縄ならではですね。豚足で作るテビチ、海ブドウはプチプチしておいしい。名物のモズクは酢の物にして、沖縄だからか、とびきり美味です。ジューシーという炊き込みご飯もおいしい。ゴーヤー(ニガウリ)チャンプルー、ソーミン(そうめん)チャンプルー、フー(麩)チャンプルーは炒めもの、第一牧志公設市場で沖縄人のダイナミックな食の一端が窺えます。沖縄ソバは小麦粉を練った麺で、うどんのようなものですが、ツルツルした麺ではなく、ちょっとゴワゴワします。柔らかく煮た脂身の多い三枚肉が入っていて、沖縄蒲鉾やワケギが乗り、カツオだしでなかなかおいしいのですが、何故か紅ショウガをかけて食べるのです。その仲間でソーキそばのほうが有名かもしれません。ソーキは、豚の骨付きスペアリブのことで、ホロホロになるまで柔らかく煮込み、黒糖や泡盛を使って甘辛く味付けしたソーキをトッピングしたものがソーキそばです。タコライスなども沖縄ならではですね。お菓子はチンスコウやサーターアンダギーなど。酒は泡盛、米焼酎です。30度の泡盛をグイグイ飲んでも翌日に残らないのがこの酒の良いところです。あぁ、忘れてはいけません、沖縄に行ったらオリオンビールですね。

ソーキそば

■ 旅の狙い
 今回の旅は息子の招待旅行でした。息子夫婦と小学生の男孫二人との6人の旅行です。観光としては一番高い時期ですから、大変な出費をさせてしまったと思いますが、有難く楽しませていただきました。朝食、夕食はずっと一緒でしたが、昼間の観光と昼食は一緒だったり、別行動だったり...18年前は沖縄戦終結の地・・・糸満市の平和祈念公園、摩文仁の丘で、ここに並ぶ戦死者名を刻んだ碑の多いことに驚き、兵士以上に沖縄民間人の犠牲者が多かったことに驚きました。今回は南部はパスして、中部の本部町にある「海洋博記念公園」に行き、前回隅々まで観光したので今回は「美ら海水族館」をジックリ見て、その後「ちむどんどん」の舞台である沖縄本島北部・やんばる地域を回ってみよう。ウージ(サトウキビ)畑の広がる光景も見たい。その帰りに、話題の辺野古基地の辺りを見よう。伊計島への海中道路が絶景だったのでもう一度行こう。2019年10月31日に首里城で発生した火災により、正殿を含む建物9棟が焼損した首里城公園の復興状況も見てみよう、最後の日には那覇市の南西の豊見城岳陵にあり、東シナ海、南部市街地、首里城が展望できる位置にある「海軍壕公園」で、第二次世界大戦末期に日本海軍の司令部壕がおかれ、激しい戦場となったところを見てみよう・・・これらが主な狙いでした。

当時の首里城正殿は健在でした

■ イザ沖縄へ・・・電車とクルマで羽田空港へ、那覇空港着はやや遅れ
 5月3日(火)自宅から徒歩出発、東武東上線上福岡駅9:21→9:23ふじみ野駅で急行に乗換え、9:25→9:51池袋駅着、JR山手線内回り・新宿・渋谷方面に乗換え、10:00→10:28品川駅で京急本線快特に乗換え、羽田空港第1・第2ターミナル行10:35→10:50、途中京急蒲田と第3ターミナルに停車しただけ、東京モノレールより速くて安いので、最近は京急オンリーですね。京急蒲田駅は3階建て立体交差になって、ものすごく高いところを電車が走ります。息子たちと第2ターミナルのレストラン街で待ち合わせてランチする約束でしたが、ほぼ同時にそれぞれの自宅を出たのに、息子たちはデカイSUVで移動、途中事故で大渋滞に巻き込まれ、やっと空港近くの駐車場について送迎バスに乗ったら、ゴールデンウィークで道路がこれまた大渋滞、今は便利でLINEで連絡が来ます。飛行機には間に合いそうですが、ゆっくりランチは無理とのことで、我々だけ羽田空港第2ターミナル3Fの「らぁ麺鶏だし屋」で醤油ラーメン890円と冷し醤油らぁ麺990円を頼みました。息子達は12時20分頃にやっと着きました。電車で1時間半、車で3時間チョイ、しかも車は駐車料金が万のオーダーでかかります。金銭感覚が違います。羽田空港は久々に見た大盛況、ANA;NH473便羽田空港ゲート2からスマホのQRコード画像でチェックイン、61番搭乗口から13:05発→15:45那覇空港着の予定でしたが、出発は予定通り、しかし向かい風が強いというので到着は20分遅れになるとの機内アナウンスがありました。機内でもANAWiFiにつないでスマホを使ってました(注:事前にANAアプリダウンロード要)。空の上では衛星通信を使うのです。16時過ぎに那覇空港着、ゲートDから手荷物受取場でスーツケースを受け取りました。那覇空港はランの花が溢れていました。

那覇空港着、ゲートDから出てきたらもう16時16分

■ 読谷村・残波岬へ
 那覇空港からトヨタレンタカーの大型送迎バスに乗り込んで、那覇空港シーサイド店に向かいました。住所は豊見城市で、瀬長島向かいの海岸通りです。着いて驚きました。広い、デカイ、数百台のレンタカーがずら〜っと並んでいます。手続きはすべてタッチパネルで、その機械がこれまた何十台も並んでいます。免許証をスキャナー上に置いて、カメラで顔認証して免許証写真と照合、一発で登録完了、さあどうぞと車に案内されます。車種はVitz、1000ccのエコノミークラスで、息子たちと別々に借りました。ちなみに今年のGWはレンタカー不足で、沖縄旅行を諦めた人が多いとネットで見ていました。例の半導体不足で、新車が納入遅れのためだったようですが、さすがトヨタレンタカーですね。ホテルはロイヤルホテル沖縄残波岬(沖縄県中頭郡読谷村字宇座1575)というリゾートホテルです。残波岬というのは沖縄本島西海岸の、灯台がある有名な岬です。ホテルまで、海沿い〜国道58号で34km1時間12分または内陸〜沖縄自動車道でグルっと回って54km1時間5分ですが、スマホナビでチェックしたら下道は渋滞しているというので、高速利用としました。豊見城・名嘉地ICから入り、石川ICで降りました。料金¥610でした。驚いたのはETCカード出口はスンナリなのに現金払い窓口がズラリ渋滞、恐らくETCカードを忘れてきたのでしょう。途中恩納村字真栄田の「すや売店」で泡盛「残波」を買いました。ホテルにチェックインした後、ホテル南隣の「御菓子御殿」内にある沖縄料理花笠で夕食としました。料理はいずれもリーズナブルプライスで、皆美味しくて満足しました。注文した料理がすぐ出て来て気持ち良い店でした。ホテルから徒歩なのでお酒が飲める、嬉々としてビール〜泡盛をグイグイ頂きました。孫たちはコーラやパイナップルジュース、シークワーサージュースなどを頼んでいました。息子が旅行費用一式負担してくれたので、申し訳ないのでカード払いしました。

ロイヤルホテル沖縄残波岬は夜に「ZANPA」とライティングされています

ロイヤルホテル沖縄残波岬の入口の対面にある「御菓子御殿」と沖縄料理花笠

■ 訃報・・・イビチャ・オシムさんと渡辺裕之さん
 サッカー元日本代表監督のイビチャ・オシムさんが2022年5月1日 自宅のあるオーストリアで死去されたとのこと 80歳でした 旧ユーゴスラビア・サラエボ出身で ジェフユナイテッド市原や日本代表の監督を務めました 「みんながみんなうまいだけではなく いろいろなスタイルがあっていい それが積み重なりチームを作るのだ」とおっしゃって サッカーのみならず人生の師だったと慕う教え子も数多い方でした 日本サッカーに対しては いつも愛あふれる発言をされていました
 俳優の渡辺裕之さんが2022年5月3日昼頃 自宅の地下にあるトレーニングルームで倒れていたことが家族により発見されたと所属事務所が公式サイトで発表 「自宅で縊死致しました」との衝撃の内容でした 66歳でした 水戸市出身で 1982年に映画「オン・ザ・ロード」の主演でデビュー ウルトラマンシリーズの映画やテレビ番組などで俳優として活躍したほか 「ファイト イッパーツ!」のキャッチフレーズで知られる栄養ドリンク「リポビタンD」のCMで有名になりました 妻は女優の原日出子さんで おしどり夫婦として有名でした 渡辺裕之さんは先輩からも後輩からも慕われた方で その飾らない性格と 偉ぶらず気配りをする対応がその理由だったようです 詳しいことは分かりませんが 安らかな眠りを祈ります

イビチャ・オシムさん           渡辺裕之さん
(2022年5月9日)


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