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 2021年に入って、早1ヶ月が過ぎました。COVID-19の第三波は1月8日からの緊急事態宣言発出で感染者数はやや下がってきて、ピークアウトした感はありますが、絶対数は第一波、第二波と比べてはるかに多く、しかも遅行して出てくる重症者数が多いので、医療現場は大変苦しい状態になっているようです。しかも都市部の中心部の人出は減っているどころか増えているようです。それでも感染者が減っているのは会食などを控えて用心しているからでしょう。不要不急の外出を自粛せよと言われても外出する人が逆に増えている理由は、働き口を求めて動かざるを得ない人が増えているからではないでしょうか?

■ 悲惨な非正規労働者
 COVID-19のワクチン接種問題や、オリンピック・パラリンピックの開催可否についてテレビではワイワイ騒いでいます。ここでは触れません。ワクチンを接種しなければウイルスには勝てないし、オリンピックやパラリンピックは人の心に感動と勇気を与えるものですから、議論など不要、実施に向けて国民の心を一つにすべき問題だからです。世の中では困窮している人が増えて、それどころではない状況です。完全失業率2.9%・・・アレ?あまり増えていないの?と思われるかもしれませんが、失業率はあくまで求職している人がベースです。休業手当をもらっていれば失業しません。しかし諦めて求職しない人が急増しているそうです。もっと悲惨なのは非正規労働者です。パートやアルバイトで、特に居酒屋などで働いていた人は、実質的に働く時間が少なくなって、収入が大幅に減って、暮らすことさえ困難になっている人がたくさんいるようです。首相は「自助・公助・共助」と言っていましたが、国会答弁で究極の公助は生活保護だと言っていました。そこまで行く前にすべきことはたくさんあります。

■ 11年ぶりに自殺者増加
 昨年の自殺者数が政府の速報値で2万919人に上り、11年ぶりに増加に転じたそうです。中でも女性と小中高生の増加が目立つとのこと、新型コロナウイルスの感染拡大によって経済や社会が停滞した影響をより大きく受けたとみられます。男性が減っているのに、女性は前年に比べ約15%増、非正規で働く人が多く、経済悪化のしわ寄せを受けやすいからと見られます。外出自粛でドメスティックバイオレンス(DV)が増えたことなども影響したようです。子どもについては学校の一斉休校などで家庭内のストレスが増した可能性も指摘されています。自殺した人の多くがさまざまな悩みを抱え、7割が何らかの相談窓口を利用していたにもかかわらず、最終的に死を選ばざるを得なかった事実は重く受け止めなければなりません。「いのちの電話」などのボランティア活動もありますが、政府や自治体はコロナ下の制約を乗り越え、支援の手をどうやって届けるか、早急な対策が求められます。


メジロ

■ 鳥は大変だ・・・野鳥観察には一番良い時期
 この時期大変なのは鳥です。鳩たちが集まって、原っぱでしきりに何かついばんでいます。何を食べてるんだろう?ヒヨドリやムクドリなども、木の実を食べ尽くし、まだ落ちているものを食べあさっています。畑を耕作していると、すぐハクセキレイがやってきます。土を掘り返すと地中の虫が出てくるのでそれを狙っているのです。鳩やハクセキレイはカラスなどと違って人間を恐れません。可愛いので人間が自分たちをいじめないことを知っているからでしょう。人間と一定のソーシャルディスタンスをとっていますが、ヒトの近くで餌を探しています。我が家の庭にもヒヨドリやメジロ、ホオジロ、スズメがやってきます。特にメジロは可愛いので、我が連れ合いが雑穀などを撒いて餌にしています。アブチロン・チロリアンランプは1年中咲いているのでその花の蜜を吸っているようです。今の時期が野鳥観察には一番良い時期です。餌が豊富な時期には森林に居るので見られない鳥たちが、餌を求めて人家にやって来るからです。雪国の鳥たちはどうしているのでしょう?雪はすべてを覆いつくすので餌も見つからないはず、雪の無いところへ移動しているのでしょうか?

我が家のアブチロン・チロリアンランプ

■ DXとは何?
 最近目にするようになった”DX”、「デジタルトランスフォーメーション」の略称だそうです。マスメディアでは、コロナ禍で日本のデジタル化の遅れが顕著になったなどと報じられています。筆者が大学生の頃、電気工学の講義は真空管とトランジスタが混在していました。電気工学の分野から電子工学が分離独立し、やがて情報工学の黎明期につながって行く頃です。半導体が現れて、トランジスタの応用が盛んになり、やっと”IC”などが実用化されてきた時期でした。社会人になるや否やいきなり”IC”やミニコンピュータ、ソフトウェアの世界に巻き込まれ、「あの電磁気学は何だったんだ!」と思うような異次元の世界に身を置くことになったのです。そしてマイクロプロセッサで回路設計してマイクロコンピュータ製品を開発しました。米国の後追いではありましたが、それでも世界のトップランナーの一角には間違いなく居りました。マイコン応用製品は高額でバンバン売れました。楽しかったですね。ではいったい、いつ頃から日本は世界に後れを取るようになったのでしょうか?

ムクドリ

■ 企業現場で求められるDX
 「デジタルトランスフォーメーション(DX)」は、デジタル化による組織やビジネスモデルの変革を指します。スウェーデンの大学教授エリック・ストルターマン氏が2004年に提唱した概念だそうです。しかし筆者は既に50年前、デジタル技術の波に巻き込まれ、めまぐるしい変化にさらされてきました。今更DXと言われても...という感じがします。しかし今言われているDXは、人間の生活のあらゆる面で引き起こされる、あるいは良い影響を与えるデジタル化による変化のことを指しているようです。
 ビジネスシーンで使われる場合のDXとは、「競争優位性を確立する」という観点で、デジタル社会の変化に対応した企業が、AIやIoT、ビッグデータなどのデジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務を変革する抜本的な取り組みとして用いられることが多いようです。経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」では、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とまとめられています。また、情報処理推進機構(IPA)では「AIやIoTなどの先端的なデジタル技術の活用を通じて、デジタル化が進む高度な将来市場においても新たな付加価値を生み出せるよう従来のビジネスや組織を変革すること」と説明しています。

セキレイ

■ 先進国からずり落ちた日本
 どうして日本のデジタル化の遅れが言われるのでしょう?今回のコロナ禍で日本は中国や韓国にさえ追い越され、世界の中で取り残されている現状が見えてきました。もともとソフトウェアに於いては日本は欧米先進国から常に遅れをとっていました。いまだかつて一度も追い着いたことさえありません。しかしそのソフトウェアを動かすハードウェアについては、米国の後塵は常に拝していましたが、欧州の一歩前に出て世界ナンバー2になったこともあります。スーパーコンピュータなどは再び世界トップに出ています。事業仕分けで「2位じゃいけないんですか?」などという迷言を吐いた女性議員がいましたが、競争の世界ではトップランナーでなければ、2位もビリも同じなのです。2位で良いと思った瞬間、次々にランナーに抜かれてズルズルと後退して行くのです。
 そして今や日本は国民所得でドンドン抜かれて、統計的にはOECD加盟35ヶ国中19位と言われます。しかし見逃してならないのは近年大幅に拡大した国民の間の所得格差です。そのために世界の中で貧困率第二位へと”躍進”してしまいました。「子ども食堂」や困っている人への食料寄付などがニュースになっています。豊かな層でさえ今や韓国にも所得で抜かれました。2019年の世界幸福度ランキングでは156ヶ国中58位でした。男女格差を示すジェンダーギャップ指数は121位です。

ヒヨドリ

■ 2050年カーボンニュートラルのために...
 昨年菅総理は就任後、2050年カーボンニュートラル宣言を出しましたね。米国でトランプ大統領が選挙で負けそうという情勢を見て、うかうかしてはいられないと思ったのでしょう。これ自体は正当なことです。しかしそれを言うなら、政策全体に大幅なリニューアルが必要です。あと30年もありません。毎年、谷落としのような急激な二酸化炭素排出抑制がどうやれば出来るのでしょう?暖房に灯油を使わない?電気を使いますか?2021年1月、家庭の電気代が急騰しているというニュースがありました。我が家は東京電力ですから大きな変化はありませんが、電力の小売り自由化で乗り換えた家庭でそういう事件が起きているそうです。全国的な寒波と積雪で、需要が増えた上に太陽光発電が雪のため出来なくなったところが増えたからです。以前から指摘していますが、再生可能エネルギーの中でも太陽光は不安定なので、この比率が増えることは問題なのです。太陽光発電で水を電気分解して水素を取り出して貯蔵するならば有用ですが、いつ曇るかもしれないお日様に頼るのは不安です。関西電力など需要対供給比率が99%になって、大規模な停電事故一歩手前まで行きました。日本の石炭火力発電は世界中から白い目で見られています。二酸化炭素を排出しない原発は国民から白い目で見られています。いったいどうすれば良いのでしょう。大和ハウスのCMで妻の妊娠を機に、自給自足の生活を決意した夫(先頃戸田恵梨香と結婚した松坂桃李)が、井戸を掘り、稲を植え、牛を飼い、必死になって頑張りますが、採れたコメは手のひら少し、だんだん冷めた目でそれを見守るようになる妻の目...そして2人が行き着いた答えは「電気を自給自足する家」でしたというものがあります。自給自足を目指した松坂桃李の服はだんだん弥生人、そして縄文人みたいに...これは冗談ではありません。私たちの暮らしを変えなければカーボンニュートラルはできません。そして大和ハウスが言う太陽光発電では電気を自給自足することはできないのです。都会の便利な生活を変えなければいけないのが結論、日本の国家戦略大転換が必要です。

ジョウビタキ

■ 閉店〜開店
 ふじみ野市役所隣の日本無線工場跡地に大きなイオンスタイルが出来ました。市内には他にもシネマを有するイオンがあるのにです。その斜め向かいのKDDI研究所の隣にはイトーヨーカドーの大きな店がありましたが、閉店して取り壊し、長谷工の15階建てマンションとスーパーヤオコーができるそうです。生鮮食品で人気のあるヤオコーは上福岡駅西口の「ココネ」と、ふじみ野駅に近い駒林店に続き市内3店舗目です。長谷工の15階建てマンション群ができると、その北西側に広がる低層住宅街は日照や電波障害で大変でしょうね。イオンスタイルには様々な店舗やクリニックモールも入って、その一つとして家電量販店「コジマ」がイオンスタイルに移転しました。「コジマ」の跡地が何になるかと思ったら生鮮食品スーパー「ジャパンミート 卸売市場」になるのだそうです。その中にできる魚屋の「海鮮工房 田中」が、3月上旬オープンに向けて店員を募集する新聞折り込み広告で知りました。ジャパンミートは土浦市に本社があり、茨城県で成長したスーパーです。直営31店舗あり、埼玉県にも9店舗、「肉のハナマサ」53店舗もグループに持つほか、ジャパンデリカという焼肉漫遊亭15店舗、とんかつ漫遊亭1店舗も有します。「 ジャパンミート 卸売市場」の斜め向かいには生鮮食品スーパー「マミーマート」があり、ここは昔「イトーヨーカドー」でした。ものすごい閉店〜開店ラッシュ、まさしくサバイバル競争ですね。そう言えば上福岡駅東口の東武ストア隣の西友はウォルマートから楽天に身売りしましたね。いやはや...

上福岡駅西口の「ココネ」に入居するヤオコー
(2021年2月1日)


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