197  日本の人口問題

 12月11日(日)は東京海洋大学品川キャンパスに行きました。10日(土)は朝霞市であった少年野球大会決勝戦で完封勝利、優勝して祝い酒を飲み、翌朝は地元の市内秋季大会決勝戦、しかし東京海洋大学に行く予定があったので、背広の上にオーバーオールを着て、帽子を被って、決勝戦に臨み、完封勝ちするやいなや上を脱いで、革靴に履き替え、閉会式も出ないで直ちに車で帰宅してすぐ駅に向かいました。日曜日の品川は若者で溢れていました。

■ 地方の問題・・・若者が居なくなる
 今日本で起きている問題は少子高齢化ですが、もう一つは地方の過疎化、人口の都市集中です。東京海洋大学で行われた岩手大学の報告会で注目したのは、18歳男、22歳女が急減する右のグラフです。これは全国的な問題で、北海道から九州までどこでも同じだそうです。18歳男は、高校を卒業して進学・就職するときに地元を離れる人が多い、大学は東京に行く、ということで若者が地方に残らない、男女共に同じですが特に男が顕著です。22歳女というのは、大学までは地方に居ても、就職先が無いのでヤッパリ東京に行くということです。政府は地方創生ということで躍起になっていますが、大学は東京近辺に集中している、卒業したら働き口が周辺にたくさんある、若者が東京に出てきて帰らないのは当然です。 
岩手県に於いて18歳男、22歳女が急減する人口社会減のグラフ(岩手県の発表したものから)

■ 高齢化の推移と将来推計
 日本の高齢者人口は今後、「団塊の世代」が65歳以上の前期高齢者となった2015年には3,395万人となり、「団塊の世代」が後期高齢者75歳以上となる2025年には3,657万人に達すると見込まれています。その後も高齢者人口は増加を続け、2042年に3,878万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されています。2013年の高齢化率は25.1%で4人に1人となり、2035年に33.4%で3人に1人となって、2042年以降は高齢者人口が減少に転じても高齢化率は上昇を続け、2060年には39.9%に達して、国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると推計されています。総人口に占める75歳以上人口の割合も上昇を続け、2060年には26.9%となり、4人に1人が75歳以上の高齢者となると推計されています。
 日本の後を追うように中国が高齢化社会に入りますから、日本の今後は試金石として注目されています。 

内閣府高齢化白書平成24年版「高齢化の推移と将来推計」グラフ

■ 北海道の温泉
 12月16日から19日は本来北海道旅行のはずでした。羽田空港を出発して新千歳空港に降り立ち、観光経済新聞社主催第29回にっぽんの温泉100選の総合北海道第1位「登別温泉」、北海道第2位「十勝川温泉」、北海道第5位「定山渓温泉」という3大名湯に泊まる3泊4日間の旅です。札幌・旭山記念公園で新日本三大夜景を眺め、小樽の運河のある街並み、余市ニッカウヰスキー工場、蝦夷富士と呼ばれる美しい羊蹄山、日本第3位の大きさのカルデラ湖・洞爺湖、特別天然記念物の昭和新山、白鳥や野鳥の飛来地のウトナイ湖、競走馬のふるさと新冠サラブレットロードを走り、巨額の経費をかけて完成した断崖海岸道路「黄金道路」を走って、約2kmも岩礁が続く雄大な自然美・襟裳岬を堪能、昔のまま残る旧幸福駅の素朴な木造駅舎と板張りのプラットホームを見て、池田ワイン城・・・十勝ワイン工房や十勝スイーツ工場に寄って、雄大な十勝平野から新千歳空港〜羽田空港というツアーでしたが、お金も払ったのに旅行会社から中止連絡が入りました。多分大型キャンセルがあったのでしょう。

■ 札幌の雪
 2016年11月6日(日)未明から降り続いた雪で、札幌では積雪が24cmを越えました。11月上旬の20cm以上の積雪は、1961年の観測開始以降これで2度目だそうです。更に12月10日(土)には発達した低気圧の影響で最深積雪が65cmを記録、札幌管区気象台によりますと、12月上旬としては1987年の68cmに次いで過去二番目に多いそうです。雪の影響でJR北海道や新千歳空港発着の航空便は欠航が相次ぎ、札幌市中心部を走る路面電車(市電)は除雪が追いつかずに、全線で終日運休、札幌市交通局によると、市電が終日全線で運休したのは、軌道上の雪を竹製の回転ブラシで払う除雪車「ササラ電車」を導入した1925年以降初めてだそうです。新千歳空港では10日夜、欠航のためターミナルビル内で翌日の飛行機を待つ人がベンチなどに横たわり、ビル運営会社は毛布を配布しました。近くのホテルはどこも満室で、毛布にくるまっていた若い夫婦は「ここにいるしかないけれど早く帰りたい、空港泊なんて初めて」と疲れた様子でテレビのインタビューに答えていましたが、ソレを見て、「ヤバイ、やっぱりこの時期の北海道はやめたほうがよかったのかな?」と思いました。寒い時こそ北海道というツウなことを考えたのは甘かったか?

■ 水上温泉郷で雪見風呂
 北海道旅行がキャンセルされたので、上州水上温泉郷に行くことにしました。赤城高原ではチラッと雪が舞う様子が見えましたが、沼田を越え水上ICで高速を降りても雪景色ではなく、進むほどにどんどん風景が白くなって行きます。しかし、道路の両側からチョロチョロ噴流が出ていて雪を融かしています。さすが雪国ですね。2週間前の越後湯沢は全く白く無かったのですが、今回のハイウェイ情報ではもはやトンネルを抜けたら雪国です。トンネル手前でも谷川岳の麓ですからもはや真っ白です。雪の舞う露天風呂を楽しみました。
 水上温泉郷は、群馬県利根郡みなかみ町水上地区にある温泉の総称で、奥利根温泉郷とも呼ばれます。利根川の最上流部にあり、谷川岳の麓に位置しています。水上町をみずかみ町と言うよそ者が居たのでみなかみ町としたのでしょうか。水上温泉、宝川温泉、谷川温泉、うのせ温泉、湯の小屋・上の原温泉、湯檜曽(ゆびそ)・向山温泉などがあります。前回紹介したように日本の温泉地は今、廃墟問題に直面しており、水上温泉郷中心部の湯原地区では沿道に廃墟となった宿泊施設が点在していて、温泉街全体のイメージ悪化を招いている状況にあります。みなかみ町は新しい資本の誘致に向け、廃墟の撤去・更地化も辞さないという考えのようです。

ホテルの窓から見た風景 つららが下がり翌朝まで絶え間なく降雪

■ 二代目醤油らーめん司
 2016年12月13日より東日本の幸楽苑全店で「二代目醤油らーめん司」が販売開始されました。これまでも一部店舗で販売していたようです。幸楽苑の売り文句からすると、「長期熟成醤油ダレ、とんこつ・鶏ガラ・飛魚・煮干し・野菜から炊き出したスープ、コシがある麺を使用した逸品」とのことです。490円(税込529円)で、販売地域は東北6県と関東6県、山梨県、新潟県、長野県、東京都だそうです。
 ラーメンおたくの娘は、「幸楽苑のラーメンを食べるぐらいならカップめんのほうが良い」などと言いますが、メンクイの筆者はそうは思いません。確かにスープが甘く、コクが無い面はありますが、味噌ラーメンなどはいわゆる昭和そのものです。筆者が愛した、今は亡きサッポロラーメンには及ぶべくもありませんが、390円(税込421円)でこの味ならば十分です。ただ醤油ラーメンは確かに...最初の290円ラーメンが姿を消し、初代の『司』らーめんが登場したときは期待外れでした。初代と比べると二代目は、チャーシューが4枚から2枚に、中細で白味を帯びた低加水麺から黄色味を帯びた多加水中太縮れ麺に、スープが黒く濃いめになったのは???だけれど、魚粉加えて味はやや良くなりました。でも幸楽苑なら味噌ラーメンで十分です。

二代目醤油らーめん司

幸楽苑のクーポン

■ 信頼できるデータが無い水素水
 水素を含んだ水いわゆる「水素水」について一部の商品が健康増進効果があるかのようにうたっているとして、国民生活センターが改善するよう求めました。そういえば我が家の近所のマミーマートにも自動販売機が置いて有ります。この調査は国民生活センターが、容器入りの「水素水」と「水素水」を作る生成器、計19商品について調べたものです。「水素水」は有効性について信頼できる十分なデータがありません。ところが、12の商品で「病気の原因といわれる悪玉活性酸素を無害化する」「アンチエージング効果」などとうたっていたそうです。そもそも水素が人間の体内で悪玉活性酸素と結合するなどという化学反応が自然に起きますか?どう考えてもアヤシイ。まあ信じて飲む分には良いと思いますけど...。国民生活センターは、こうした表示が景品表示法などに抵触する恐れがあるとして、改善を求めるとともに、行政には業者を指導するよう求めています。

■ 石油元売り大手5社がガソリン卸価格操作
 経済産業省の調査により、石油元売り大手5社が、市場の実勢より割高な価格で給油所にガソリンを販売する価格操作を繰り返していたことが分かりました。元売り大手は、割高な価格で一律に卸したうえで、競争の激しい一部の給油所に対しては値引きに応じているのだそうです。ガソリン業界には元売り大手が卸価格を決めて系列給油所に納入し、その後給油所と個別交渉して値引きする「事後調整」という取引慣行があるのだそうです。ガソリンスタンドがどんどんつぶれて、元売り大手系列の給油所が残るという現状から、こういうことが行われているんだろうと想像はしていました。元売りが系列給油所を優遇し、安売りの原資を確保する仕組みでしょう。元売りの事実上の価格支配が消費者に及ぶのですから、公正な状況とは言えません。そもそも原油先物市場の価格がすぐ小売価格に反映すること自体おかしいと思っていました。経産省と公正取引委員会は「不合理な差別的扱いは独占禁止法違反にあたる可能性もある」と問題視しており、何らかの指導が入るでしょう。

■ 米1年振り追加利上げで今後円安へ
 米連邦準備制度理事会(FRB)は12月14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、雇用の堅調な伸びや物価上昇を受けて、政策金利を0.25%引き上げ0.5〜0.75%とすることを決めました。今後の金利見通しでは、来年3回の利上げを想定したことで、今後円安・ドル高が進むと思われます。それに伴って輸入物価が全般に上昇、特に灯油やガソリン、軽油が値上げになります。トランプ次期政権が掲げる財政拡大政策などが今後の金利想定に反映されているようです。米経済について「年半ばから緩やかに拡大した」と評価、物価上昇率は目標の2%を下回っているものの、一部の指標は「大幅に上昇した」と判断し、中期的には目標に達するとの見通しを発表しました。日本での「アベノミクス」は朝日新聞が名付けた造語ですが、とっくに崩壊しているのに、その狙いが政策によらずに外部環境の変化で何故か狙い通りに進む、安倍晋三首相の強運はスゴイ!

■ 会談遅刻の非礼は脅し・・・プーチン戦略
 安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が山口県長門市と東京での会談で「北方四島」の帰属問題を話し合うとNHKでは報道していました。対してほぼすべての日本マスコミは「北方領土」と表現していました。この会談にプーチンの大遅刻…実はこれは今に始まったことではありません。先頃は、将来の日本の総理候補でもある外務大臣を2時間も立ったまま待たせましたし、3年前に韓国の朴槿恵大統領と会談したときもそうでした。各国首脳との会談でも、相手がどんな大物であろうが平然と遅刻する、これは大変失礼なことなのに平気なのです。犬が嫌いなドイツのメルケル首相との会談に愛犬のラブラドールレトリバーを連れてくる、明らかな脅しです。こんな失礼な首脳は他に居ません。ヒトを馬鹿にしています。いわゆる確信犯ですね。そういう失礼を平然と示すことで相手を脅す意図があるわけです。2日にわたる会談後、両首脳はそろって記者会見し、「北方四島」での共同経済活動に関する交渉を進めることで合意したというプレス向け声明を発表しました。まあなんのことは無い、「北方領土」返還が悲願の日本と、「両国間に領土問題は存在しない」というロシアが、この地域で共同の経済活動をしましょうよ、ということで、具体的にどうするかを事務方で協議して行くという合意に達した、ということです。

■ 北方四島?北方領土?
 ロシア法でもなく日本法でもない、新たなルールの下で・・・と安倍首相は述べました。プーチン大統領は経済協力の狙いが成功したのでは?という質問に対して、平和条約の締結が一番だ・・・と述べました。しかし日ソ不可侵条約を破って終戦直前に日本に攻め込んで「北方四島」を略取したのがソ連、今のロシアです。平和条約を締結したところで、平気で破るのではないでしょうか。このエッセイでも以前書きましたが、ウクライナの事例で明白なように、領土は武力で奪い取るもの、話し合いで譲るなんて考えられません。ましてや「北方四島」でロシアは着々と軍事拠点を整備しています。プーチン腹心のメドベージェフ首相が何度も訪問して、現地の住民(移住してきたロシア国民)を激励しています。日本の首もとに突き付けた匕首(あいくち)を、安全保障上絶対にロシアは手離さないでしょう。「北方領土」を話し合いで返還してもらえるなんて有り得ません。ましてや相手は失礼極まりないプーチンです。今回の会談は何か前進なのでしょうか?

■ オバマ米大統領がプーチン露大統領を名指し批判
 オバマ米大統領は2016年12月16日、ホワイトハウスで記者会見し、ロシアが米国大統領選への干渉を狙ってサイバー攻撃を仕掛けたと断定し、「これはプーチン(大統領)の関与なしにロシアでは起きないことだ」と名指しで批判しました。一方、ロシアとの関係修復を掲げるトランプ氏は、サイバー攻撃を巡るオバマ政権のロシア批判にツイッターで反論投稿しました。オバマ氏は会見で、ロシアの行為に対する同様の懸念をトランプ氏にも持ってほしいとし、この問題は党利党略の争いにすべきではないと指摘しました。
(2016年12月18日)


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