
蘇民祭
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2月23日は赤坂で大学の同窓会役員会、溜池山王の駅出口を出たら目の前には首相官邸、警察車両が警戒している。この日はものすごい強風、帰宅してニュースを見たらなんと!「春一番」だったのだそうだ。そうか、さもありなん。 |
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「一人がイヤだと思えばセクハラになってしまう世の中ですから、仕方がないんですかね」・・・写真左の佐藤真治さんはそう話したそうだ。祭りに20年以上参加しているベテランで、現在は世話人も兼務しており、お父さんもずっと参加しているという。男の裸がダメというのは???写真右は川の水を浴びる場面。黒石寺(こくせきじ)蘇民祭は岩手県奥州市水沢区の北上川の東岸にある天台宗の妙見山黒石寺で毎年、旧正月7日に行われる伝統行事である。夜を徹して行われ、薬師信仰をもとに、裸の男と炎の祭りであって、裸参り、柴燈木(ひたき)登り、別当登り、鬼子登りなどがあり、翌日未明からは堂の前で男たちが東西に分かれ、裸で押し合いながら蘇民袋を奪い合う。蘇民袋は護符が入った麻袋で、これを最後につかんだ者の住む方角がその年、豊穰多福になると伝えられ、左上の佐藤さんは昨年その蘇民袋を得て雄たけびを上げたところをパチリと撮られたようだ。岩手県では厳寒期に各地で同様の裸祭が行われており、珍しいものではないが、黒石寺蘇民祭は最大の規模を誇るものという。
例年であれば40〜50人の取材陣だが、今年(2月13〜14日)はポスター事件で注目され、民放のワイドショー番組が大挙して押し寄せて、3倍以上の約170人の報道陣が押し寄せたものの、悪天候もあり客足は例年より少なめ、祭り自体の参加者も約80人にとどまった。佐藤さんも話題になったため、今年は裏方に徹したらしい。永六輔さんが「蘇民祭は暗闇の祭りであり、炎で裸が照らされるということはあるが、こうこうと灯りを照らしてテレビが中継するからワイセツなのであって、ラジオならワイセツではない」と当意即妙なことを言っていた。ただこの祭りは本当にスッポンポンで参加する若者もいて、地元の警察署は「公然わいせつ罪」に当たる可能性がある」と警告していたが、この祭りはず〜〜〜っと昔から続いてきたもの、都会の祭りと違って見世物ではない。薬師様に祈る祭りであるから、その前では生まれたままの素っ裸で良いのである。したがって夜から朝にかけて暗闇の中で実施される祭り、大体においてあの寒さの中で見に来る人にはやましい心など無い。わざわざ真夜中、清冽な冷気の中、見に来て「や〜ねぇ」などと言う人がいたとしたら、「余計なお世話だ、二度と来るな!」と言うべきところである。その粋に感じて警察官も法に照らして云々と野暮なことは言うべきではないし、実際現場のお巡りさんはそんなこと言わない。テレビが中継したらボカシ、モザイクで生はムリだろう(^-^)し、テレビでは闇夜の神は見えない。
午後10時からの裸参りは、梵鐘の合図で、祈願者、厄年の善男善女が手に手に角燈や割竹にはさんだ浄飯米(おはんねり)を持って、身を切る寒さの山内川に入り、水ごりした後、掛け声とともに本堂、妙見堂を三巡して厄災消除・無病息災・家内安全・五穀豊穣を祈願する。蘇民袋争奪戦は午前5時からで、鬼子が本堂に戻ると、袋出しと呼ばれる男たち5、6人が蘇民袋を抱きかかえるようにして外陣に出て争奪戦が始まる。集った善男、善女は蘇民袋の中の小間木を拾ってお守りとするが、裸の男たちはさらに空になった袋の争奪戦を繰り広げ、境内の外になだれ出て、明け方まで2時間余りも激しい取り合いを続けるというもので、最終的には袋の首の部分を握っていたものが取主(とりぬし)となって争奪戦が終了する。詳しいことは天台宗妙見山黒石寺のホームページに紹介されている。虫まつりなど田舎の祭りというのは五穀豊穣を祈願するものであり、筆者も子供の頃は意味もよくわからず上の子に付き従って参加したものだが、現在のように米がたくさんとれても消費減退で年々生産量を減らさざるを得ない時代には、祭りはまた別の意味を持つものになっているのではなかろうか。
(2008年2月24日)
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