大井ウエスト

トピックス2014



大井ウエストでのトピックス各種ご紹介します

WEST主題歌南部蝉しぐれ 三角小3年生ダンス全国銀賞 夏の甲子園2014 先輩の
活躍2014
先輩の
活躍2013
溜り場
松栄庵
平山さん、八柳
さんの古希祝い
バーベ
キュー
澤藤の
還暦祝い
こんな
時代も



ページTOPへ  ウエスト主題歌「南部蝉しぐれ」
負けて泣くより 勝って泣け
時節は来ると 風がいう
弱音をはくな 強気になれよ
胸に聞こえる 蝉しぐれ

演歌部門カラオケリクエスト日本ナンバー1、全国の皆様が大井ウエストを応援してくれております

2013年紅白歌合戦出場!!




2013年6月22日(土)澤藤撮影 サプライズで登場


第2回全日本小中学生ダンスコンクールでTriangle crew(埼玉・ふじみ野市立三角小学校)が銀賞
 「第2回全日本小中学生ダンスコンクール」(朝日新聞社主催、朝日学生新聞社共催、キユーピー協賛)の全国大会が2014年8月26日、東京都渋谷区の代々木第二体育館で行われました。東日本大会と西日本大会で上位に入った計34チームが「小学生・学校参加の部」「小学生・オープン参加の部」「中学生部門」に出場。ヒップホップやロックなどの曲に乗って、熱いパフォーマンスを披露しました。小学生・学校参加の部は、Triangle crew(埼玉・ふじみ野市立三角小学校)がトップバッターで登場しました。コチラで動画がご覧になれます。「全国大会 コンクール 小学生・学校参加の部」の写真の上にカーソルを持ってきますと、動画再生バーが黒帯表示されますので、再生ボタン()を押してご覧下さい。
 昨年の第1回大会では2年生39人で構成し、全員ダンス初心者ながら、見事全国大会銀賞を得ました(Triangle crew2013の紹介)。昨年ダンスを始めたこどもたちは今年3年生、東日本大会の小学生部門・学校参加の部で、5チームが金賞を受賞し、全国大会への出場権を得た中に入りました。全国大会ではクラスの仲間と一緒に力強いステップで会場を沸かせました。
 Triangle crewのダンス・・・  その1  その2  その3  その4
 結果は小学生・学校参加の部で【金賞】に輝いた南台DreamGirls(横浜市港南区、市立南台小)に次いで【銀賞】3チームのトップでした。【銅賞】は2チームでした。なお、小学生・オープン参加の部は全国のダンススクールなどのチームが出場するのでチーム数が多いのですが、【金賞】が大阪、栃木、沖縄、群馬、東京の5チーム、【銀賞】は7チーム、【銅賞】は4チームでした。2009年度の6年生・酒井 駿の妹花音ちゃんが出ました。2009年片品合宿のときはまだ小さかったのに、月日の過ぎるのは早いものです。Triangle crewは2年後、大会を盛り上げる存在になるのが夢だそうです。

花音ちゃんは前列左端かな?

ページTOPへ  先輩の活躍〜2014〜

 2013秋季大会   2014春季大会   2014年選手権埼玉大会   山村国際が花咲徳栄を撃破   朝霞連続延長戦の激闘制す 
 4回戦富士見敗退・山国VS朝霞   5回戦埼玉平成、山国敗退   準々決勝市立川越VS昌平   準決勝市立川越VS正智深谷 
 決勝市立川越VS春日部共栄   二松学舎大付属11度目の正直!小峯瑛輔甲子園へ   甲子園1回戦春日部共栄快勝 




埼玉県高野連title

第96回高校野球選手権大会埼玉大会

ページTOPへ  組合せと結果
(埼玉県高等学校野球連盟)

埼玉高校野球情報局

埼玉
平成
市立
川越
山村
国際
所沢
中央
朝 霞
青木一也(3年) 上條将希(3年) 小西翔武(2年)
(佐々木龍斗(2年))
西澤 翔(2年) 名取晃一(2年)
(湊 地広(3年))
 
2回戦8-2桶川(シード校)
3回戦10-2(7C)城西大川越

4回戦2-1所沢商
5回戦狭山ヶ丘に3-8敗退
狭山ヶ丘6-7X正智深谷

 
 
2回戦11-1(5C)大宮
3回戦9-0(7C)大宮武蔵野
4回戦1-0(延11)北本
5回戦5-3松山
準々決勝3-2昌平
準決勝8-3正智深谷

決勝2-7春日部共栄
1回戦2-1花咲徳栄
2回戦9-2(7C)宮代
3回戦14-0(5C)鶴ヶ島清風
4回戦1-0朝霞
5回戦本庄東に0-1敗退
(本庄東2-4春日部共栄)

 
 
2回戦7-6坂戸
3回戦昌平に1-4敗退
(昌平2-3市立川越)
1回戦9-0(7C)草加東
2回戦4-3(延12)三郷北
3回戦3-3(延15)再6-5(延11)市立川口
4回戦山村国際に0-1敗退
(山村国際0-1X本庄東)

 
春季1回戦星野4-6敗退 春季準決勝浦和学院0-1敗退 春季1回戦ふじみ野7-10敗退 春季1回戦城西大川越2-7敗退 春季2回戦埼玉栄延長14回2-7敗退

他にも大井ウエスト先輩が高校野球で頑張ってるよ、という方はメールでご紹介下さい

Aシード2校が早々姿を消す乱世埼玉

BEST32でシード16校中7校が消え

実はこの伏線は昨年秋季大会で出ていた

■ 波乱が起きている夏の高校野球埼玉県大会、何故こんなことが?
 日本各地で熱戦が繰り広げられている高校野球の地方大会、関東では埼玉の強豪校が続々と姿を消す波乱が起きています。2014年7月17日で4回戦進出校が出揃いましたが、その中に第1シードだった浦和学院と聖望学園の名前がありません。春の県大会Vと準Vが居ない、さらに近年甲子園で名を馳せた花咲徳栄も初戦敗退と予期せぬ展開となっている、と新聞やネット上で話題となっています。
 浦和学院は昨春の選抜甲子園大会で当時2年生エースだった小島(おじま)和哉投手(鴻巣市赤見台中)を擁して優勝しましたが、夏の甲子園では1回戦で対戦した宮城・仙台育英高校相手にエースが大乱調で、10−11でサヨナラ負けを喫しました。被安打9本、与えた四死球も9個、これについては昨年の「トピックス」の中で詳しく解説しました。絶対負けることの無いはずの試合を何故落としたか?采配に対しても疑問を呈しました。
 2014年夏の波乱に至る経緯を検証してみましょう。

■ 2013年埼玉県秋季高校野球大会で西部地区は激戦、聖望も姿消す
 小島にとって高校生活最後の1年は、エースとしてだけでなく、チームの大黒柱として引張って行かなければならない立場になりました。夏の大会で負けた時点で3年生の高校野球は終わりですが、翌日から2年生以下の時代になります。特に常勝ウラガクのエースの重圧たるや、大変なものであったでしょう。先輩が居なくなった最初の大会、2013年埼玉県秋季大会ではこのプレッシャからか、県大会3回戦で本庄一に負けました。聖望学園はさらにひどく、県大会前の地区大会代表決定戦で川越東に延長14回サヨナラ負けしました。ただ、本庄一にしても川越東にしても強豪です。高校野球に「絶対」などというものはありません。昨年の秋季大会については、『先輩の活躍〜2014にかけて〜』というところで、詳しく書いてあります。「埼玉県秋季高校野球地区大会代表決定戦で埼玉平成は1-0から8回裏2点GETでシード校川越工に逆転勝ち、シード校市立川越は1-0で所沢に完封勝ち、シード校山村国際は3-3から延長12回表2点GET、その裏を抑えて武蔵越生に勝利、所沢中央は1-1から9回表1点GET、その裏を抑えて2-1でシード校所沢西に勝利、朝霞は0-0から9回裏シード校浦和実にサヨナラ負け、強豪では浦和学院、花咲徳栄、春日部共栄、埼玉栄はシード校の実力を発揮して順当勝利、しかしシード校聖望学園が川越東に延長14回サヨナラ負け、シード校ふじみ野は1回戦で川越に延長11回サヨナラ勝ちしたものの西武文理に2-4敗戦、西部地区はシード校が3校しか勝てず、6校がノーシードから勝ち上がるという激戦区、東部地区は10校中9校がシード校、北部地区は9校中8校がシード校、南部地区は11校中9校がシード校と圧倒的に順当結果となっているのとは大違いです。富士見はひところの強さが影を潜め残念、がんばって欲しいです」と書きました。

ページTOPへ  ■ 2013年埼玉県秋季高校野球大会は花咲徳栄が優勝、市立川越が準優勝
 2013年埼玉県秋季高校野球大会は、第1シード浦和学院、第2シード春日部共栄、第3シード花咲徳栄と川越東となり、結局花咲徳栄がノーシード市立川越を破って優勝し、第3位は本庄一と春日部共栄でした。ノーシードから勝ち上がった市立川越は、すでに夏の大会で2年生の上條将希が背番号10でありながらエースを押しのけるキレのある速球で活躍し、準々決勝で聖望学園に敗れましたが、埼玉県に上條将希あり、と高校球界で一躍注目される存在になっていましたので、ノーシードと言っても、結果的には順当でした。ただ2013年夏の大会準々決勝市立川越対聖望学園戦は市営大宮球場、同時刻に隣の県営大宮球場で埼玉平成対浦和学院戦の試合をやっていましたので二兎を追えず、佐々木誠太と青木一也を県営で応援していたので、上條将希は見られませんでした。秋季高校野球大会準決勝は本庄第一VS花咲徳栄、市立川越VS春日部共栄となりました。詳しくは2013年のトピックスをご覧下さい。花咲徳栄は井上−高杯のバッテリー、キレのある直球とスライダーでバッタバッタと三振を奪う花咲徳栄のエース井上祐太投手(相模原市内出中)が、ヒット6本を打たれながらも、本庄一を完封しました。市立川越は上條−丹羽、春日部共栄は金子−守屋のバッテリー、準決勝前の試合まで春日部共栄の失点はわずか2、市立川越は10でした。しかし澤藤は市立川越が勝つ、と予想しました。その根拠は、夏の大会で春日部共栄は埼玉平成に敗れており、それが佐々木誠太に抑えられたためでした。今度は上條将希がやってくれる、すなわち春日部共栄は大井ウエストに弱い、それだけが根拠です(^-^)。予想通り、上條将希が被安打3、奪三振12の完封勝利、前評判通りのピッチングを披露しました。決勝戦では、花咲徳栄の井上祐太投手と市立川越の上條将希投手のエースの投げ合いはありませんでした。連投になる上、今後何度も激突するであろう両校は、控えにも好投手を擁しています。打力では花咲徳栄が上で、古川澄也主将(栃木県壬生中)と多田友哉選手(横浜市万騎が原中)の二人が中心です。花咲徳栄は外人部隊チームで、百人ぐらい野球部員が居て、背番号1桁に埼玉県出身選手は1人しかいません。
 この後、12月オーストラリア遠征の埼玉県選抜メンバー20人に上條将希は、投手1で選ばれました。もちろん浦和学院の小島和哉投手も選ばれ、朝霞高校のエース菊島 翼投手も選ばれました。上條将希と菊島 翼の二人が2013年11月14日にふじみ野市役所を訪れ、埼玉県高校野球オーストラリア遠征チームに選抜されたことを報告したことが市報ふじみ野に載りました。

ページTOPへ  2014年埼玉県春季高校野球大会は浦和学院が優勝、聖望学園が準優勝、市立川越と大宮東が第3位
 年が明けて2014年になり、埼玉県春季高校野球大会が行われました。東西南北各地区において地区予選(結果pdf→クリック)が行われ、東部地区では春日部共栄と花咲徳栄、昌平、久喜北陽、栄北、越谷南などが順当に予選突破しました。北部地区でも松山や上尾、桶川、本庄一、秀明英光が、南部地区では浦和学院、市立川口、慶応志木、埼玉栄、川口、浦和実、大宮東、蕨が勝ち上がりました。朝霞は延長14回2-7で埼玉栄に負け、立教新座は延長10回4-5で大宮南に負けました。激戦区西部地区では1回戦で富士見が川越東と激突し5-6で惜敗、強豪所沢商は3-4で所沢に負け、所沢中央は2-7で城西大川越に破れ、埼玉平成は4-6で星野に破れ、山村国際は延長10回ふじみ野に7-10で破れました。市立川越、聖望学園、西武文理は危なげなく予選突破、他に川越東、狭山ヶ丘、川越工、ふじみ野も勝ち上がりました。皆様この結果を良く噛み締めておいて下さい
 さて春季県大会の結果はコチラ(pdf→クリック)です。第1シードは秋季大会優勝の花咲徳栄ですが、ナント!1回戦で狭山ヶ丘に1-4負けました。第2シード市立川越は準決勝で浦和学院に0-1惜敗、1回裏の隅1でした。第3シード本庄一は初戦西武文理に2-5敗退、春日部共栄は準々決勝で浦和学院に3-9で負けました。結局準決勝で2-1大宮東を破った聖望学園が浦和学院と決勝で対戦、延長11回4-3で浦和学院がサヨナラ勝ち。コチラに詳しく載っています。
 こうやって見てきますと、代替わり後の秋季大会で浦和学院と聖望学園は結果を残せず、春季大会でリベンジして頂点に立ちました。秋季大会第1シード浦和学院、第2シード春日部共栄、第3シード花咲徳栄と川越東でしたが、結局花咲徳栄がノーシードから勝ち上がった市立川越を破って優勝し、第3位は本庄一と春日部共栄でした。春季大会では第1シードの花咲徳栄と第3シード本庄一が初戦敗退、市立川越と春日部共栄は安定して強いことが分かります。特に市立川越は負けるときも惜敗、他のチームのように力を出せぬままに負けるということはありません。これは投手力が安定していることを示しています

ページTOPへ  ■ 2014年第96回高校野球埼玉県大会は3回戦終了、浦学は県立川口に敗退
 2013年秋→2014年春→2014年夏と高校球児たちの戦いが続きます。特に夏の大会、3年生は負けたら高校野球は終わりになります。試合に負けたチームの選手たちの脱力した姿を見るのは忍びないものです。浦和学院エース小島和哉投手には2013年夏の雪辱を晴らすためにどうしても勝ち抜きたい思いがあったでしょう。2013年秋は本庄一に延長11回1点勝ち越されて負け、2014年春は準々決勝で春日部共栄を破り、準決勝では1回裏の隅1で市立川越を破り、決勝で聖望学園と延長11回を戦いサヨナラ勝ちしました。ここぞというときに力を出して勝って来たのに、2014年夏本番、7月15日、浦和学院は公立校である県立川口高校に1−4で敗れました。「自分の良いときのピッチングを取り戻すことができなかった。悔しいです」と小島投手は涙をぬぐったそうです。県立川口だって、過去の戦績を見れば強いチームです。筆者は見ていないので新聞情報ですが、小島は先頭打者にデッドボールを与えてしまい、エースに、チームに動揺が走ったのでは?と書いてありました。経験豊富な投手であってもメカニックに狂いが生じてしまえば、取り返しのつかないことが起きるのは昨年の夏の甲子園1回戦でも見ています。昨年までのチームならば、2年生小島を3年生がカバーすることができましたが、今年は小島のウラガクですからそうは行きません。エースの動揺は守りにも伝染し、エラーにはなりませんでしたが、味方の拙守もあり、初回に2点を取られると、4回にも死球などで2点を取られました。3年連続の甲子園出場を目指した重圧というよりも、どんなエースでも好不調はあります。不調でも、だましだまし投げているうちにリズムを取り戻す、もしくは他の選手がカバーしてくれるなどで勝ち上がるものです。昨年、見た事無いほど不調の小島を投げ続けさせて勝てる試合を落とした森士監督、控え投手は3年生でも良い投手が居たのに出しませんでした。小島で負けたら仕方ない?そうかもしれませんが、昨年は2年生でした。なんでそこまでこだわるんだ?筆者は歯軋りしながらこの敗戦を見ていました。「今年は小島のチーム」と言われてきました。昨年と違い、本当に「小島で負けたら仕方ない」チームです。その大黒柱が揺らげば、打線にも次第に焦りが見えてきます。初球や早いカウントから手を出してしまい、蟻地獄状態に陥ることは、少年野球でもあります。ズルズルと負けてしまうのです。こういうときは本当に歯軋りしたいほど口惜しいものです。最近の大井ウエストでは、西部大会でメダルをかけた坂戸ロイヤルズとの準々決勝がまさにそうでした。相手のホーム芦山公園だったとはいえ、エースの矢野壮真が打たれてコールドの完封負け、もう一度戦ったらこんな結果にはならないでしょう。バイオリズムを頂点に持って行けなかった指導者の責任と反省します。

山村国際が1回戦花咲徳栄を破り勢いに乗る
 「開幕戦での山村国際の金星が他校にも自信を与えた」と新聞に書いて有りました。開幕戦で花咲徳栄を2−1の接戦で破った創部6年目の山村国際高校の奮闘のことです。しかし昨年の「トピックス」をご覧下さい。「山村国際は来年に期待」とシッカリ書いてあります。元々は女子高だった同校ですが、野球で高校の名前を広めようと選手補強に力を入れています。昨年は1、2年生のチームで、1年生ながら小西翔武(背番号17)がレギュラーをおさえて出場し、佐々木龍斗も背番号20でベンチに入っていました。今年は2年生になった小西翔武(背番号7)がレギュラーで、佐々木龍斗は20人に入っていません。堀内汰門選手(3年生、背番号2、滑川中)はプロ注目の捕手です。ガイジンではなく地元選手ばかり、それも通学圏内、小西翔武が遠いくらいですが、いわゆる勢いのあるチームですから、昨年の埼玉平成同様2014年は勝ち続けるのでは?と見ていました。それが春季大会は延長10回ふじみ野に7-10で1回戦負け、これでアク抜きとなりました
 花咲徳栄は昨年秋に市立川越を破って優勝した時点では、2014年は間違いなくトップクラスの強豪のはずでした。しかし春は地区大会を順当に勝ったものの、県大会1回戦でナント!狭山ヶ丘に1-4で負けました。このためシードされませんでした。同じくノーシードの山村国際の相手は花咲徳栄、この組合せを見たときは、正直「運が悪いナ〜」と思いました。しかし、山村国際の選手たちは、花咲徳栄が例年ほど強くないと考え、シードが当たり前のチームが不慣れなノーシードであるショックに付け入ろうと考えたのではないでしょうか?「絶対に負けない。勝ってやる」という挑戦者の気持ちが、プレッシャーのある相手を上回ったと思います。勢い付いた山村国際はその後の2戦をコールドゲームで勝ち上がりました。花咲徳栄にも何か事情があったのでしょうが、それは詮索するだけムダというものです。どんな強いチームにだって勝てるという気持ちが大事なのです。山村国際の勝利が、その後、強豪校と対戦するチームの潜在意識に「自分たちもやれる」という思いを植え付けたのは間違いありません。

■ 聖望学園は立教新座にコールド負け
 浦和学院が県立川口高校に負けた翌日、聖望学園は立教新座になんと1−8のコールド負け、立教新座の主将は元巨人軍の吉村禎章氏の次男吉村俊捕手(3年生、背番号2、立教新座中)、攻守にわたり活躍しました。立教新座は春季大会で延長10回4-5で大宮南に負け、これでアク抜きとなりました。阪神・鳥谷 敬内野手の母校でもある聖望学園は相手に主導権を握られたまま、夏が終わってしまいました。浦和学院も聖望学園も先取点を取れず、焦ったことが敗戦の原因でしょう。聖望学園の試合スタイルは先行逃げ切りです。逆にそれを相手にやられ、浮足立ってしまったのかもしれません。県立川口、立教新座に自信を与えたのは、開幕戦で花咲徳栄を破った山村国際高校の奮闘だと新聞は書いています。

■ 連続延長戦の激闘を制した埼玉栄と朝霞に注目
 再試合で2試合連続延長戦突入という激闘を制した埼玉栄と朝霞の粘りは見事です。この両チーム、春季大会の南部地区予選で、朝霞は延長14回2-7で埼玉栄に負けています。両チームとも延長戦が好きというわけではないでしょうが、良く言えば粘り強くしぶとい、悪く言えば決定力が無い、ということですね。例年強豪でシードされることの多い埼玉栄は、春季県大会1回戦で所沢に2-4負けたのでシード落ち。夏の2回戦は、春日部に4-3で勝ち、3回戦で武蔵越生と延長15回5-5で引き分け再試合、翌日また延長11回4-3で埼玉栄が勝ちました。次はシード校の川越工業です。朝霞は朝霞西と並んでふじみ野市出身の選手が多い高校で、地元ふじみ野高校は逆に少ないのです。エース菊島 翼(3年背番号1、福岡中)、4番捕手中野大輝(2年背番号2、葦原中)がバッテリーを組み、代打の切り札宮崎圭祐(3年背番号19、福岡中)のほか、田頭大希(2年背番号4、大井中)と名取晃一(2年背番号6、大井西中)が2年生で二遊間を守り、矢武 亮(2年背番号14、大井中)、保坂佳吾(1年背番号16、福岡中)と、ふじみ野市の少年野球でお馴染みだった選手が揃っています。田頭大希の時の大井少年ファイターズはキャプテンが内田で、名取晃一たちはどうしても勝てませんでした。湊 地広(3年、大井西中)は残念ながら故障して20人に入れませんでした。1回戦で草加東に9-0、7回コールド勝ち、田頭が先発し5回無失点、打っても2ランホームランと投打に活躍しました。2回戦三郷北と延長12回の熱戦、9回裏3-1から朝霞が同点に追いついて延長へ、9回投げたエース菊島を田頭がリリーフ、12回裏サヨナラ押し出しで勝利。その2日後の3回戦はシードの市立川口が相手、先発マウンドは田頭、3点リードして6回からエース菊島が登板しましたが、追いつかれて延長に、結局10回投げ抜いて引き分け再試合となりました。

■ 朝霞の延長再試合、応援に行きました
 こうなったら応援に行かなくちゃ、というので17日朝霞市営球場へ行ったら、上福岡イーグルスのS監督や大井ウエスト平山さんが居ました。みなさん教え子の応援に来ています。朝霞高校の地元だけに応援の人も多かったのですが、1試合だけなのに入場料はやっぱり500円でした。市立川口高校はブラスバンドと生徒が一体になった素晴らしい応援で、アウェーなのに応援では明らかに勝っていました。
 前日15回を投げ切った市立川口のエース佐々木はさすがに登板せずライトに入り、控えの投手から2回4点、3回1点、早々に5点を取った朝霞、こちらも前日熱投の菊島ではなく田頭がマウンドに上がりました。ところが3回裏ピンチを招き、流れは市立川口へ、たまらずマウンドに菊島を送り、田頭はセカンドへ、菊島は緩急をつけた見事なピッチングを展開しましたが、しぶとい市立川口打線は応援団の必死の応援に応え、ジワリジワリと得点します。朝霞が突き放すチャンスを迎えると、3人目としてエース佐々木が6回からマウンドに上がり、速球で抑えます。とても前日15回投げた投手とは思えない球威でグイグイ押してきます。1点リードで迎えた9回裏2死3塁、打球はショートへのゴロ、ヨシ!もらった、いらっしゃいと捕球体勢に入った名取の前で打球は大きく跳ね上がり、外野へ抜けました。これで連日の延長戦、エースの投げ合いが続きます。この日朝霞はレフトに打撃を買われた木村拓義(2年生、背番号17、朝霞三中)が3番打者で入っていましたが、途中で内山涼太(3年生、背番号7、和光二中)を入れ、更に局面打開のため代打の切り札宮崎圭祐(3年背番号19、福岡中)を出しました。最初の打席は四球でしたが、11回表2度目の打席はその宮崎からでした。左打者なのでレフトが浅い守備になりました。強打者と知っている筆者から見ると、いくら左打者とは言え、浅過ぎると気にかかった矢先に、宮崎はバシーンとおっつけてライナーがレフト頭上を越え、3塁打となりました。無死3塁、なんでも出来る場面で4番中野、強烈に引張ったのですがレフトライナー、しかし4番ですから深く守っています、思わず3塁を見ました、飛距離からすれば犠牲フライになると思ったのです。しかしランナーはベースに戻っていません、残念!打席には5番吉田誠吾(2年背番号3、所沢東中)、打った当りはセンターへの大飛球、これは飛距離十分、宮崎がタッチアップして悠々生還しました。その裏菊島が得意のスライダーで逃げ切り、名取はショートゴロを上手くさばきました。9番バッター名取は上手く四球を選んだり、見事な送りバントで活躍しました。ここぞというときは4番中野でさえ送りバントを決める、この堅実さが朝霞のシブトサの源泉です。巨漢でも低い姿勢からキッチリバントを決める、「上手いナ〜、ウエストの子供たちにも見せたいナ〜」と平山さんが唸っていました。

■ 眼を離せない今後の展開
 強豪校がバタバタ敗退する埼玉大会、どこが勝ち抜いてくるか?プロ注目の上條将希投手をはじめ、控え投手にも好素材がそろう市立川越や、春日部共栄など、安定して強いチームが軸となるでしょう。とにかく油断大敵、投手を中心とした守りの堅いチームが最終的には残って行くのが順当なところですが、金星をつかんだチームがその勢いで頂点へ駆け上がることも考えられます。優勝候補の浦和学院に先制して焦りを誘い、4-1で押し切った県立川口や、同じく優勝候補の聖望学園に先制パンチを浴びせ、吉村主将の活躍でコールド勝ちした立教新座、俄然マスコミから注目されています。両校とも優勝候補の花咲徳栄を2−1の接戦で破った山村国際の快挙に刺激され、「オレたちもやればできる」と勇気を貰ったそうです。しぶとい埼玉栄や村岡稜投手のノーヒットノーランがあった不動岡、近年のしてきている戸田の南稜、頭の良い生徒の揃う慶応志木、川越東、シード校で勝ち進む西武文理、狭山ヶ丘、川越工、松山、昌平、大宮東、上尾、1回戦でふじみ野を破り波に乗った小松原や、実力を発揮している本庄一、本庄東、所沢商、久喜北陽、どこをとっても強そうです。
 野球はメンタルスポーツですから、平素の実力だけでなく、ネームバリューがモノを言います。埼玉平成は昨年の躍進で一躍有名になり、山村国際も俄かに注目の存在となりました。上で激戦の春季大会西部地区予選、皆様この結果を良く噛み締めておいて下さいと書きました。富士見が川越東と激突し5-6で惜敗、強豪所沢商は3-4で所沢に負け、所沢中央は2-7で城西大川越に破れ、埼玉平成は4-6で星野に破れ、山村国際は延長10回ふじみ野に7-10で破れました。市立川越、聖望学園、西武文理は危なげなく予選突破、他に川越東、狭山ヶ丘、川越工、ふじみ野も勝ち上がった春でしたが、夏本番の大会はどうなったでしょう?残念ながら所沢中央は姿を消し、ふじみ野、所沢、城西大川越、聖望学園、星野も既に居ません。富士見、川越東、所沢商、埼玉平成、山村国際、市立川越、西武文理、狭山ヶ丘、川越工は勝ち残っています。

ページTOPへ  ■ 2014年第96回高校野球埼玉県大会4回戦
 4回戦に向けて下記のように書きました。さて結果はどうなったか?
市立川越は7/19(土)上尾市民球場10時 VS北本 上條将希が冷静に実力を発揮してくれることを期待します    
 北本が先攻、市立川越マウンドにはエース上條、四球1個与えましたが無失点の立ち上がり。北本のエース須藤は三者凡退で好調な立ち上がり。2回は共に三者凡退。3回北本は9番佐藤が初ヒットで出塁するも、併殺打で無得点、市立川越三者凡退。4回表北本先頭の2番大澤がヒットで出塁、しかし上條が見事な牽制でタッチアウト!その裏市立川越1番平田が初ヒット、四球が絡み2死2、3塁と攻めましたが無得点。5回表、内野手の2つのエラーで北本2死2、3塁とするも無得点、上條はバックの失策にもめげず踏ん張ります。その裏、2死から8番上條がヒット出塁しましたが無得点。5回までお互い2安打ですが、四球とエラーの分北本の残塁が多く、押し気味の印象。須藤投手は低めを丹念に突くピッチングが光ります。6回表、北本1番細田がヒットとエラーで無死2塁。大澤がバントヒットで1、3塁とし、さあクリーンアップ!須藤三振、清水浅い左飛、田辺三振で無得点。ここぞというところで気合を入れて上條の左腕が唸ります、北本は絶好のチャンスを逃しました。しかしこれが好投手と言われる所以なのです。その裏、市立川越は1番からの好打順も、あっさり三者凡退。7回は両者三者凡退。8回表、2死から北本2番大澤に四球を与えましたが須藤を三振に切ってとります。その裏市立川越三者凡退、須藤投手を打てません。9回表、北本1死から5番田辺がヒット、2死となり小竹にもヒットが出て2死1、2塁として、8番樋口に代打宮下を出し、左前ヒットで2死満塁!しかし9番佐藤は中飛で無得点、またしても凌ぎました。9回裏市立川越は1番からの好打順。あっさり2死となるも奈良が四球。続く冨岡は見逃し三振で無得点。延長戦に入りました。9回終えて北本は7安打2四球エラー無く残塁9、市立川越は2安打2四球エラー3個で残塁3、データ的には北本が優勢ですが、それでも失点しないのが市立川越のエースです。
 10回表、北本は1番細川からの好打順。ストレートの四球〜送りバントで1死2塁。3番須藤三振で2死となりましたが4番清水が右前ヒット!細川3塁回る、ライト冨岡がバックホーム、アウト〜〜〜〜!ここぞというところでバックも上條を盛り立てる。その裏、市立川越1死から6番沢田が四球で出て、盗塁とキャッチャーの悪送球で3塁へ、サヨナラのチャンスだ。7番佐藤は見逃し三振。2死3塁で8番上條は左飛、ア〜〜〜(>_<) 11回表2死から小竹に四球を与えましたが次を抑えてサア運命の11回裏・・・1死から1番平田が中前ヒット!送りバントで2死2塁。3番奈良がセカンドへ強烈な打球!2塁手大澤が逆シングルで好捕、ダイレクトキャッチをアピールしましたが2塁審判は手を拡げています、大澤は一塁送球しましたが、これが悪送球となり市立川越がサヨナラ勝ち!アピールする前に一塁へ送球していれば悠々アウト、当人はライナーキャッチしたつもりだったのでしょうが、ショートバウンドだったんですね。大熱戦も最後は意外な終わり方になりましたが、こういう息詰まる延長戦ではサヨナラボークとかサヨナラ押し出しとかサヨナラエラーというのは得てして起こるものなのです。結局、耐えに耐えた上條将希アッパレ!ということ、神様、仏様、将希様です。それにしても市立川越打線、もうちょっとなんとかならないかなぁ〜〜〜

 
市立川越の次の相手は富士見を破ったDシードの松山、22日(火)県営大宮球場で11時半〜
大井亀少クラブ出身の小山倭誠(3年生、背番号6、大井東中)が主将の富士見は7/19(土)大宮市営球場11時半 VS松山    
 1回表先攻松山は4番石井の内野安打で1点先制、3回には那須主将のタイムリー3塁打で1点追加。3回裏富士見はランナーを3塁まで進めましたが無得点。5回裏に富士見が1点返して2-1。6回表、松山高校の攻撃。先頭がサードのエラーで出塁、送りバント失敗で1死。続く打者のときに牽制悪送球でランナー2塁へ、更に盗塁で1死3塁。鈴木スリーバントスクイズ成功で1点追加。2死走者無しから8番岡崎レフト前ヒット、9番前原もライトへの2塁打で続き、2死2、3塁。しかし1番三上倒れ1点止まりで3-1。7回裏追い上げなければならない富士見は9番ピッチャー後藤に代打尾池を送り、ライトオーバーの2塁打、1番市原はレフト前にヒットして無死1、3塁。ここで松山もピッチャーを岡崎から背番号1の青貫に交代しました。市原は盗塁して無死2、3塁、2番中田はショートゴロでランナー動けず、3番松岡はレフトへの犠牲フライでランナータッチアップで生還、富士見1点返して3-2。2死3塁で4番小山倭誠が打てば同点の場面、センターフライで3塁ランナー残塁。8回表富士見は西本がマウンドへ、松山は1死から6番和木がライト前ヒットしましたが送りバント失敗で2死1塁、そのランナーも牽制アウト。その裏富士見は三者凡退。9回裏富士見高校の攻撃は9番代打吉田がレフト前ヒットしましたが盗塁失敗、力尽きました。小山倭誠はキャプテンとして良くチームを引張りました。大井亀少クラブ時代もキャプテンとして東入間秋季大会で大井ウエスト(青木一也主将、エース上條将希、キャッチャー湊 地広)を破って優勝、思い出です→クリック。お兄ちゃん(次男)の琢也は大井ウエストの前身トライアングルで大活躍した選手で、いまだかつてあんなに上手いショートは見た事無い、というスゴイ選手でした。その後浦和学院で甲子園に出場、埼玉からただ一人全日本に選ばれて、台湾での世界大会で首位打者になった選手でした。兄に続く甲子園はなりませんでしたが、また新たな夢を持って頑張って下さい。
その次の試合が14時山村国際VS朝霞、こんなところで潰し合いはいかにも残念です(>_<)    
 朝霞が先攻、山村国際のピッチャーはプロ注目の捕手堀内汰門です。朝霞は2死から柴崎が内野安打で出塁しましたが後続倒れ無得点。朝霞のマウンドはエース菊島、山村国際を三者凡退に抑え上々スタート。2回表朝霞は5番吉田が四球、送って1死2塁としましたが後続倒れ無得点、山村国際2回も三者凡退。3回表朝霞は名取が四球、1番に還って荒田も四球で無死1、2塁、願っても無いチャンス、2番送って1死2、3塁でクリーンアップに期待しましたが無得点、堅実な朝霞ならクリーンアップでもスクイズが考えられたのですが(>_<)。ピンチの後にはチャンス有り、山村国際1死から8番樋口がセンターへヒット、9番が送って2死2塁から1番新井がレフト線に2塁打して先制しました。4回朝霞5番吉田がライトへヒット、送って1死2塁、内野ゴロの間に2死3塁、しかしここまで。山村国際2死からライトへヒット、続く打者もライトへヒット、ライト荒田からの好返球で1塁ランナー3塁タッチアウトで無得点。5回朝霞この試合初めての三者凡退、堀内は立ち上がりボール先行で不安でしたが、徐々に調子が出てきました。山村国際三者凡退。堀内、菊島の好投が続きます。6回朝霞1死から4番中野がライトへヒットして出塁、2死後、盗塁するも1本出ず無得点、山村国際1死から2番小川がライトへヒットして出塁、2死となりましたが、4番堀内汰門との勝負を避け、5番酒巻と勝負する作戦が奏功して3ゴロで無得点。7回朝霞三者凡退、山村国際1死から7番曽根がセンターへヒットしましたが後続倒れ無得点。8回朝霞1番荒田がライトへの大飛球も一歩伸びず、途中出場の3番内山の内野安打〜盗塁がありましたが後続倒れ無得点、山村国際1番新井がライトへヒットしてこの試合初めて無死走者が出て、2番小川が送って1死2塁、3番江田の打球を菊島投手好捕して2死2塁、またしても4番堀内との勝負を避け、酒巻と勝負して、2塁ゴロで無得点。9回朝霞5番吉田が四球出塁、代走保坂を送り、小松が送って1死2塁、代打木村はセカンドフライに倒れ、2死2塁、8番菊島はサードゴロでゲームセット、無失策の締まった好ゲームでした。菊島は好投しましたが、打者としてはブレーキとなりました。菊島の高校野球は終わりましたが、変化球のキレ、微妙にタイミングの異なる多彩な緩急、抜群の制球力、好投手だけにもっと見たかった!残念(>_<) レギュラーに2年生が多い朝霞ですから来年も期待できます。ふじみ野から中野、田頭、名取、矢武が名を連ねます。田頭が菊島のような巧い投球を会得して頑張って欲しいものです。
 山村国際はプロ注目の捕手堀内汰門がピッチャーとしても並みではないことを示しました。4安打完封とはスゴイ!攻撃でも4番ですが、2敬遠が示すようにこの選手が中心です。小西翔武は怪我で出られなくて残念です。
 山村国際の次の相手は立教新座を破った本庄東、「よろめきライアン」に惑わされず頑張れ!22日(火)県営大宮球場で14時〜
埼玉平成は7/20(日)9時から大宮市営球場 VS所沢商 3年生になった青木一也は背番号4、ふじみ野からは他に佐久間翔大(2年生、背番号11、福岡中)が入っています。頑張って下さい    
所沢商増田一樹投手
 先攻所沢商;増田一樹(3年生・背番号1・所沢中央中)、後攻埼玉平成;小高健太郎(3年生・背番号1・越生中)の投げ合いで、共にゼロ行進の投手戦でした。実は所沢商3年の増田一樹投手は、今大会で注目の投手のひとりでした。右でも左でも投げれる「両投げエース」としてです。もともとは右投げでしたが、小学6年のときに右ひじを故障し、野球をやめることも考えたそうですが、根っからの野球好き、「右がダメなら左があるさ」と左投げに挑戦し、中学時代に左投げを習得したのだそうです。その陰にはお母さんの支えがあったようです。所沢商では1年から左腕として登板し、今年に入り右ひじが完治して、右でも投げるようになりました。
 投手戦の均衡を破ったのは5回裏、青木一也のスクイズで埼玉平成が1点先制、なお1死1、3塁のチャンスを作りましたが、増田一樹投手の力投の前に追加点成らず。チャンスの後にはピンチあり、6回表1死2、3塁からエラーで同点に追いつかれました。なお1死1、3塁のピンチが続き、先程の裏返し、しかしこれまた小高健太郎投手が踏ん張り、後続抑えて同点止まり。7回裏2死3塁で青木一也がライト前タイムリーで勝ち越し、8回、9回も抑えて埼玉平成今年もBEST16入り、まずは昨年のBEST8を目指し頑張れ!
 埼玉平成の次の相手はDシードの堅守強打のチーム狭山ヶ丘、22日(火)市営大宮球場で9時〜
その他の試合    
川口 11-1 小松原(5回コールド)・・・浦学を破った川口が勢いそのままにコールド勝ち
西武文理 3-4x 正智深谷(延長11回)・・・Dシードの西武文理は3回表1点先制、その裏逆転され、6回裏には追加点を奪われたものの直ぐ同点に追いつき、延長に持ち込みましたがノーシードの正智深谷にサヨナラ負け。順当ならばDシードの西武文理が勝ち上がり、BEST8で同じくDシードの狭山ヶ丘と対戦するはずでした。春季大会で4試合を一人で投げ抜き、チームの16強入りに貢献した西武文理・橋本拓実投手(3年生・背番号1・入間金子中)でしたが、右ひじ靱帯を損傷し、医者からは「治るのは夏大会直前」と言われたそうです。チームが同点に追いついた直後の7回、マウンドに戻ってきたエース、約3ヶ月振りの登板でしたが、打たせて取る丁寧な投球で、10回までに出した走者は1人だけ。「気持ちで投げた」マウンド、11回、2死3塁で直球をセンターに打ち返され、サヨナラ負けを喫し、マウンドに崩れ落ちました、残念です。来年以降は前田夏輝に期待
久喜北陽 3-5 大宮東・・・Bシードの大宮東は、双子の中田兄弟が活躍、兄の祐貴内野手が今夏、初スタメンで打点を挙げ、弟のエース浩貴投手(いずれも3年)が粘りの投球で勝利に導きました。公立校なのに103人も部員がいます。Bシードの実力は投手力の素晴らしさもさることながら、打線の破壊力で、これは市立川越や春日部共栄を上回ります
上尾 0-8 南稜(8回コールド)・・・近年とみに力を付けてきた戸田の南稜が、Dシードの上尾をものともせず粉砕
立教新座 1-2x 本庄東(延長11回)・・・本庄東のエースは「よろめきライアン」とニックネームが付いた水野、その変則フォームに惑わされた立教新座、延長11回裏、横田翔のサヨナラ2塁打で敗戦
狭山ヶ丘 6-1 秀明英光・・・3番中村匡希の満塁ホームランなどでDシードの狭山ヶ丘が勝利、但しヒット数は同じぐらい、グランドスラムで決着が付きましたが、実は狭山ヶ丘の堅い守りが勝因です。特にセカンド八尋の軽快なプレーがチームのリズムを作りました
浦和実 4-5 昌平・・・所沢中央を破ったDシード昌平が先制し、終盤浦和実がすがりつき、昌平が突き放したらまたすがりつくも一歩届かず
不動岡 3-8 蕨(延長11回)・・・県立対決、ノーヒットノーランの不動岡、取られたら直ぐ取り返して延長に持ち込みましたが、11回表一挙5点、最後に力尽きました
川越工 6-0 埼玉栄・・・粘りが身上の埼玉栄ですが、Cシードの川越工に押さえ込まれたまま、浮上できず爆沈
春日部工 2-6 本庄一・・・先制した本庄一に春日部工が追いすがる展開、最後に本庄一が突き放して試合終了
川越東 6-0 白岡・・・5回裏、6回裏に3点ずつ奪った川越東の貫禄勝ち、渡部が本塁打
慶應志木 0-10 春日部共栄・・・6回コールド、春日部共栄のスラッガー金子大地(3年生、背番号1、千葉松戸小金中)が打ちまくり、最後は3ランホームランでサヨナラ、Cシードの貫禄です。捕手は守屋元気(3年生、背番号2、小鹿野中)、埼玉では伝統的強豪校なのでガイジンが多く、それでも北海道や大阪からまで選手が集まる花咲徳栄とは異なり、東京、千葉、茨城、栃木など近県勢で、背番号1桁中7名が埼玉ですが、山村国際のように近場の選手ではなく、全県から集まってきます。春日部共栄の
天敵は大井ウエストです。ジョーダンですが、上をご覧下さい。昨年の新チームスタートの秋季大会で、上條将希は春日部共栄を3安打完封しています。この印象はキョウレツでしょう。今年の春季大会、春日部共栄は準々決勝で浦和学院に3-9で負けました。第2シード市立川越は準決勝で浦和学院に0-1惜敗、小島和哉と上條将希の投げ合いは1回裏の隅1でした。これだけ見ただけでも上條将希のスゴサがわかりますね。

BEST16でシード7校が残る


ページTOPへ  ■ 2014年第96回高校野球埼玉県大会5回戦
 BEST8をかけての5回戦、応援するは埼玉平成、山村国際、市立川越です

7月22日(火)
県営大宮球場  9時: 川口 2−3 正智深谷 11時半: 松山 3−5 市立川越 14時: 本庄東 1−0 山村国際
市営大宮球場  9時: 狭山ヶ丘 8−3 埼玉平成 11時半: 川越工 1−4 昌平 14時: 川越東 1−2 春日部共栄
上尾市民球場 10時: 南稜 2−7 大宮東 12時半: 6−2 本庄一  Bシード Cシード Dシード

埼玉平成は7/22(火)9時からさいたま市営大宮公園野球場 VS狭山ヶ丘(Dシード) 今大会活躍している青木一也に期待    
 筆者は朝一所用有り、市営球場に応援に行けませんでしたが、その後県営球場で平山さんに会ったら、市営球場に応援に行ってきたと言っていました。
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
 狭山ヶ丘 
 埼玉平成 
狭山ヶ丘:坂倉、斉藤−林  埼玉平成:小高、佐久間−長島、田邉
 先攻狭山ヶ丘がいきなり1点先制、後攻埼玉平成は2回裏に同点に追い着きました。3回表、狭山ヶ丘4番武内の犠牲フライと5番忠平のセンター前ヒットで2点勝ち越され、7番林のツーランで更に2点追加されました。早めに追い着きたい埼玉平成でしたが、逆に6回表、狭山ヶ丘9番山崎のスクイズと1番菅原のタイムリー3塁打で2点追加され、1-7と差は拡がるばかり。7回裏埼玉平成は、2死満塁のチャンスつくるも2番吉澤セカンドゴロに倒れ無得点。8回表狭山ヶ丘の攻撃1番菅原のタイムリーで1点追加、8-1となりました。8回裏、狭山ヶ丘のピッチャーは斉藤に交代、埼玉平成の攻撃は1死満塁のチャンスに7番森田が2塁打を放ち、2点追加してコールドを免れました。青木一也は2安打放ちましたが、狭山ヶ丘の打力の前に、3年間の高校野球は終わりました。しかし埼玉平成は昨年のBEST8に続き、今年もBEST16入り、頑張りました、拍手、パチパチ!
市立川越は7/22(火)11時半から県営大宮公園野球場 VS松山 春季県大会でも16強で当たり、上條は投げませんでしたが、3-0で市立川越が勝っています。しかしこの試合、市立川越は松山の右腕青貫に7回まで完全試合ペースで抑え込まれました。松山は春のように青貫が踏ん張り、打線が市立川越の右腕登坂航か左腕上條から点数をもぎ取れるか?4回戦で2安打の1番三上が出塁し、那須、石井、金子のクリーンアップの一打に期待するチームです。つまり、この4人を抑えれば、市立川越に勝ちが見えるということです。打線が早い回に先制できれば理想的です。上條将希が冷静に実力を発揮してくれることを期待します    
 筆者は朝一所用有り、県営球場に駆けつけたとき、すでに2回表、スコアボードを見たらもう2点取られています。ありゃ〜〜ヤバイ、と思って3塁側ベンチの上、最前列、平山さんの定席を探したら、居た居た、いましたよ。
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
 市立川越 
 松   山
市立川越:登坂航、上條−原田、丹羽  松山:青貫、岡崎−那須
 先攻市立川越は1番平田がライト前ヒットで、松本がバントで送り、奈良がピッチャー返し、外野へ抜ける、二塁からランナー本塁を狙いましたが良い球が返ってきて本塁タッチアウト、富岡セカンドゴロで0点。その裏、マウンドには背番号10登坂2年生を送った新井監督、できるだけ上條に負担をかけたくない腹積もり、当然ですが、応援席からは「このレベルまで来ると上條を出し惜しみしてたら手遅れになる、早く出してくれ〜〜」と悲鳴のような声が聞こえます。松山は1回裏三上が三遊間を破るヒット、1年生清水が送りバント、強打者那須がライト右へのツーベースヒットで松山1点先取、1死2塁、4番は2年生の石井、警戒してかストレートの四球、そのとき2塁ランナー盗塁、1死1、3塁、5番金子がライト前ヒットして2点目、2年生和木のバントはキャッチャーフライで2死、しかし登坂どうも調子が良く有りません、ストライク入らずストレートの四球で満塁、上條が早くも準備開始しました。鈴木ショートゴロでチェンジ。「1番とクリーンアップに警戒」と書きましたが、ものの見事にこの4人にやられて先制パンチを食らいました。だめじゃん!???
 2回表市立川越は原田がライトへヒットしましたが無得点、松山は三者凡退。3回表市立川越はあっさり三者凡退。3回裏、松山の攻撃、レフトフライ、4番石井がライト前ショートバウンドのヒット、サードゴロでランナー2塁封殺、和木2年生背中に死球で2死1、2塁、サードゴロをエラーして2死満塁、青貫空振り三振でチェンジ。
4回表市立川越は6球であっさり三者凡退、青貫打撃は不調ですが投球は好調。4回裏、松山の攻撃、マウンドにはエース上條登場、球場の雰囲気が一変しました。いきなり2者連続空振り三振、さすが!とパチパチ、ところが清水の背中にぶつけてゴメンナサイ、次打者は四球で2死1、2塁、らしいと言えばらしいけれど、4番石井セカンドゴロで切り抜けました。

2013年2年生時の上條将希

 5回表、それまで青貫に4回わずか30球で片付けられていた市立川越打線、上條登板でエンジンに火が点きました。打撃好調の6番沢田のライト前ヒットから、送りバントではなくヒッティングで高いバウンドのセカンドゴロで1死2塁、さあ、上條です、レギュラー9人の中でいま一番当たってるのが上條です。期待通りのセンター前ヒット、ランナー3塁を回りホームイン! さらにここで送りバントで2死2塁からこれも当たっている平田、ライト前ヒットで上條ホームイン、2-2の同点に追い着きました。自らの打点、得点で試合を振り出しに戻したのですから上條気分上々。5回裏は5番からの打線を、見逃し三振、ピッチャーフライ、ライトフライに切って取りました。
6回表市立川越の攻撃、1死から富岡が死球、ピョンと飛び上がって避けた足先に当たりました。さらに丹羽が四球で1死1、2塁、ここで沢田が右中間へ3塁打して2者生還、4-2、ピッチャー青貫はついに無念の交代、岡崎がマウンドに上がりました。鈴木に代わり代打都楳、センターフライ、タッチアップで追加点、5-2となりました。その裏レフトファウルフライ、空振り三振、2死から1番三上が足付近に死球、ショートゴロでチェンジ。
7表市立川越は平田が四球で出ましたが無得点、7回裏松山の反撃、3番那須内角低目への直球をライトへライナー、右翼手惜しくも捕れず2塁打、飛んでダイビングキャッチしていればファインプレイという当たりでした。4番石井はボール球を空振り三振、やはり球威に釣られて手が出てしまいました。セカンドゴロで2死3塁となりました。埼玉屈指の応援上手の松山高校応援団、ここぞとばかりの大フィーバー、上條倒せと盛り上がります、この応援に背中を押され、6番和木2年生センター前タイムリー! 3-5と追いすがる松山高校、さらにセンター前ヒットで2死1、2塁とピンチが続きます。上條は6回から足を気にしています、大きく外れるボール球も多いし、調子はベストではないようです。ただ、この適当に荒れるのが上條の持ち味で、らしいところでもあります。7回の1イニングで球数が31球でした。8回表市立川越は沢田がライトへの2塁打で猛打賞でしたが無得点。4回から7回までの4イニングで86球の上條ですが、8回裏は9番からの打順、3球三振(空振り)、サードゴロ、ファーストゴロで立ち直った感じです。
9回表市立川越はダメ押ししたい場面、しかし上條から、ピッチャーですから出塁して疲れたくない、3球三振(空振り)、これで良いのです。1死から二遊間を破るヒット、1番に還り平田がセンター前ヒット、この試合3安打の猛打賞!松本がセフティ気味送りバント、ピッチャーが捕って1塁へ送球しましたが足が上回ってセーフ!内野安打で1死満塁、奈良がファーストゴロで本塁送球2死、1塁はセーフでホームゲッツーならず、なおも満塁、しかし期待の富岡ショートゴロでチェンジ、松山必死の防戦です。
このままでは高校野球の3年間が終わってしまう、松山応援団一段とヒートアップ!まさに死に物狂いの応援となった9回裏、3番キャプテン那須フルカウントからサードゴロ、ライン際、捕って遠投、1塁ヘッドスライディング、しかしアウト〜〜〜!ここぞというところでバックも上條を盛り立てる。次打者、初球セカンドゴロ、これまた1塁ヘッドスライディングですがアウトで2死、市立川越応援団から「あとひとり」の声が飛びます。金子サードゴロ、しかしはじいて捕れない! 2死1塁、和木のライトへの飛球は「オーライ」と大きく手を上げてキャッチ!試合終了。共にキャプテンがキャッチャーで3番打者、守りの要、打の中軸、強気の素晴らしい選手たちです。松山主将那須は怖かった、しかし市立川越主将丹羽の顔はもっと恐かった
(^-^)
スタンドでは横田冬馬がボールボーイをしていました。野本さんは後輩の応援にもちろん来ていましたが、終了後仕事に行きました。横田さんも、青木の鉄っちゃんも・・・、そういえば川井田流碧も応援に来てましたよ、みんな上條応援団・・・

市立川越の次の相手はDシードの昌平、24日(木)市営大宮球場で9時〜

その次の試合が山村国際VS本庄東、前評判では本庄東よりも山村国際の評価が上でした。共にノーシードながらシード校を食ったり、シード校を食って上げ潮のチームを完封したりして波に乗ってきたチームです。本庄東のピッチャーは「よろめきライアン」の投球に惑わされず頑張れ!と書きましたが、さて結果やいかに?    
 市立川越は3塁側でしたが、山村国際は1塁側だったので、平山さんと共に1塁側へ移動しました。山村国際が先攻、本庄東のピッチャーは「よろめきライアン」こと水野投手です。球は速くないのですがキレがあります。
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
 山村国際 
 本 庄 東 1X
山村国際:菊地−堀内  本庄東:水野−

 先攻山村国際はプロ注目の捕手堀内汰門がキーマン、朝霞との試合では菊島投手が4番堀内汰門との勝負を避け、5番酒巻と勝負する作戦が2度奏功されたこともあり、この日は堀内を3番に上げ、4番に1年生の新井を持ってきました。1回表に2死から堀内がさすがのバッティング、聖望学園にコールド勝ちした立教新座打線を手玉に取った「よろめきライアン」こと水野投手の球を強振したら引っ掛けてボテゴロになる、しっかりおっつけて球に逆らわないジャストミートでセンター右へのヒット、新井四球、しかし5番酒巻サードゴロ、まんまと水野投手の術中にはまりました。ただしこの日、本庄東はサードとショートがゴロ捕球後余裕を持って1塁へ投げた送球が高くて1塁手捕れないというエラーが3個もありました。三遊間は守りの要です。それがこんなエラーをしているようではフツウ勝ち目がありません。ところが水野投手は気にする風ではありません。足を上げる独特の投球フォームはかつてのメジャー随一の速球投手ライアンを彷彿とさせますが、足を上げて一本足で立って、投げた後バランスを崩してよろめくことがあるので、今大会でこのニックネームが付きました。


本庄東・水野投手
 本庄東・水野投手も、ランナーが出るとさすがに走られないようフツウのセットポジションになりますが、これが結構素早くて、この投手はセンスがあるなぁ〜と感心しました。前半は山村国際がヒットやエラーで塁上賑わしチャンスを作るも水野投手が凌ぐという展開、6回裏本庄東にチャンスが巡ってきました。連続ヒットと送りバントで1死2、3塁、しかしここで山村国際・菊地投手が本領発揮、インサイドギリギリの球で見逃し三振に切って取り2アウト、しかし次打者の左手首〜顔あたりに死球、臨時代走で2死満塁!ここで渾身の力を振り絞りセンターフライに撃ち取って3アウト、ピンチを切り抜けました。菊地投手、素晴らしいピッチャーです。
 0-0のまま、互いにチャンスは作るが投手が踏ん張るという展開です。本庄東・水野投手はバックのエラーにもめげず気力の投球、山村国際菊地投手はバックの堅い守りに支えられて頑張るという投手戦、9回ウラ、本庄東は先頭打者が尻付近に死球、ここしかチャンスが無いと見た本庄東ベンチ動きます。後のことなど考えてはおられない、1塁ランナーに代走村橋、バッターに代打神、ここで代打ということは送りだナ?と思いました。しかしバントをファウルして、オイオイ大丈夫か?しかしその後、キッチリ送りバントを決めて、1アウト2塁。ここで本日当たっていない水野、ところが1、2塁間を破るヒット!2塁ランナー3塁を回るがサードコーチャーが手を拡げて止めました。案の定ライトから良い球が返って来て、もし突っ込んでたら本塁タッチアウトだったな、と思いました。さすがに高校野球の外野手は少年野球とは違い、矢のようなレーザービームです。この後満塁となって、次打者への初球、菊地投手の投げた球が、堀内汰門捕手が手を伸ばしても到底届かない大暴投、サヨナラとなりました。本庄東1-0勝利。サヨナラワイルドピッチ!!!38イニング無失策の山村国際が、ここでワイルドピッチで負けてしまいました。好投の投手が暴投や押し出しで負けるのは良くあることなのです。立ち上がれない山村国際高校菊地投手の姿は気の毒でした。実は市立川越高校と北本高校の4回戦の終わり方も上記のように劇的でした。市立川越高校の上條将希投手と北本高校の須藤投手のガップリ四つの投手戦、延長11回裏、市立川越高校の攻撃、1死から1番平田が中前ヒット!送りバントで2死2塁。3番奈良がセカンドへ強烈な打球!2塁手大澤が逆シングルで好捕、ダイレクトキャッチをアピールしましたが2塁審判は手を拡げています、大澤は一塁送球しましたが、これが悪送球となり市立川越がサヨナラ勝ち!アピールする前に一塁へ送球していれば悠々アウト、当人はライナーキャッチしたつもりだったのでしょうが、ショートバウンドだったんですね。大熱戦も最後は意外な終わり方になりましたが、こういう息詰まる試合ではサヨナラボークとかサヨナラ押し出しとかサヨナラエラーというのは得てして起こるものなのです。

BEST8でシード5校が残る


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 準決勝、埼玉県160校中156校がこの日で居なくなります。BEST4に向けて市立川越を応援しよう!

7月24日(木) Bシード Cシード Dシード
県営大宮球場  10時: 正智深谷 7−6 狭山ヶ丘 12時半: 本庄東 2−4 春日部共栄
市営大宮球場  10時: 昌平 2−3 市立川越 12時半: 4−6 大宮東

市立川越は7/24(木)9時からさいたま市営大宮公園野球場 VS昌平(Dシード) 澤藤は東松山で所用有り、スマホでの応援となりました。思いよ、届け!毎回書きますが、上條将希が冷静に実力を発揮してくれることを期待します    
 春4強の市立川越や大宮東などが準決勝に進みました。公立校同士の対決となった蕨−大宮東は、大宮東の中田浩貴投手(3年)が本塁打を含む2安打と打撃でも活躍し、6−4で勝利。正智深谷は9回、富田真人主将がサヨナラの右前打を放ち、ノーシードで唯一4強入りしました。春8強の春日部共栄は本庄東を4−2で下しました。左足を高く上げる独特のフォームの本庄東・水野投手、米大リーグで活躍した名投手ノーラン・ライアンのピッチングに似ているけれど、時々バランス崩してよろめくことから、「よろめきライアン」というニックネームが付きました。ノーシードのチームを8強に導いたエースにとって、この日の試合は特別でした。4回2死1、2塁、打席に立ったのは、すでに2安打を浴びていた守屋元気捕手です。守屋選手は、小鹿野小、中学校時代のチームメートで、強豪・春日部共栄に進学した守屋選手のことを「自分よりずっと上の存在」と話していました。「あいつには絶対打たれますよ」と試合前話していた、と新聞に載っていました。だがこの打席は、スライダーで右飛に打ち取って、マウンドで小さくガッツポーズを作りました。同じ準々決勝の舞台に立てたのは、5回戦までわずか2失点に抑えた「よろめきライアン」の粘投があったからです。この日は序盤に4点を失ったものの、6回以降は2塁を踏ませないピッチング、4強には届きませんでしたが、「最後まで投げ抜き、元気とも全力で勝負できたのは誇りです」、試合後に守屋選手と固い握手を交わし、晴れ晴れとした笑顔を浮かべました。アッパレです。

 筆者は球場へ行けませんでしたが、市立川越はやはり背番号10登坂2年生を先発させ、先制されました。そこで上條を送りましたが、上條も1点取られて危なかったのですが、終わってみれば勝っている、これが「勢い」というものです。これがないと、160校156チームの頂点なんて難しいのです。

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
 市立川越 
 昌   平 0
 市立川越:登坂航、上條−丹羽  昌平:鈴木拓、梅村、高橋、藤塚−鈴木瞭

 市立川越は1回表3番奈良がヒット出塁、しかし無得点。その裏昌平の奥に四球、送りバント、ストレートの四球で1死1、2塁、これをなんとかしのいで2回表、1死から好調沢田がライト前ヒット、松本が1塁セフティバント、ファーストが出て捕球するが掴みそこね内野安打、ここでランエンドヒット、セカンドゴロ、捕って2塁送球〜封殺、ランナーはホームを狙うが本塁転送タッチアウト!その裏昌平ライト前ヒット〜送りバントで1死2塁、次打者の詰まった当たりはショート横を抜けセンター前へ、2塁ランナーは3塁で止まり1死1、3塁、次打者は初球セーフティースクイズ?ところがキャッチャーファールフライで2死、一塁ランナー走ってエンドランセンター前タイムリー! 昌平に1-0と先制されただけでなく、登坂の調子が悪そうと見たか、3回から上條登板、上條が出てくると打線点呼する市立川越打線、4番富岡が4回表ホームランして同点、5回表上條がヒットで出ましたが後続倒れました。

2013年2年生時の上條将希
 上條は代わってから3回裏四球1個与えましたが、4、5回は三者凡退、やはり役者が違うという感じです。6回表市立川越3番奈良が初球三遊間を破るレフト前ヒットで無死1塁、昌平ブルペン慌ただしくなります。エンドラン、富岡はショートゴロで1死2塁、丹羽は3球目を右中間へ飛ばしましたがライトがダイビングキャッチ!2塁ランナー動けず2死2塁、昌平は必死の守り、ここで打撃好調沢田なのでピッチャーは梅村に交代、しかし四球で2死1、2塁、7番松本への投球ショートバウンド、キャッチャーが一瞬見失い、その間に2死2、3塁、松本はフルカウントから四球で2死満塁、さあ打席には今大会4割以上の打率を誇る上條だ、4球目、いい当たり!センターバックして振り向きキャッチ、惜しい!6回裏、昌平は4番海老沼から、引っかけたセカンドゴロ、ダッシュせず内野安打になりました。内野は常に前で捕るようにしないとイレギュラーも多くなっています。特に市営球場は多いようです。ただしこの場合は単に待ったから内野安打になったもので、エラーと言われても仕方ない感じ。こういうプレーは接戦では命取りになる場合があります。無死1塁、送りバントで1死2塁、丹羽は上條のところへ行って「ドンマイ」、こういうところは素晴らしいキャッチャーです。6番原田フルカウントから高い球を強振、左中間への大きな当り、割った〜〜!2塁ランナー生還、バッターランナー3塁へ、昌平2-1と突き放す、市立川越また勝ち越され、一気に流れは昌平に傾きました。森田フルカウントから変化球を打ち上げレフトフライ、三塁ランナータッチアップできません。次打者空振り三振でピンチをしのぎました。こういうときの上條の気迫はたいしたものです。調子が悪いときでもそこそこのピッチングをするのがエースというものです。7回表昌平はエース高橋が出てきました。リードしてここから押さえ込もうというわけか? 死球がありましたが併殺で市立川越無得点、なんかヤバソウ。7回裏上條は三振、セカンドゴロ、三振、ここぞというときに力を出します。こういう上條の気合が乗り移って、8回表今度は奈良がライトスタンドへホームランして同点に追い着きました。埼玉県営球場はプロ野球の球場と比べても広いほうなので、大したものです。今大会調子が出なかった中軸がやっと働き出しました。そして4番先ほどホームランの富岡、初球ショートフライで1アウト、丹羽レフト前ヒットで1死1塁、そして2盗、1塁空いたので当たっている沢田との勝負を避け四球で1死1、2塁、松本は送りバントで2死2、3塁、そして上條です。高めに来た2球目を1、2塁間を破るタイムリーヒット!3塁ランナー生還し3-2と勝ち越し、2塁ランナーは3塁をまわり飛び出していてアウト。8回裏上條は安定しています、四球1個与えましたが抑え、9回表昌平のピッチャーは藤塚(1年)に交代、三者凡退で、さあ9回裏、四球で出したランナーが初球から走りましたが、強肩丹羽の送球でタッチアウト、一か八かの冒険、しかし速球派の上條にこれは無謀、残る2人スイスイ抑えてゲームセット
 市立川越の次の相手はノーシードの正智深谷、26日(土)県営大宮球場で10時〜



BEST4にシード3校が残る


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7月26日(土) Bシード Cシード
県営大宮球場  10時: 正智深谷 3−8 市立川越 12時半: 大宮東 1−3 春日部共栄

市立川越は7/26(土)10時から埼玉県営大宮公園野球場 VS正智深谷(ノーシード) 大会主催の朝日新聞には、事前分析で「正智深谷―市立川越は接戦に持ち込めるかがカギ」と書いてありました。正智深谷は3回戦以降の4試合すべてで、1点差の接戦を制してきたので、エース高荷から左腕中西への継投のタイミングが決勝進出への鍵を握りそうなのだそうです。打線は相馬や小林が、今大会3割5分を超える打率で好機を生み出しており、後半接戦で勝つのが持ち味、一方市立川越は序盤登坂でリードされても、上條が出てくると一気に盛り返して勝つというパターンなので、先制されても焦らず逆転するのが持ち味という分析です。上條将希は今大会、痛めた肩の影響で本来の140キロ台の球速が影を潜め、130キロ半ばですが、それなりに良いピッチングをしています。それは低目へのストレートに伸びがある、いわゆる「キレがある」ため、打者の手元の球速があるのです。昨年の浦和学院・小島投手がそうでした。スピードガンでは130キロ半ばですが、まるで140キロ後半の投手のように打者をクルクル空振りさせるのです。しかし、どうも上條将希は調子が悪いような素振りが見えます。頑張って欲しいものです    
 
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
 市立川越 
 正智深谷
 市立川越:登坂航、上條−丹羽  正智深谷:高荷、中西−大澤

 市立川越は事前分析通りに先制されましたが、登坂が最小失点で上條につなぎました。そして逆転して8回一気に7点差、8回裏を抑えればコールド勝ち、ところが正智深谷持ち前の粘りでコールド回避、上條将希が疲れてライトの富岡と交代、富岡が9回裏3人でピシャリ、接戦に持ち込ませなかった市立川越の快心の勝利ですが、上條が心配になってきました。
 振り返ってみましょう。先制したのは正智深谷です。2回裏、7番大澤竜哉(2年)が四球で出塁し、盗塁を仕掛け成功。さらに8番渡部拓幸(2年)が中前適時打を放ち、1点を先制します。
 正智深谷の先発は背番号1高荷 優(3年)。直球の球速は125キロ前後ですが、スライダー、シンカー、チェンジアップを投げ分け、右サイドハンドから微妙にボールを動かすので、打ち難い投手です。しかも球を低めにしっかりと集めることができるので、市立川越打線も攻略に手を焼きました。連打が無理ならば、足を使って、高荷のリズムを崩そうとしますが、捕手・大澤の好送球もあり、攻略の糸口をつかむことができません。市立川越は、5回表、9番前村英樹(3年)が死球で出塁すると、当たっている1番平田聖和(3年)が右前安打し、1死1、2塁のチャンスをつくりました。ここで2番松本竜生(3年)の犠打が相手内野手の失策を誘い、1対1の同点になりました。ラインぎりぎり、絶妙に転がした松本のバントが、アウトにしたい正智深谷内野陣の焦りを誘いました。こう着状態を打開する見事な攻撃、余程練習していないとこんなことできません。
 こうなったらエース上條将希の登場。その上條はいきなり2奪三振と期待通りの立ち上がり。今大会上條が登板すると打線に点火します。6回表、5番丹羽功太(3年)が安打で出塁すると、絶好調6番沢田瑞城(3年)の右前安打で無死1、3塁。さらに1死2、3塁となったところで、何か仕掛けるぞ、と思ったら、8番岡本 涼(3年)がスクイズ!正智深谷はウエストをして、外しましたが、岡本が宙を飛んで飛びつきバットに当てました。バットに当てた時点で体が空中で、その後打席の外に落ちても反則打球にはなりません。しかもこうした打球はフツウほぼファウルになるのですが、このときは打球がフェアグラウンドに入ってきました。こんな見事なスクイズは見た事ありません。岡本の執念のスクイズで勝ち越しに成功した市立川越は、さらに1塁送球が1バウンド〜ポロリの敵失もあり、2塁走者も生還し、3−1とリードを拡げました。
 勝ち越した市立川越は8回表にも、2死1、3塁のチャンスから、当たっている1番平田の右前適時打で、4−1。なおも2死1、3塁から、2番松本の内野安打で5−1。松本は盗塁、どうにも止まらない怒涛の攻撃、ここで3番奈良龍之介(3年)が中前2点適時打を放ち、7−1とします。さらに4番冨岡弥夏(3年)が2塁強襲安打を放ち、8−1と点差を広げ、コールドの点差になりました。
 後がない正智深谷は8回裏、1番相馬直弥(3年)が死球で出塁。2死になって追い込まれたものの、4番藤村聖哉(3年)の安打で2死1、3塁とすると5番小林 圭人(3年)が高めに入った直球を逃さず、左中間を破る2塁打を放ち、8−3とコールドを免れました。
 9回表に上條は1塁に走者を置いて打席に立ちました。ピッチャーですからバントで走者を進め、自らはアウトになって、ベンチに引っ込み、次の投球に備えなければなりません。しかし左腕中西の投じた球は、上條の体めがけて・・・のけぞって避けた上條は利き腕の左腕を抱えてうずくまる、背筋に冷たいものが流れました、ヤバイヤバイヤバイ・・・ところがデッドボールではなく、投球に押されたバットが左ひじに当たったもので、ファウルだったようです。このアクシデントで、大事を取って9回裏は上條将希がライトの富岡と交代、冨岡がマウンドに登って三者凡退で、市立川越がリードを守りきり決勝進出を決めました。犠打で仕掛け、足でかき回して正智深谷の守備を乱し、リードしてからはエース上條で逃げ切りを図る市立川越らしい試合運びでした。ただ気になったのは、上條将希の疲れで、これまでの投球のキレが無くなってきていること、ここだけが気がかりです。
 こうして決勝進出を決めた市立川越は、16年振り3回目の埼玉県大会決勝進出、勝てば甲子園出場は1989年以来、実に25年ぶりの快挙です。また1989年は旧校名の川越商での出場で、現校名での出場はありません。また公立校としては、1998年に出場した滑川(現・滑川総合)以来の甲子園出場がかかっています。
 市立川越にとっては歴史に名を刻む大きなチャンスです。みんなで応援して、勝たせましょう!澤藤が甲子園に応援に行ったのは2000年の第82回大会、青森光星学院の応援でした。大型バスを仕立てて、当時の大井町少年野球連盟松本会長始め高田さん、今福さん・・・、鶴ヶ岡少年野球クラブの関係者が多かったのにはワケがあります。光星学院のエースは鶴ヶ岡少年野球クラブのエースだった斉藤広大、お母さんは当時東入間学童野球連盟の事務局を澤藤と一緒に務めていました。準々決勝を応援して帰るつもりが勝ってしまいました。予定変更、1泊して準決勝の応援です。相手はスタンドに白地にCのマークを浮かび上がらせる応援で有名な智弁和歌山、これがすごかったのです。この大会6試合で100本の安打、チーム打率4割1分3厘は、“驚打”という文字が新聞に躍るすさまじい打撃、今でも甲子園の記録では?それでも光星学院は5-7で敗れはしましたが、互角にわたり合って応援しがいがあるチームでした。決勝で東海大浦安(千葉)を11-7で破り智弁和歌山が優勝しました。ちなみにこの年の埼玉代表は浦和学院、2回戦で柳川(福岡)に1-7で敗れました。



決勝はやはり市立川越×春日部共栄


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7月27日(日) Bシード Cシード
県営大宮球場  10時: 市立川越 2−7 春日部共栄

市立川越は7/27(日)10時から埼玉県営大宮公園野球場 VS春日部共栄(Cシード) 上條将希−丹羽功太、金子大地−守屋元気という埼玉を代表するバッテリーの対決となりました。上條将希は相当疲れているようで心配です。金子大地は好調ですが、同じように疲れてはいるでしょう。泣いても笑ってもあと1試合、甲子園をかけての決戦!応援に行くぞ〜〜〜!
春4強の市立川越と大宮東が準決勝に進んだのは順当ですが、上で書いたように、昨年夏が終わり、安定して強いのは市立川越と春日部共栄です。公立校の大宮東は、中田浩貴投手(3年)が投打にわたり活躍し、部員103人のチームを引っ張って来ました。双子の中田兄弟の兄、祐貴内野手と、弟のエース浩貴投手(いずれも3年)が頑張ってきました。春日部共栄との準決勝は8回まで0-0、大宮東が押しに押しているのに1点が遠く、スクイズで本塁憤死がありましたが、ダイジェストのテレビのスローで何回見てもセーフとしか見えないのに主審はアウト!多分ランナーの足が浮いて入ってきて、本塁に触る前に金子大地のグラブトスを受けた守屋元気が上から足に被せたタッチをしたのでしょう。これで盛り上がった春日部共栄が9回表一気に畳み掛けて3点GET、しかし大宮東も9回裏反撃、スゴイ戦いでした。両者アッパレですが、いつも辛口の大井ウエストスコアラーに言わせて貰えば、9回裏の大宮東の代打攻勢に疑問アリ!左腕金子大地の左打者への外角の球はサイドスローですから遠く逃げて行く、ヒットは打てません。代打は左、右、左、右打者はタイムリー、左打者はうちとられました。エッ、代打が左?意味無いじゃん、その通りの結果となりました。済美の安楽投手も最後の甲子園のマウンドはムリでした。昨年の松井裕樹や大谷翔平、藤浪晋太郎はもうプロ野球で活躍しています。これらの投手と比べれば、金子大地はそれほどでもない?と考えて、頑張れ!
春日部共栄・金子 大地(3年)、市立川越・上條 将希(3年)、今年の埼玉を代表する両左腕の秋以来の再戦となる決勝戦、秋準決勝での対戦では1−0で上條が金子に投げ勝っています。
    


3塁側春日部共栄応援席は黄色いカラー、テレビカメラもNHKとテレビ埼玉(黄色シャツ)が並んで撮ります
この場面6回表マウンドは春日部共栄・金子大地投手、2死満塁、3塁に奈良、打席には上條将希、この後レフト前タイムリー

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
 市立川越 
 春日部共栄  ×
 市立川越:上條−丹羽  春日部共栄:金子−守屋

 2014年7月27日(日)埼玉県営大宮公園球場を埋め尽くした観客はどれぐらいだろう?なにしろ内野席は満席、続々と外野席へ、35℃を越す熱気、いやはやフ〜〜〜でした。これだけ観衆が集まるのもそのはず、テレビ埼玉以外にNHK総合テレビの全国放送が埼玉の決勝を生中継し、お昼のニュースとのど自慢の時間はEテレに切り替えるという、甲子園の全国大会並みの放送態勢を敷いたのです。そのワケは、2013年選抜優勝投手小島和哉を擁する浦和学院が早々敗退する戦国埼玉の中で、戦前から本命視されていた夏の甲子園25年ぶりの出場を目指す市立川越と私学の強豪常連校春日部共栄の組合せ、および上條将希(3年・大井西中)−丹羽功太(主将・3年・川越名細中)、金子大地(3年・千葉松戸小金中)−守屋元気(3年・小鹿野中)という両チームのバッテリーが注目されたからです。
 結果は、春の県大会で8強入りしたCシード春日部共栄が、夏の大会25年ぶりの甲子園を目指したBシード市立川越を下し、9年ぶり5回目の甲子園出場を決めました。両校は昨年秋の県大会で対戦し、1−0で市立川越が上條の好投で3安打完封勝利。春日部共栄・本多利治監督は「秋の敗北を受け、攻守をバランスよく磨いてきた」とリベンジを誓ってこの決勝戦に臨んでいました。毎日新聞朝刊でも、7月27日全国で11校が甲子園切符を手にした中で、埼玉県の結果を1面で報じたように、注目された決勝戦でした。本大会は8月9日(土)、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕します。

 市立川越は先発を登坂 航大(2年)ではなくエース上條にした以外は不動のオーダー。一方の春日部共栄は、前日から2番に守備力の高い小暮涼(3年・熊谷玉井中)ではなく佐野尚輝(3年・川口八幡木中)を入れ、8番には濱谷悠平(3年・川口八幡木中)に代え、主将・小林慎太郎(3年・越谷北陽中)が復帰し試合は始まりました。
 試合は序盤から戦前の予想通り両投手の踏ん張りもありスコアボードに0が並びます。春日部共栄・金子は初回から準決勝同様のテンポでポンポンアウトをとります。速い球で130キロ、しかし引っ掛けて内野ゴロが多いのです。一方市立川越・上條は準決勝で終盤犠打の際に左肘を痛めた影響や、疲れが見えて状態が心配され、スピードも130キロちょっとしか出ませんが、初回の1死1、2塁のピンチを凌ぐと、3回裏には春日部共栄打線を三者三振に切って取るなど、快投を見せ、徐々に流れは市立川越に傾きました。
 3回表には2死から前村英樹(2年・坂戸城山中)、平田聖和(3年・狭山西中)の連打、2番・松本竜生(3年・志木宗岡中)もレフト前ヒットを放ちましたが、春日部共栄レフト高野凌治(2年・茨城水戸一中)の好返球で前村は本塁憤死し、無得点、3塁回った時点でコーチャーとの息がどうだったか、一瞬緩んだかのように見えました。タイミング上は無理でしたが、送球がそれれば?しかし、決勝に進むようなチームの外野返球はたいていストライクです。
 5回表には、1死から7番・佐藤公紀(3年・所沢東中)がレフト前ヒットを放ち、続く上條は当然犠打狙い、これがプッシュバントみたいになってサードが2塁送球封殺、上條は1塁セーフで併殺は免れましたが、ピッチャーが塁上に残る最悪の結果に、しかし9番・前村が死球で出塁し2死1、2塁とチャンスを広げます。ここで、1番・平田のファーストゴロをファースト三浦友之(3年・越谷東中)が後逸し、エラーで上條がホームイン、ラッキーな先制点が市立川越に入りました。その裏、春日部共栄もすぐさま反撃、この回先頭の7番長岡大智(3年・東京足立十四中)がレフト前ヒットで出塁すると、続く小林の所で仕掛けたエンドランでセカンドはセーフ、1死2塁、2死後、春日部共栄1番清水頒太(2年・所沢小手指中)がレフト前ヒットを放ち2死1、3塁として、続く佐野が右中間へタイムリー2塁打を放ち1−1の同点となりました。
 6回表、市立川越はこの回先頭の3番奈良龍之介(3年・川越福原中、武蔵コンドルス出身)がライト前ヒットで出塁すると、続く冨岡弥夏(3年・和光二中)が死球を受け、無死1、2塁とします。5番・丹羽功大がきっちりと送り1死2、3塁とすると2死後、7番・佐藤がデッドボール、2死満塁で打席には上條、期待に応えレフト前タイムリーを放ち自らのバットで再び1点を勝ち越しました。
 春日部共栄も7回裏、2死から清水、佐野の連打に死球などで2死満塁とチャンスを作りますが、4番・原田寛樹(3年・美里中)が凡退し、どうしても流れを引き寄せません。市立川越の新井監督は準決勝終了後、決勝戦への意気込みを聞かれて、「上條の調子が悪く心配だが、ウチは上條と心中するしかない、決勝は一晩寝て、頑張ってくれるだろう、辛抱して8回にヤマが来る」と語っていました。ところが8回表、市立川越の攻撃はアッサリ凡退、あれ〜?と思ったらその裏でした。春日部共栄の猛反撃・・・、ヤマは相手にやって来ました。この回先頭の三浦がセンター前ヒットで出塁すると、続く金子に対し春日部共栄ベンチは犠打のサインを出しました。それ以外考えられない場面です。しかし、打者の手元で伸びる上條の球にバントは2度ともファールになり追い込まれてしまいます。これはバントは無理、とベンチは強打に切り替えました。金子は投手ながら本塁打も打っている高打率のバッターです。この日も散々ファウルして粘ってはヒットを放つなど上條を苦しめていました。1塁側応援席から「カミジョー、このバッターだけは打たせるな〜〜!」という声がかかります。市立川越の2点は上條の得点、打点です。投手が打てば当然気分良くピッチングできます。それが分かっている応援席からの声でした。一方春日部共栄応援団はここぞとばかりの大声援、その期待に応え金子はレフト前ヒットを放ち無死1、2塁とチャンスが広がりました。ここは併殺の危険を避けるためにも送らなければなりません。しかし7番・長岡のバントも手元でホップする(ように見える)上條の球に押され、ポップフライになり1アウト、犠打の決められない選手達に春日部共栄の本多監督は2塁走者三浦を濱谷に代えました。局面打開を図るには、オーソドックスよりも強気の作戦で選手の志気を鼓舞するしかないと腹を括った本多監督は、ここは、打って返すしかないと選手に檄を飛ばしたのでしょう。ここから堰を切ったように春日部共栄打線が爆発します。8番主将・小林、筆者は3番守屋とこの選手が春日部共栄打線のキーマンと見ていました。この二人に打たせたらマズイ、という意味です、春日部共栄打線に火が点いてしまうからです。しかし、小林もレフト前ヒットでつなぎ1死満塁、ヤバイヤバイヤバイ、やっぱり高野がきっちりとレフトへライナーを放ち、バックホーム、しかし中継のショートは本塁送球を諦めて犠飛となり、2−2の同点となりました。確かに、レフトからダイレクトのレーザービームでなければ本塁タッチアウトは難しい、ショートが捕った時点で諦めたのは仕方なかったかもしれません。2死1、2塁、バッターを撃ち取れば、振り出しからまたやり直しだ、市立川越ベンチも応援席もそう考えました。ところが1番清水にぶつけて再び満塁になりました。上條も握力が落ちてきたのでしょう。同点までは想定内だったとしても、この日本多監督の抜擢に応えて3安打と当たっている佐野にもフルカウントとしてしまいます。ここで佐野が値千金となるセンター前の2点タイムリーを放ち、4−2とこの試合、春日部共栄が逆転に成功します。なんとこの日4安打です。続くバッターは守屋元気、この選手が打席に入ると、春日部共栄応援団は一段とヒートアップします。「モリヤー」という男声に続いて「ゲンキー」という女声、「モリヤー」、「ゲンキー」、「モリヤー」、「ゲンキー」という大声援に応えて守屋元気がこの日3安打目となるセンター前タイムリーを放つと、当たりの止まっていた4番・原田にも右中間への2点タイムリー2塁打が飛び出し、この回結局春日部共栄は一挙6点のビッグイニング、我々1塁側応援席も「勝負あったか」とつぶやくしかありません。それでも9回表、「野球は最後の1球までわからない、諦めるな!」と1塁側応援席は必死の応援、先頭打者は上條、応援団から「カミジョー!」の大声、メガフォンを叩いての声援でしたがピッチャーゴロ、当りは良かったのですが、金子のグラブにスッポリ、続く前村が四球を選び、当たっている1番平田に期待しましたがセンターフライ、相手が安心しきって緩慢な返球をする姿勢を見て、1塁からタッチアップ、センターフライで1塁ランナーが2塁に向かってタッチアップするなんてフツウアリエナイのですが、それだけ勝つゾ、諦めないゾという気持ちのこもったプレーでセーフ、しかし次打者内野ゴロで万事休す。この日行われた石川県の決勝戦で星陵が0-8で迎えた9回裏、集中打で一気に逆転サヨナラしたようなこともあるので、最後まで「頑張れ〜!」と応援しましたが、力及ばず。大井ウエストも選手、コーチ、父母が練習をやめて応援に駆け付けました。そういう少年野球チームが他にもたくさんありました。先輩を応援しに来たシニアチームもたくさん居ました。スタンドでかつての知り合いとたくさん会えて、これも決勝戦に連れてきてくれたお蔭でした。負けたけれど、市立川越に感謝です。
 春日部共栄は、準決勝の大宮東戦でも、8回まで中田投手に抑えられて敗色濃厚だったのに、9回表一気にたたみかけた爆発力、この日も終わってみれば上條から15安打7点を奪い、春日部共栄が苦しみながらも9年振りの甲子園への切符を掴みました。上條の誤算はこの日当っている佐野に対し、満塁でフルカウントにしてしまったことです。これで直球を待っている相手に直球を投げざるを得ない状況になってしまいました。昨年秋の上條ならば最速146キロと高校球界でも滅多に居ない速球投手で、松井裕樹みたいだと言われるほどの三振王でしたが、肩を痛めて以降、球速を落としていました。昨年秋の、春日部共栄を3安打完封した上條の直球なら佐野を抑えたでしょう。市立川越の打線は秋と比べ、上條が打つようになったこともあって、夏は力強さを増していました。秋準優勝、春ベスト4、そして夏準優勝と今年1年埼玉県で一番安定した成績を残したチームでした。上條も春先から決して万全の状態ではない中、良く投げました。同じく左腕の岡崎投手を擁した平成元年以来の悲願の甲子園を目指しましたが、最後は力尽きました。新井監督が、「上條は100点でした」、と言った言葉が、上條将希に対するチームの、そして我々応援する者の気持ちです。
 春日部共栄は、5回戦の川越東戦といい、準決勝の大宮東戦といい、相手にヒット数で下回りながらも、最後は接戦を物にする勝負強さは素晴らしい。決勝戦でも常に先手を取られ、間違えれば大量点という場面もあり、金子大地が踏ん張って、それが最後に報われる展開でしたが、甲子園ではそう簡単には行きません。金子ぐらいの投手は甲子園にはざらに居ます。ましてや甲子園では信じ難いような強打のチームも居ます。そうなると金子もある程度の失点は覚悟しなければなりませんので、打線をもっと磨かないと勝ち進めないでしょう。この日もランエンドヒットなどを的確に決めるところは市立川越を上回っていましたが、送りバントはダメでした。こういう機動力をもっと磨かなくてはなりません。また、本多監督が言う「潜在能力は高いが固くなっていた選手達」が決勝の終盤でやっと本領を発揮しましたが、4番・原田、5番・三浦はまだ復調したとは言えません。守りはまずまずだし、当たっている1番清水、3番守屋、6番金子に加え、2番に入れた佐野が大活躍なので、春日部共栄が勝ち進むためには4、5番の復調が必須です。是非8月9日までに必死に練習して、甲子園で埼玉県代表として上位進出を目指して欲しいものです。

試合時間は2時間13分でした。右側市立川越側は外野までこの通りビッシリです、風はライトからレフト方向
奥に見えるオレンジ色のスタンドは、NACK5スタジアム大宮、大宮アルディージャのホームです

組合せと結果


ページTOPへ  小峯瑛輔は遂に念願の甲子園!

 昨年の「トピックス」で、大井ウエスト2008年世代の高校野球での活躍を紹介しました。もちろん昨年のハイライトは埼玉平成のエース佐々木誠太の活躍で、2007年の大井ウエスト主将です。昨年高校2年生だった2008年世代が今年の高校野球の主役です。2008年の主将青木一也は、今年も上記の如く埼玉平成で活躍しました。2008年のエース上條将希は市立川越のエースとして、甲子園あと一歩のところで残念ながら及びませんでした。決勝戦8回途中までリードして、勝てると信じて応援しましたが、最後につかまりました。

■ 少年野球時代の対戦〜高校野球でも活躍〜決勝で勝てない二松学舎大付
 2008年の印象に残る試合は、大井ウエストと上福岡パワーズの2008年9月21日(日)上野台小学校での東入間秋季大会準々決勝、7回0-0からサドンデス、サヨナラパスボールという劇的な結末の思い出を紹介しました→クリック。ウエストのバッテリーは上條将希と湊 地広、キャプテンは青木一也、上福岡パワーズのバッテリーは小峯恭輔と瑛輔の兄弟、捕手の瑛輔君がパワーズのキャプテンでした。その後、瑛輔君は大宮シニアのキャプテンを経て、二松学舎大付に進みました。昨年は圧倒的な攻撃力とエース大貫を擁して第2シードの二松学舎大付ですが、準決勝では8-1と第3シード関東一を圧倒して決勝戦進出、反対のヤマには第1シードの甲子園常連校帝京、ところがこれを食ったのがノーシードながら戦前下馬評の高かった修徳でした。二松学舎大付は9年前の決勝進出時、相手も同じ修徳に敗れました。第95回の昨夏は、7月27日神宮球場での決勝戦、二松学舎大付はナント!これが10度目の東東京大会の決勝進出でした。両チーム合わせて30安打が飛び交う打撃戦の末、修徳が二松学舎大付を破り、9年ぶり5回目の甲子園出場を決めました。瑛輔君は2年生ながら5番を打ち、この日も2塁打を含め複数ヒットで気を吐きましたが、残念ながら13-6で負けました。小峯瑛輔の夢は残る1年にお預けとなりました。

■ 秋季東京都大会では
 さあ先輩が居なくなった秋の東京大会、2013年11月10日(日)神宮球場で行われた関東一との決勝戦、瑛輔君は4番ファーストです。二松学舎大付は夏に続き、またしても決勝で敗れました。7−6で関東一が翌年春のセンバツを確実にしました。1回、試合開始後わずか3分で先制しましたが、先発の大黒一之投手がピリッとせず、2回途中3失点で降板したのが誤算でした。その後打線が奮起し、6回に同点に追いつき延長戦まで持ち込みましたが、あと1本が出ず、残念でした。「ここまで決勝戦敗退が続くのでは、神頼みも必要かもしれません」と書きました。ちなみに大井ウエストは神頼みで勝つチームです(^-^)

■ 春季東京都大会では準々決勝でノーシードの成立学園に敗退
 小峯瑛輔の高校野球最後の1年、春のセンバツ出場は成りませんでしたが、春季東京都大会では第1シード関東一に次ぐ第2シードでした。ちなみに第3シードは東海大高輪台と日大三高、第4シードは足立西、小山台、大成、日体荏原、第5シードは修徳など8校、計16校がシードでした。その結果は東京都高等学校野球連盟のホームページ(pdf)に出ています。第2シードの二松学舎大付は、準々決勝でノーシードの成立学園に敗れ、成立学園は準決勝でこれまたノーシードから勝ち上がった日大鶴ヶ丘を撃破しました。ちなみに日大鶴ヶ丘はこれまたノーシードの東亜学園との引き分け再試合を勝って上がってきたものです。決勝は修徳と帝京を破って上がった第1シードの関東一×ノーシードの成立学園となって、延長11回8-7で成立学園が優勝しました。この結果を見ると、いかに東京が激戦区かということが分かります。また、東東京の方が西東京よりも強豪校が多いのです。

■ 第96回高校野球選手権大会東東京大会で”11度目の正直”
 第96回の今夏選手権大会、西東京は7月28日(月)神宮球場で決勝戦、日大鶴ヶ丘が東海大学菅生に9回2-1サヨナラ勝ち、6年ぶり3回目の優勝です。一方東東京大会は、春季東京都大会の結果を受け、第1シード成立学園、第2シード関東一、第3シード帝京、第4シード修徳と二松学舎大付、第5シード足立新田、駿台学園、東亜学園、雪谷となりました。東東京大会の結果トーナメント表pdfをご覧下さい。二松学舎大付は3回戦からの登場で、城西大城西、東海大高輪台、城東、東亜学園と撃破、7月27日(日)の準決勝で成立学園に9-2、7回コールドで春のリベンジを果たしました。一方反対のヤマは、帝京が圧勝続きで、7月27日(日)の準決勝も関東一に12-4、8回コールドで春のリベンジを果たし、7月29日(火)神宮球場で決勝戦対決となりました。手に汗握る大熱戦となり、二松学舎大付が11回目の挑戦で、帝京を延長10回5-4で破り、初優勝しました。1971年に初めて決勝に進出して以来、昨夏まで42年間で10連敗中だった呪縛から脱しました。

■ 決勝戦序盤は投手戦
 過去10度涙をのんできて、夏の甲子園は初めて、しかし、昨年から常に安定した強さを誇ってきましたから、当然と言えば当然ですが、相手の帝京には過去三度決勝戦で敗れています。しかも帝京のエース清水昇投手(3年)の防御率は1.1だったか、つまり大量点を取らなくても勝てるわけです。この大会でたったの3個しか四球を与えていない制球力の良さ、そして強力打線、このバランスの取れたチームに勝つのは至難の技です。清水投手の顔は何となく日本女子サッカーの澤穂希を彷彿とさせます。すなわち負けん気の強い投手で、これはピッチャーとして最大の強みです。この試合帝京打線は本塁打こそ無かったものの、三塁打1本、二塁打6本と打ちまくりました。序盤は帝京:清水投手と二松学舎大付:大黒一之投手(3年)の投手戦となり、3回は、たった23分で終わりました。その間、安打は二松学舎大付の9番、1年生の三口英斗の内野安打1本だけでした。ただその中で光ったのは、二松学舎大付の守備でした。1回裏帝京の2番郡泰輝の三遊間深くのゴロを、遊撃手の竹原祐太が好捕すると、強肩をいかして1塁にダイレクト送球して刺しました。さらに3番中道大波の捕邪飛を、1年生捕手の今村大輝が追いかけ、二松学舎大付のベンチである、1塁側ダッグアウトに倒れ込みながらキャッチしました。さらに3回裏には帝京8番小幡隆の3塁線深くの打球を、サードの北本一樹が好捕し、ワンバウンド送球で刺しました。このように好守備が出ている時は気力が充実していることを示しています。

■ 決勝戦中盤に帝京がリード
 中盤に先制したのは帝京でした。5回裏に6番安竹聡司がセンター横にライナーの打球、これを二松学舎大付の中堅手・末松祐弥が少しはじくのを見て安竹は2塁を陥れ、これが帝京の初安打(記録は2塁打)です。更に7番笠井拓弥が左中間を破り、安竹が生還して、帝京が1点を先取しました。ただし外野からの見事な返球で、笠井は3塁タッチアウト(記録は2塁打)。ただ、3塁ではなくバックホームしていれば本塁でタッチアウトに出来たと思わせる素晴らしい返球でした。6回には四球をはさんで二塁打3本で2点、持ち味の長打力で3点をリードします。6回裏、1番打者からの猛攻でした。先頭の1番鈴木悠太が一塁手の頭をライナーで越える二塁打で出ると、2番郡は四球、3番中道が右翼に逆らわない打撃の二塁打で、鈴木が生還。ここで二松学舎大付は先発のエース・大黒をベンチに下げてマウンドに1年生投手の大江竜聖を送りました。しかし4番浜田弘幸は大江の初球を、右打席から右翼方向をしっかり狙って打ち、二塁打。郡が還って、この回2点目。エース・大黒が退いた上に、代わった1年生・大江の不安な出だし、それでも大江は、続くピンチを得意の変化球で乗り切り、かろうじて望みをつなぎました。1年生投手と言えばつい4ヶ月チョット前まで中学生です。まだ可愛い選手、大井ウエストの4年生田口成に似ています。ところが監督がエースのリリーフに送った理由が分かりました。ピンチで、しかもいかにも打ちそうな帝京の打者を向こうに、口をキリリと結んで、落ち着いたマウンドです。この投手は心臓に毛が生えてるな、と思いました。1年生バッテリー対帝京打線、これは稀に見る出来事です。

■ 決勝戦終盤は二松学舎大付が追い着き、帝京が突き放し、また二松学舎大付が追い着く
 清水投手から3点を奪うのは難しそうと誰もが思ったでしょう。7回表二松学舎大付の攻撃、5番岡田浩輝の中前安打、そして6番秦 匠太朗が四球を選びました。ほとんど四球を与えることの無い清水投手ですから、どうしたことでしょう?1死1、2塁のチャンスで打席に入った1年生捕手の今村大輝がスライダーを左翼にはじき返しました。「レフトフライか」と思った打球は左翼席に届き、試合を振り出しに戻す起死回生の同点弾となり、1塁側二松学舎大付の応援団はヤンヤの大喝采、「今年もダメか」と思っていたのが、1年生の第3打席で、意外と伸びた打球は、ギリギリでスタンドに入る3ラン本塁打となって球場の雰囲気ががらりと変わったのです。それでも帝京はその裏、先頭の8番小幡が左翼フェンス直撃の三塁打で出塁。1死後1番鈴木が初球を打って右前安打。小幡が生還し、勝ち越しました。しかしながら、続く郡の捕邪飛を、今村がバックネットまで追いかけ好捕。その間一塁走者・鈴木はタッチアップして二塁に進塁しました。少年野球でも「ファウルフライはタッチアップだぞ」と教えています。ファールエリア深くの打球を追いかけて捕球しても、一塁走者の進塁を許すだけですが、、とにかく早くアウトをひとつでもとってやると、ただひたすら球を追いかける、1年生の溌剌としたプレーが流れを変えるのです。
 8回表二松学舎大付は、左前安打で出塁した末松が三塁に進み、4番小峯瑛輔が打った三遊間を抜けそうな打球を、帝京の三塁手・鈴木が飛びつきましたが、打球がキョウレツで弾いて、バックアップしたショートも送球を諦める内野安打となり、末松が還り、同点に追い着きました。二松学舎大付ベンチは、見るとエース大黒始め何人かの選手が泣いています。リードされても追い着く、しかも期待の4番が、その通り気迫で打ってくれた、これは感動したでしょう。「勝てる!絶対勝てる!」 二松学舎大付ベンチには溢れんばかりの闘志が燃え盛っているように見えました。交代したばかりの時は打たれた大江ですが、次第に変化球が冴え、130キロ程度の速球も、球威を増してきます。しかも今村の要求通りに、ギリギリの低めにストライクがコントロールされるようになってきました。一方の帝京は、エース清水 昇が1人で投げ抜いてきましたが、清水も抜群のコントロールで負けてはいません。

■ 決勝戦は延長へ、二松学舎大付が悲願の優勝
 そして延長戦を迎えました。10回表二松学舎大付は1死後2番北本が左前安打します。ここで、この日安打がなかった二松学舎大付の主将、3番竹原が低めの球を叩くと、ショートの頭を越え、レフトの右を破りました。うま〜くボールをバットに載せて、軽〜く打ったという感じ、ヤンキースのイチローが得意な打球です。北本は2塁を回って、3塁へ、サードコーチャーはグルグル手を回す、3塁を蹴って北本が生還、三塁打となり決勝点となりました。試合後のインタビューで竹原は、「4番の小峯瑛輔が絶対打ってくれる、自分はつなぐ打撃をしようと思った」と言っていました。またも二松学舎大付ベンチは涙、涙、この試合、初めてリードして、流れからして勝てる!そう確信したようです。しかし相手は全国のチームが目標とする帝京、率いる前田三夫監督(65)は監督歴43年の超有名監督です。二松学舎大付の市原勝人監督(49)だけは恐らくまだ勝てるとは思っていなかったでしょう。しかし10回裏、それまで口をキリリと結んで丹念に投げてきた大江投手はマウンドで笑顔すら見せる・・・、自分のピッチングに自信が出てきたのでしょう。結局帝京の攻撃を3人で抑え、悲願の夏の甲子園大会、初出場を決めました。

■ 二松学舎大付優勝の陰に1、2年生の活躍
 二松学舎大付は、もともと力のあるチームで決勝10連敗はナゾでした。優勝の最後の一押しとなったのは、大江―今村のバッテリーや、二塁手の三口英斗といった1年生、更に、今まで不動の5番であった秦を6番に下げ、5番に定着した2年生の岡田といった新戦力が活躍したことです。3点リードされて迎えた七回の今村の第3打席、1死1、2塁の場面での同点3ラン、「ホームランの実感はなかったけど、ベンチで、上級生が笑顔で迎えてくれて実感が湧いた」と今村は言いました。2塁への送球の速さや、上級生にも物おじせずリードができる精神面を買われ、5月から正捕手に指名されました。守備の要が入ったばかりの1年生というところが、市原監督の眼であり、こんな大抜擢に、竹原祐太主将(3年)ら先輩たちは「お前は楽しめ」とミスをした場面でも励ましてくれたそうです。3点を追う7回1死1、2塁でのサインは「待て」だったそうです。それを打ってしまって、公式戦初の本塁打になりました。打席の今村は、サインを見落としていました。真ん中に入ってくるスライダーをがむしゃらに打って、上級生が笑顔で迎えてくれて、打ったんだと思ったそうです。サインの見落としは、ベンチに戻ってから気付いたそうで、1年生が本能で打った3ランが、決勝10連敗の呪縛を解くカギになったとは、おそらく神の思し召しでしょう。

■ 監督の采配を越えた結果・・・しかし選手の抜擢が当たった
 市原監督は試合前の一塁側ロッカー室で、選手に初めて呼び掛けたそうです。「オレを、甲子園に連れて行ってくれ」、二松学舎大付OBで、1982年センバツではエースとして甲子園で準優勝しました。監督としては決勝6度目の挑戦で「これまでは(選手を)連れていってやろうという気持ちでした」が、「待て」を出した1年生に1発が飛び出すということは、「選手たちが野球をやったということ。私の手の中から、飛び立った感じです」。2番手で登板した1年生大江が1失点で粘り、延長10回は竹原祐太主将が決勝の適時三塁打を放つ、采配の思惑を大きく越えた結果が出ましたが、結局選手を信じて市原監督が配置した選手が活躍するということは、采配がバッチリ当たったということで、そうでなければ、帝京には勝てなかったでしょう。
 読売新聞には、埼玉の決勝について、「春日部共栄の金子投手と市立川越の上條投手、同じ条件とは言え、暑い盛り、準決勝、決勝と連戦になる日程、これで良いのだろうか?」と疑問を呈していました。東京では準決勝と決勝の間に1日の間をとっています。
 詳しくは上福岡パワーズのホームページで紹介されています(野口さん)。

上福岡パワーズ2008年前後世代で寄付を募って作った横断幕、元福小学校から今は葦原中学校側に移って貼られています

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