ヤゴの救出



2022年5月27日(金)
この日の畑作業は雨のため中止、天気予報では当初1日中雨でしたが、前日急転・・・
午前中で雨は止み、昼過ぎ曇り、夕方晴れに変わり、当日朝8時18分「決行」メールが発信されました
「棒ほど願えば針ほど叶う」そうですが、当クラブ代表の鬼気迫る執念が雨雲ぶっ飛ばし...
16時に福岡小学校のプールに集まり、トンボの幼虫:ヤゴの救出を行いました
参加者は小学生男子5人、女子3人、親7人、サポーター9人、合計24人でした
17時作業終了、子どもたちはそれぞれ持参した容器にヤゴを入れて持ち帰りました

水を抜いて浅くしてくれたプールに入り、ヘドロ混じりの水を網ですくい、バケツに入れます
初めは分かりませんでしたが、良く見るといる居る、アメンボもたくさん水面を跳ねています
埼玉県生態系保護協会ふじみ野支部長自らプールに入ってヤゴ掬い(救い)です


子どもたちが歓声を上げて網ですくってバケツに入れます
16時45分、「終了・・・プールから上がってください」と副代表の声・・・
バケツからトレーに移した水の中からヤゴを別のトレーに入れます


小さいものから大きいものまで、中にはオニヤンマのデカイものや、トンボ以外の幼虫も...


これを持ち帰り、水道水を天日にさらして塩素抜きした水にエサのアカムシやイトミミズなどを入れて育てます
ヤゴは肉食なので生きたエサが必要です…蚊の幼虫「ボウフラ」なども食べるそうです
余談ですが、蚊という文字は「ブ〜ン」と飛ぶ虫ということと言っていたヒトが居ましたが、本当なの?
トンボは漢字で「蜻蛉」と書きますが、これは本来「カゲロウ」で、別の昆虫です
「カゲロウ」は「蜉蝣」とも書き、節足動物門・昆虫綱・蜉蝣目(カゲロウ目)の虫です
「トンボ」は節足動物門・昆虫綱・蜻蛉目(せいれいもく、トンボ目)で別の分類です
平安時代、透明な翅でふわふわ飛んでいる虫をすべて「カゲロウ(蜻蛉)」と呼んでいたみたいです
そう言えば、「蜻蛉日記」など有名ですね
トンボは脱皮・羽化して空中に飛び出すために水面に上がるため、よじ登り用割りばしなどを入れておきます
ヤゴの拡大図


プールのヤゴ救出作戦は、全国の小学校で行われています
農業用のため池や自然の湖沼が随所にある田舎ではトンボが普通に繁殖します
しかし水が常時溜まっている場所が少ない都会では、学校のプールがトンボにとって絶好の繁殖場所です
子どもたちが将来、自然と共生できる生活、環境づくりを考える際の原体験の一つが「ヤゴ救出」です
埼玉県志木市の小学校での市民グループによる出前授業;プールのヤゴ救出作戦の手引きが参考になります
NPO法人エコシティ志木の「とんぼにな〜れ;ヤゴの救出作戦マニュアル」(PDF)をご覧ください
これには埼玉県生態系保護協会やその所沢支部、ふじみ野支部などが協力しました


NPO法人エコシティ志木の各種出版物→クリック



トンボの幼虫(ヤゴ)が羽化してトンボになる模様の写真を頂きました

上村さんからヤゴが羽化する状態の写真をいただきました(2022年6月11日)
動物の誕生や変態(metamorphosis)はいかなるものであれ神秘的!
この地球上の生命の多様性を今後も守っていきたいと思います


簑田さんからも羽化の写真をいただきました(2022年6月12日)
プリンセスがドレスをまとっているように優雅です


下の写真は羽化するときに水中に落ちてしまい、羽が濡れてしまったそうです
トンボはさかさまに出てきて、全身が出たらクルッと上向きにひっくり返るそうです



ふじみ野こどもエコクラブ