ふじみ野こどもエコクラブでは、畑に化成肥料を使いません。農薬や除草剤も使いません。肥料としては牛ふんと豚ぷんのミックス堆肥や鶏ふんを使います。畑のpH値の調整には、焼却灰や苦土石灰を撒きます。ただし微酸性(pH6.5〜7.0)を好むさやえんどうやほうれんそう、弱酸性(pH5.5〜6.0)が適するサツマイモやジャガイモの場合は土壌改良のための中和処理は不要です。ただ、土壌は雨や作物の吸収などの影響でだんだん酸性になって行くのが普通なので、pH6.0〜6.5の弱酸性から中性を維持するのが好ましいのです。作物に応じて適切に苦土石灰を施す必要があります。
土作りをするときに使う鶏ふんと牛ふんについて、ホームセンターでその違いが掲示してありました。同じふんであっても実は用途が全く違うのだそうです。まず鶏ふんですが、こちらは肥料です。対して牛ふんは土をやわらかくする堆肥として使うそうです。実は牛ふんには肥料としての成分はゼロではないものの、とても少ないとのこと。私たちが使う牛ふんと豚ぷんのミックス堆肥は、土壌改良以外に肥料要素もあります。
土作りでは肥料を撒きますが、その肥料を流出させず土に保持するためには、ふかふかでやわらかい土が必要なので、堆肥が活躍します。つまり肥料と堆肥は両方セットで畑に入れなければなりません。また、堆肥には牛ふんの他にも落ち葉などを発酵させた植物系の堆肥があり、効果が高いものの価格は高いです。
■ 鶏ふん、牛ふん、化成肥料の肥料効果は?
肥料の成分を見てみましょう。野菜を作るのに必要な3大要素は窒素とリン酸、そしてカリ。化成肥料には当然その3大要素がしっかり入っていて、一般に窒素14%、リン酸10%、カリ13%が含まれています。
鶏ふんを見てみると、窒素4%、リン酸4.1%、カリ2.8%が入っています。つまり化成肥料と同レベルの窒素の効果を出そうとする場合、量が3倍以上必要になります。牛ふんの成分は窒素0.96%、リン酸1.05%、カリ0.9%なので、牛ふんで肥料効果を出そうとするには約14倍という膨大な量となってしまうのです。
鶏ふんは、化成肥料に比べて、価格は15分の1と激安です。化成肥料を使わない私たちは、鶏ふんと落ち葉堆肥に頼るしかありません。