スコアラーの目2022    澤 藤 隆 一

 2022年の大井ウエストは6年生が2人、5年生が7人、4年生が居ない状況で試合に臨まなければならないという苦しい状況でスタートしました。年度終盤で4年生が3人入ってきましたが、コロナ禍のもと、1人でも休めば試合が出来ない、棄権せざるを得ないというギリギリの状況の中で、最後まで誰ひとり休まずに試合が出来たというのは実に奇跡的で、アッパレなことでした。最終的には5勝22敗、勝率1割8分5厘に終わりました。6年生が少ないとは言え、もうちょっと勝てるのではないかと思っていましたが、なにしろ5年生のエラーが多過ぎて、不本意な試合が続きました。最終盤では5年生もレベルアップしてきたので、期待した最後の大会、北岡杯について採り上げます。昨年は高階南ヤンガースの3安打を上回る7安打放ちながら7残塁拙攻で6-3敗北、しかし救援蓮大が好投して翌年に希望が持てました。今年の1回戦は大井少年ファイターズに10-0で勝利、蓮大が2イニング、虎輝が1イニングの完封リレーでした。続く2回戦は前回大会優勝の三芳ドリームズが相手です。昨年のような強さはありませんが、埼玉西部夏季大会3位、秋季選抜大会でも大東スポーツクラブに1-0負けて3位ですから十分強い相手です。ドリームズ先攻で試合開始です。

チーム 第19回北岡杯大会2回戦 2022年12月3日(土)上野台小学校13時29分〜14時44分
敗戦投手:加藤蓮大 本塁打:無し
三芳ドリームズ
大井ウエスト

 先発は蓮大、ヒットで出したランナーが盗塁をはかるも虎輝が刺しました。上々のスタート、しかしその裏ドリームズ先発主将の前に三者凡退。2回表サードの1塁悪送球、ピッチャーゴロをお手玉とエラーが続き、ショートライナーで1アウト、サードゴロで突っ込んだランナーを3本間挟殺、しかしセンターへのヒットで先取点奪われました。3回には内野安打で出したランナーが2アウトからライト前ヒットでホームインし2点目、しかし強いゴロだったのでライトゴロアウトにできました。4回にはサードゴロを待って捕って1塁セーフ、内野安打ではなくエラーです。またしても2アウトからヒットで1点取られました。球数制限から蓮大はここで終わり、失点3自責点1ですが、しっかり守っていれば失点ゼロでした。相手投手も先発の主将は打てそうもなかったのですが球数制限で2回で交代しました。5回から虎輝がマウンドへ、3番打者にレフト前ヒット、一死後ショートゴロエラー、レフトのエラーで1点、パスボールで無死2、3塁、ショートゴロで3塁ランナーを挟むも逃げられ2点目、内野ゴロの間に3点目、6回最終回は1番からでしたがサードライナー蓮大ガッチリ、ピッチャーゴロ、ピッチャーフライ、6年だけでアウト三つ取りました。結局虎輝は被安打1、3失点ですが自責点ゼロ、その裏ドリームズ投手交代、二死から城が四球で出て虎輝がレフトへ強烈なヒット、後逸する間に一挙2人とも生還、蓮大サードゴロで試合終了。ガッチリ守れば完封勝ちできた試合です。なんとこの試合のエラーは7個、恐らくウエスト新記録です。2得点はタナボタですが、少なくとも0点に抑えれば負けません。責任を感じて泣きじゃくる5年生を慰める6年生の姿が印象的でした。
 主将の加藤蓮大は打たせて取る投手ですが、バックの拙守にもめげず頑張りました。フツウならば怒って良いところ、堪え難きを堪え、忍び難きを忍び、以って万世のために太平を開かんと欲す...打撃では南部春季、西部夏季大会頃は絶好調、4割をうかがう勢いでしたが、6月末から急降下、3割を切り、結局2割7分4厘に終わりました。昨年渡辺陽斗が最終戦で3打数3安打で一気に3割6分4厘として幸太郎を抜きましたが、もし蓮大が同じ3打数3安打ならば3割2分2厘で首位打者になれました。最後の打席が蓮大、下級生にやさしい主将が、皆を引っ張らなければいけない重圧から解放された瞬間でした。この1年でずいぶんたくましくなったと思います。副主将の池尻虎輝は捕手、扇の要です。打撃は1試合に1本はヒットを打つので安定して3割前半を保っていましたが、11月の大井亀少クラブ戦で3-0に終わり遂に3割を切る大ピンチ、もう北岡杯しか大会はありません。1回戦で二塁打を放ち3割ちょうどに乗せ、最終戦2打席目まで無安打で2割9分0厘、ヤバイ、しかし最後の最後に打って3割0分2厘、劇的ですね。投手としても球威がありましたが、やはり捕手がメインなので、登板機会が少なかったのは仕方ありません。11月の大井亀少クラブ戦で、あの強打線を抑え込んだピッチングは見事でした。二人とも頑張り、努力し、しかし結果につながらない口惜しさを味わったでしょうが、この経験はきっと生きるはずです。