スコアラーの目2019    澤 藤 隆 一

 2019年の大井ウエストはスタート時点で6年生が3人、5年生が7人、久々に4年生を入れなくても試合が出来ます。前年は6〜4年生いずれも3人で、優勝は出来なかったものの20勝20敗で目標勝利数は達成できました。体力差でどうしようもない試合もありましたが、ウエスト史上最低成績の翌年、チーム一丸となって頑張った結果でした。ならば今年は年間20勝堅い、30勝を狙おうとしました。しかし緒戦ふじみ野市春季大会で亀少クラブに3点差、パワーズに2点差負け、富士見親善一回戦は辛勝ながら二回戦で新所沢ライノーズに12−0、埼玉南部春季大会一回戦で膝折宿ジャイアンツに16−4と大敗、結局ふじみ野市春季大会は2勝6敗勝ち点6の7位、34得点29失点でスタートダッシュに失敗しました。失点が4番目に少ないウエストが何故?それは惜敗続きだったからです。前年は5勝3敗で4位、親善、南部春季大会は強豪相手で共に二回戦敗退、すなわちこの序盤3大会で昨年の7勝5敗と比べて4勝少ない3勝6敗だったことが最後まで響きました。合宿前の前半戦は前年11勝13敗、今年8勝14敗と負け越しでの折り返しとなりました。打撃力は前年より上回って当然ですが、前年は絶対的エースが居たのに今年は投手力が弱く、出すピッチャーがいずれも防御率がかつてない悪さ、守備力はまずまずなのに勝てないのはそのためでした。強豪相手にボロ負けした試合もあれば惜敗した試合もあります。それらは投手の出来如何という結果でした。終盤鈴木杯一回戦で勝瀬キッズに善戦するも負け、南部秋季大会三回戦でファイヤーナインズに8−0から追い着いてタイブレーク負けの大善戦の翌日にはなんとか出場できた埼玉西部秋季選抜大会で坂戸ロイヤルズに10−0で初戦負けというチグハグさ、それでもシーズン最後のふじみ野市秋季大会と北岡杯大会で三位入賞してなんとか格好が付きました。結局年間228得点236失点、16勝22敗の結果でした。相手の2ランスクイズを最後まで防げなかった守備が心残りでした。敢えて1戦印象的な試合を挙げるとすれば、前記南部秋季大会のファイヤーナインズ戦もあるけれど、その前の水谷フェニックス戦です。

2019南部秋季大会2回戦 2019/10/27朝霞市青葉台公園野球場8時53分〜10時13分、勝利投手:落合里紅(完投)、本塁打;無し
水谷フェニックス
大井ウエスト ×

 水谷フェニックスは春季大会第三位の強豪野寺スターズと1回戦で当たり、エースの小笠原主将がレフト越えと左中間柵越えの本塁打で撃破しました。東入間地区でも毎年安定して強いチームです。ウエストは里紅先発、1番からショートフライ、キャッチャーフライで2アウト、3番キャプテンの前に無走者、そしてキャッチャーファウルフライで三者凡退、理想的どころか、これ以上無い立ち上がりでした。しかし3回表ライトオーバーエンタイトル二塁打からライトゴロの間に1点先制され、更にエラーで出したランナーを小笠原主将の強打で返されて2点ビハインド、その裏ウエストは一死2、3塁のチャンスをモノに出来ません。それでも里紅のナイスピッチングは続きます。迎えて4回裏颯大からの攻撃、レフトフライエラーで出て、和哉がライトへヒット、里紅サード内野安打で無死満塁、舜のサードゴロ本塁封殺で一死後ワイルドピッチがあり和哉ホームインして2−1、二死でバッター翔はピッチャーゴロ、ア〜〜チェンジだ!と思ったらピッチャー小笠原主将の1塁送球が逸れてファーストが捕れない、里紅、舜が相次いでホームインして、ナント!3−2逆転です。ピッチャー動揺隠せません。涼碧は冷静に四球を選び、1番に還り洸がセンターへライナーで運ぶヒットで翔ホームインして4点目、コスモストレートの四球で二死満塁、打者一巡でまた颯大、レフトへ上がった打球、大きな当たり、レフト越えで1バウンド柵越え、エンタイトル二塁打で6−2、もうダメだ、小笠原投手降板、和哉ピッチャーフライでチェンジ。5回以降お互い無得点で試合終了、里紅が7回70球3安打2四球失点2自責点1の見事な完投でした。お互いミスから失点しましたが、フェニックスにとっては信じられない負けだったでしょう。里紅の力投と、ミスに乗じた怒涛の攻めで勝利GET!
次の三回戦のファイヤーナインズ戦は里紅が打ち込まれ、颯大がリリーフして壮絶な試合に持ち込みました。この粘りを来期に繋げて欲しいと6年生は思ったことでしょう。
主将の落合里紅は良い打撃センスを持ちながら打率.250、後半エースに成長し見事なピッチング、9勝8敗、防御率5.76、水上和哉はずっと4番を張り、三振わずか2の積極打法で打率.330、守備も上手くなるも肝腎なところで...斉藤星空はエースでスタートしながら負けが込み4勝9敗、防御率5.13、途中からエースの座を里紅に渡しました。しかし守備の上手さ、走塁センスは抜群で、打撃も終盤チームナンバー1、打率.347、四球31で出塁率.512の活躍でした。もっと積極的な打撃をしていれば更にアップしたでしょう。6年生平均打率は昨年.301に対して.309、良く頑張った!野球は失敗のスポーツ、君たちには明日がある。