スコアラーの目2017    澤 藤 隆 一

 2017年の大井ウエストは6年生が2人、年間勝利二桁が目標でした。結果は2勝25敗、勝率0.074、93得点/300失点、すなわち得点より失点が3倍以上でした。大井ウエストは2000年にニッショウとトライアングルが合併して誕生し、生徒たちの大部分が大井西中に進むため大井ウエストと名付けられました。発足年は6年生が男女1人ずつの計2人でしたが、5年生が8人居たこともあり6勝11敗でした。ウエスト史上最低の成績は6年生がゼロの2002年、2勝21敗、勝率0.086、111得点/234失点でした。故に2017年は史上最低成績と言えます。 貴重な2勝はふじみ野市春季大会が初めてリーグ戦となり、上福岡第五クラブに9−5、上福岡JFGに7−5で勝った2試合です。勝てなかった原因は一にバッテリーであり、特に四死球が多くて野球になりませんでした。与四死球が多いと守る選手の緊張感が低下し守りのミスも出易く、負のスパイラルに陥るのです。27試合の中から敢えて1戦挙げるとすれば、最後の試合、北岡杯初戦のニュー長瀬ドラゴンズ戦です

2017北岡杯大会1回戦

2017/12/2駒西小学校9時半
敗戦投手:中嶋柊哉(完投)
本 塁 打 :無し

ニュー長瀬ドラゴンズ 3 1 0 0 0 0 5 9
大井ウエスト 0 0 0 2 0 0 5 7

 ウエストはニュー長瀬ドラゴンズとは8月20日毛呂山町長杯で対戦し、7−1で負けています。まず試合を作るために柊哉と幸也の6年生バッテリーとしました。ところがコントロールが良い柊哉が先頭打者キャプテンにデッドボール〜二盗、パスボールで三塁へ、暴投でホームイン、絵に描いたようなバッテリーエラーでアレヨアレヨという間に1点取られました。この後四球、ショートゴロエラー、ライトフライバンザイ、3−0でまだノーアウト、どうなることやらと思いましたが後続断ってなんとか3失点で抑えました。今期のウエストを象徴するような失点でした。その裏先頭打者柊哉はフルカウントから空振り三振、結局三者凡退、ニュー長瀬ドラゴンズの守りは堅実で穴が無い感じ、これはキツイなぁ〜という立ち上がりでした。2回表には左中間三塁打から1点追加されてなおもヒットやエラーで満塁となるも、恐怖の4番の強いライトゴロを、さっきのエラーの汚名挽回、1塁送球アウト!三者残塁でなんとか切り抜けました。4回裏ウエストは1アウトから4割後半の打率を誇る3番蓮がレフトへライナーで運び、4番幸也、5番将吾が連続歩いて1死満塁、2アウトとなって「待て」作戦、洸振りません、四球、押し出しで1打点、サードけん制悪送球で幸也ホームインしてなんとか2点返しました。3回以降柊哉は超スローボールをまじえるピッチング、打者はタイミングが合いません。一方当初球数少なかったニュー長瀬ドラゴンズ投手はついに柊哉を投球数で上回りました。5回裏ウエストは1アウトから1番柊哉がセンター右に落として久々のヒット、得点率脅威の8割ですから期待できます。自慢の足で二盗、三盗、俊がフルカウントから打ってイイ当たり!しかしセカンドライナー2アウト、ツキがありません。3番蓮は警戒されてストレートの四球、二盗して二死2、3塁、さあ打席には4番幸也、この試合がもし今シーズン最後の試合になるなら、1本ヒットを打たなければ3割陥落の崖っぷちです、何がなんでも打たねばならぬ、これがオトコの生きる道、しかし引っ掛けてショートゴロ、二者残塁。一打同点のチャンスを逸し、オトコになれません...。6回表ニュー長瀬ドラゴンズは三者凡退、柊哉絶好調、流れは完全にウエストに来ました。その裏ウエストの攻撃は5番将吾から、期待に応えてレフトへヒット、里紅の打席で二盗敢行しましたがタッチアウト、結局得点出来ず、さあ4−2で最終回、ニュー長瀬ドラゴンズは1番からの好打順、ヒットに拙守が混じり一挙5失点、しかし俊足ランナーの3盗を幸也が阻止!ナメタライカンゼヨ、なんとこれがシ−ズン唯一の刺殺。さあ7点差を追っての最終回の攻撃は1アウトから1番柊哉、キャプテンの意地で歩いた、足を警戒する余りストライクが入らない、ピッチャー交代、蓮デッドボールで1死満塁、先ほどオトコになりきれなかった4番幸也、またしても打率3割をかけての打席、初球打って高くレフトへ上がる、ア〜〜〜ダメか、と思ったらバンザイ、打球が伸びて後ろへ落ちた、柊哉ホームインして9−3、この後相手守備浮き足立って9−7まで迫りましたがここまで。結果論ですが、5回に追い着いていれば分からない試合でした。柊哉が尻上がりに良いピッチングになっていたので、勝てたかも分かりません。最後にエラーが出て大量失点になりましたが、6年生の試合に3年生まで出しているのですから、これは致し方ありません。良く頑張りました。最後まで執念を持って追い上げたのですからヨシとしましょう。6年生二人が最後の最後で見せてくれました。 中嶋柊哉は主将としては過去に無い.182の低打率でしたがめげずに頑張りました。出塁さえすれば自慢の足を生かせました。及川幸也は最後の最後にタイムリーして打率3割キープ、しかも刺殺も出来たし、ま、いっか。例年のことながら選手に感謝、感謝です、ありがとう。