サドンデス→タイブレークと呼称変えましょう 

2014年10月22日 東入間学童野球連盟ホームページ管理人:澤藤隆一

 延長で無死満塁とか1死満塁からサドンデスというのを少年野球でも普通に言っておりますが、スポーツニュースなどではサドンデスとは言わず、タイブレークと言います。
 サッカーでは延長に入って、どちらかが得点した時点で勝利が決定する方式をサドンデスと言っていましたが、「デス(死)」の響きが良くないということで、JリーグではVゴールと呼ぶようになり、後に国際的にもこのルールが広まって、ゴールデンゴールという名前に変わりました。
 しかしそのルール自体があまり好まれずに、結局延長は得点した後も時間いっぱいやる方式に変更されたので、ゴールデンゴールというルール自体が無くなりました。今はこの方式のことを指すサドンデスもVゴールもゴールデンゴールもありません。
 ただし、PK戦でタイのまま6人目以降になった時には、同数のキックで一方のチームが他方より多くの得点を挙げるまで、それまでと同じ順序でキックを続けます。いわゆるサドンデス方式の一種です。

 サドンデス (sudden death)は、突然死を意味する言葉ですが、転じて、スポーツなどにおいて先に得点した方が勝利者となり、その時点でゲームが終了するようなシステムのことを差すようになりました。一般に、同点で終了した試合の延長戦において勝者を決定する手続きの一種として用いられています。
 先攻・後攻のあるゲームでは後攻の攻撃が終ったところでゲームの勝敗が決まることが多いのですが、後攻のチームが勝っていて、先攻チームの攻撃が終わった時点で時間切れになっていれば試合終了ですし、同じ状況で後攻チームの攻撃中に時間切れになれば、その時点で試合終了です。サドンデスというのは、最も厳格な適用法では、先攻・後攻関係なく後攻の攻撃が残っていても先に得点した方が勝利者となるルールです。したがって、後攻の攻撃が終えた時点で勝敗が決まるゲームを「サドンデス」と称するのは誤解を招きかねないと言えます。サッカーの延長ゲーム終了後のPK戦の6人目以降では、先攻が決めても後攻は蹴る権利が与えられます。したがって「サドンデス方式の一種」と言っており、少年野球のサドンデスもそうですね。ただ、間違いではありませんが、誤解を招く表現であることは確かです。

 日本高野連は2014年10月20日、大阪市内で技術・振興委員会を開き、硬式でタイブレーク(tie break)を段階的に導入する方向で議論を進めることを決めました。来春の都道府県大会や地区大会で一律に導入する案を全国9地区と東京の代表者に提示、神宮球場で11月15日に開く地方側との懇談会で意見を集約して原案をつくり、11月27日の理事会で決めるそうです。
 タイブレークは延長戦で人為的に走者を置いて早期決着を促す特別ルールで、甲子園大会や甲子園につながる夏秋の地方大会では、来年は実施しませんが、再来年以降については今後話し合うそうです。来春導入すれば10回から1死満塁で始めるとのこと。

 タイブレーク(tie break)とは?・・・tieは結ぶ、締め付ける、breakは破る、離すという意味ですから、タイ(試合の均衡)状態をブレークする(破る)と言う意味です。タイブレーク方式はそのまま「試合の均衡を破る」という方式で、主に試合が早く終わるようにという意味と、選手の負担を減らす意味合いもあるようですね。テニスやソフトボールで早期決着を目的に延長戦で人為的に走者を置く特別ルールとして運用されてきました。
 テニスでは「6−6タイブレーク」という試合形式の場合、ゲームカウントが6−6になった時点で、タイブレークとして、相互に2回ずつサーブを行い、7ポイント先取した者がゲームを取得します。タイブレークを制した者がゲームカウント7−6で、そのセットを取得することになります。サーブの順序の公平を図るため、最初のサーブは1回だけで交替します。ポイントが7−6になった場合には、8−6まで行います。7−7とポイントが並んだ場合には2ポイントの差がつくまで続けます。
 近年では野球で導入が盛んになってきました。高校野球では明治神宮大会、国体などで導入されており、延長10回以降の攻撃を1死満塁から開始します。社会人の都市対抗大会では2003年から実施されています。国際大会では2008年北京五輪や、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも2009年の第2回大会から採用されています。日本のプロ野球では採用されていません。

 そもそも日本でタイブレークの議論が盛んになったのは、2014年8月の全国高校軟式野球大会準決勝の崇徳―中京戦で、延長50回の死闘を4日間繰り広げて大きな話題になったことからですが、それ以前にも延長引き分け再試合などのたびに、選手が体を壊さないか?とか、大会日程の進行に絡んでタイブレークを導入しようという話が出ました。ただ、それでは面白くないという反対派も居て、すんなり決まらなかったのですが、さすがに延長50回を見て、これはいくらなんでも何とかしなくちゃという機運が高まりました。下記ご覧下さい。結果を伝えるホワイトボードには0がずらりと並んでいます。

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 全日本軟式野球連盟の「連盟適用ルール」においても、「特別延長戦(タイブレーク)の採用について」となっています。私たちも、全日本軟式野球連盟にならって、「タイブレーク」と呼称を統一しましょう。本ホームページでは2014年10月以降「サドンデス」をやめますが、それ以前のページは修正しませんのでご承知下さい。また東入間学童野球連盟の大会規約には「サドンデス」の表現がありますが、これはそのまま掲載しております。
 全日本軟式野球連盟の少年部・学童部における特別延長戦は、下記のような規定になっています(2014年現在)。

 7回を完了して同点の場合は、引き続き特別延長戦を行い、10回を完了しても決着がつかないときは、抽選で勝敗を決定する。なお、学童部に限り、健康維持を考慮し、2時間30分を経過した場合は新しいイニングに入らず、均等回の得点をもって勝敗を決する。なお、同点の場合は、引き続き特別延長戦を行う。決勝戦の場合は抽選を行わず、両チーム優勝とする。
 (1) 得点の記録
  @ 特別延長戦で勝敗が決定した場合は、合計得点とする。
  A 抽選で勝敗が決定した場合・・・「得点−得点(抽選勝)」のように記録する。
 (2) 特別延長戦
   継続打順で前回の最終打者を一塁走者とし、二塁、三塁の走者は順次前の打者とする。
   すなわち、無死満塁の状態にして一イニング行い、得点の多いチームを勝ちとする。
   勝敗が決しない場合は、さらに継続打者でこれを繰り返す。
   なお通常の延長戦と同様、規則によって認められる選手の交代は許される。
 (3) 抽選方法
  @ 審判員および試合終了時に出場していた両チームのメンバーが、終了あいさつの状態に整列する。
  A 抽選用紙に○印、×印各九枚記入したものを封筒に入れる。
  B 球審が18枚の封筒を持ち、先攻チームより一枚ずつ選ばせる。
  C 二人の審判員が両チームの監督立会いのもとに開封し、○印の多い方を抽選勝ちとする。


なお、タイブレークのスコアブックの記入法や得点表記の方法については、『知っ得2』のページをご覧下さい。