スコアラーの目2011                   澤 藤 隆 一

今年度は6年生が2人、トータル成績は12勝13敗、負け数は昨年と同じ。負け越したのは残念だったが、4年生まで出さなければならなかったチームにしてはよくやったと言える。キャプテン野本はウエスト史上3人目の4割打者、初年度2001年キャプテン新井祐司.4352005年の冨士川文太.434に次ぐ.413。全25試合で全打数ヒットの試合が4試合、打率5割が7試合、無安打が7試合、四死球21で四死球率が.247と選球眼が良かったのが高打率の要因。三振がわずか4個、出塁率.553、本塁打2本、得点32、盗塁34。山口泰平は打率.318、打点15、盗塁25、四死球11、三振6、これまた良い成績だった。何よりエースとして19試合に登板、66敗、セーブ1、防御率2.78と奮闘した。

65回埼玉南部区少年野球大会2回戦:20111023日(日)唐沢小学校 勝利投手:小河原 瞬

チーム

1

2

3

4

5

6

7

サドン

大井ウエスト

0

0

0

0

0

0

2

2

5

竹間沢イーグルス

0

0

1

0

0

1

0

2

0

 

 
 

 

 


戦況:20年もスコアラーをやっていても、こんな試合はほとんど記憶にない。先攻のウエストは先頭打者野本がレフトフライ、これをレフトがポロリ、この間に野本は2塁へ、吉田がバントで送り、1死3塁、絶好の先制場面、これで先取点とっていれば楽勝の試合だっただろう。打席は3、4番だ、最悪でも1点は取れるネ。ところが小河原見逃し三振、山口セカンドフライで野本残塁。最悪中の最悪だ。大柄な川口投手は球が速い上に球威がある。こうした投手にありがちなコントロールの悪さもない。ウエストは3、5回の三者凡退以外は毎回チャンスながら点が入らない、これは竹間沢イーグルスの適確な守りのためだ。ウエストの守りも堅い。2回裏1死満塁とされ、8番バッターはスクイズと見て、野本監督はショートに前に来い、と詰めさせた。来た〜〜〜!スクイズだ、野本が捕って杉浦へ、本封、杉浦が1塁送球、6-2-3の絵に描いたようなダブルプレー、見たか、これがウエストだ。しかし3回裏、打てそうも無い9番打者に四球、イヤな予感、当たってしまった。1番打者の主将のレフトへのクリーンヒットで、先取点を与えた。4回表ウエストは4番山口が粘って四球を選び2盗、柿沼は見逃し三振、杉浦の初球に山口が3盗を決め、杉浦も四球から2盗、1死2、3塁でスクイズ、ところが空振りして山口本塁と3塁間に挟まれてタッチアウト! 6回表1死から小河原四球、山口がレフトへ火を噴くようなヒットでチャンスを作ったときも三振、ライトゴロで無得点。その裏試合時間はあと15分だ。小河原に「テンポ良く投げろ」と指示したのは、この回長い攻撃をされると時間切れゲームセットとなるからだ。しかし小河原は先頭打者に四球、イヤな予感、5番打者は初球サードゴロ、ヨシ!戴きだ、ところが1塁送球をまたしてもファーストがポロリ、時間どころではない、無死1、2塁だ。6番のバントをファースト突っ込んで捕球、ここまでは良かったがカバーした内藤への1塁送球が悪くセーフ、これを見た3塁走者が本塁へ突っ込んだが、拾った内藤が本塁送球してこの走者はタッチアウト、7番サードゴロで2死2、3塁、ここで8番打者の打球はセンター左へのライナー、俊足吉田追い着いたかに見えたが、地面スレスレの打球、いったんグラブに入れたがポロリ、痛恨の1点が入った。これはヤバイ、負けそうだ。しかし9番打者が初球をピッチャーゴロ、小河原1塁送球してチェンジ、残り数分、際どかった。しかし7回表打順が悪い。7番からである。ここで野本監督、選手に指示を出した。相手投手も球数が多くなってきて、そろそろ握力が無くなる頃合い、徹底的に粘って四球を得る作戦だ。なにしろ2点ビハインド、最終回ランナー貯めて1番野本以下の攻撃に期待するしかない。1アウトから四球とサードのエラー、野本も2-3から四球を選んで1死満塁、しかし吉田ピッチャーゴロ、小河原打ち上げてショート後方のフライ、上手いセンターが落下点に入って構えた、万事休す、ところが深追いショートが眼に入ったか、ポロリ、矢野、野本が相次いでホームインして同点となった。なお2、3塁、打席には先ほど痛烈なヒットを打っている4番山口、しかしセカンドゴロで勝ち越せなかった。その裏尻上がりに調子を上げてきた小河原が抑えてサドンデス。九死に一生を得たウエストが負けるワケが無い。東松山箭弓稲荷神社に必勝祈願した効果が出たと思われる試合、どう見てもウエストには神様がついている。無死満塁のサドンデス、柿沼の打席で、2個の暴投で2点、川口投手は握力限界だったのだろう。柿沼が、粘りに粘ってレフトへクリーンヒット、1塁上でガッツポーズ!以下省略、5点GET、その裏ショートフライ、キャッチャー後方のファウルフライ、杉浦ガッチリ、最後は7番打者を3球で、この日初めての三振、それも見逃しでズバッと決めて、小河原マウンド仁王立ち!川口投手の力投には敬意を表するが、本当に野球は最後の1球までわからない。最後に笑ったものが勝ちなのだ。