スコアラーの目2010                   澤 藤 隆 一

今年度は6年生が8人、昨年より一人少なく、トータル成績は20勝13敗、負け数は前年と同じで勝ち数はウエスト史上最多勝の昨年より少なかったが、目標の20勝には到達した。昨年の6年生はシーズン開幕から絶好調、しかし後半はやや期待はずれだった。それというのも打撃が弱かったためだが、守備が鍛えられ、チームワークが良かった。対して今年の選手たちは4年生の時から攻撃力があって活躍したので、最終学年には期待大であった。しかし6年生のスタートは厳しかった。大会は初戦敗退、もしくは2回戦敗退が続き、とりわけふじみ野市春季大会は大井ブルーウィングスに楽勝ムードだったのに、審判の誤審で負けてしまい、選手たちはさぞ口惜しかっただろう。5年のときメダルを獲得した西部大会では2回戦を突破して、やっと本来の調子を取り戻すかと思ったが、3回戦でまたも勝てる試合を落とした。東入間秋季大会も初戦敗退、今年はこれで終わるかと思ったが、志木市主管の南部秋季大会は鬱憤を晴らすような爆発的な連勝が続く、その合間の西部選抜とふじみ野市秋季大会は接戦の末初戦敗退、勝てる試合を落とし続けた今期であったが、南部秋季大会は5戦連続コールドゲームの上、決勝も70で圧倒的な強さを発揮して優勝した。キャプテン青木は捕手やセカンドをこなし、最多四球でチームに貢献した。前田は首位打者、4割にあと一歩、盗塁王、後半捕手となって盗塁を阻止して南部優勝に貢献した。好守の山崎は本塁打王、打率も2位、主軸の責任を果たした。エース横田は最多勝、打点王と投打に活躍。伊藤は4番を張り、投手としても勝利に貢献した。阿部はバントヒットで首位打者を狙う勢いだったが、最後は追い抜かれたもののよく頑張った。永田は俊足を生かし、投手、外野、内野となんでもこなし、最多犠打、特に南部秋ではサードで好守を見せ、チームを勢い付けた。杉浦七海は堅実な守備とパワフルな打撃で、女の子とは思えないと南部の審判団をうならせた。8人の選手諸君、有難う!

63回埼玉南部区少年野球大会

準決勝:和光四小ベアーズ、決勝:新倉フェニックス 20101121日(日)富士見シニア球場

チーム

1

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3

4

5

チーム

1

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3

4

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大井ウエスト

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0

3

5

0

8

大井ウエスト

0

1

2

3

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0

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和光四小ベアーズ

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新倉フェニックス

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勝利投手:どちらも横田冬馬

戦況:わずか18日前の埼玉西部選抜1回戦で、押しながら2-3で敗れた新倉フェニックスと対戦したら絶対リベンジだと決めていた。その通り、アート引越センターみたいなスコアで着々点を入れた。新倉フェニックスベンチは、相手チームを研究して的確に選手に指示を送る。以前より好印象を持つチームであるが、相手の小池投手は3拍子揃った素晴らしい選手、準決勝まで5戦連続コールドゲームという圧倒的な攻撃力を誇ったウエストだが、決勝は流石にコールドゲームにはならなかった。しかし7回7-0、これはもはや神がかりとしか言いようがない。浮島如意輪観音様々である。ちなみにこの神様は女の神様だが、ご利益(りやく)は「大願成就」である。全くその通りになった。野本監督の千円が効いたね。

勝因はなんと言っても横田のピッチング、わかっていても打てない、前田との絶妙の呼吸で、抜く球の速度を変えたり、コース投げ分けたり、打ち気が無いとズバッと速い球、追い込んだらボールを振らせる。打者はアタマに来るだろう、こんなピッチャー。7回裏は伊藤が登板してセンターフライ、サードライナー、センターライナーで三者凡退の完封リレー、野球は点を取られなければ負けないことになっている。攻撃の詳細は省略。野本、青木が2得点ずつで役目を果たした。12番が出て3番以降が返す、これが野球の勝ちパターンである。前田は3打数2安打、四球も選んで3出塁、この2安打はラッキーヒットだった。伊藤が調子を崩したが、山崎がネット直撃2塁打で1打点。横田も2塁打を打った。杉浦七海もセンター右へヒット、送りバントも決めて活躍。4回表、ヒットで出た杉浦七海が盗塁、阿部が送りバントを決めて、13塁で打者永田、前進守備のショート脇を抜けて打球はセンターへ、この後野本がレフトへテキサスヒットで永田が還り、野本は相手のもたつきを見逃さず2塁へ進み、3盗図り、捕手からの送球がレフトへ抜けてホームインと、足でかき回して得点、イヤだろうね、こんなランナー。山口泰平6回裏から阿部に代わってレフトに入り、7回表打席が回るかと思ったが、ウェイティングサークルで待ちつつも巡って来なかった。個人賞は最高殊勲選手が横田冬馬、優秀選手が杉浦七海、打撃賞が前田夏輝だった。