埼玉県東入間学童野球連盟 |
知 っ 得 |
少年野球のルールは知っているようでイザとなると判断に悩むこともあります。実際の例からピックアップしてみましょう。
また「こんな例があるよ」と教えてくれる方、メール下さい → メール
ただし、「こんな場合はどうなの?」というお問合せには答えられません。「歩くルールブック」ではないので(^-^)
野球規則に関して大変有難いホームページをご紹介します−−−>野球規則2007 Online
特にスコアラーの方に知って頂きたいことは別にまとめました → こちら(知っ得2)をご覧下さい。
☆ ☆ ☆ 走者の生還が認められるかどうか? ☆ ☆ ☆ 2死走者3塁のケースでバッター空振りした。この球を捕手が右へ大きく逸らし、打者はこれを見て1塁へ走った。サードランナーは猛然と走りホームイン、捕手は球を拾って1塁送球、間に合ってアウト。さてこの場合サードランナーの生還は認められるか?@パスボールの間にホームインしたのだから得点になるA振り逃げアウトだから打者走者は三振アウトで得点は認められない、さてどちらでしょう?答えはAです。これに限らず走者封殺の場合は生還認められず、タッチプレイの場合はタッチアウトになる前にホームインしたら得点になります。したがって振り逃げは一塁封殺なので得点にはなりません。2死で挟殺プレイの間にホームインした場合は、ランナーがタッチアウトになっても得点になります。 別の例ですが2死1、2塁でバッターが左中間へ打った、2塁ランナーホームイン、1塁ランナー3塁へ、打者もセカンド到達の2塁打、このとき2塁手がボールを受けてセカンドベースを踏み、審判に3塁ランナーが2塁を踏んでいないとアピールして審判これを認めて3塁ランナーはアウト、このとき既にホームインしたランナーの得点は?これも認められません。封殺プレイとなるからです。 |
☆ ☆ ☆ 打順間違いのアピールプレーで打者はアウトになるか? ☆ ☆ ☆ 打順間違いというのは良くあることです。スコアラーが一番気づきやすいわけですが、スコアブックに気をとられて、ハッと気づいたとき既にプレーが始まっていたということがあります。自軍の打者であれ相手チームの打者であれ、申し出るべきではありますが、よくルールを知っている監督の場合にはわざとアピールしない場合があります。そのほうが有利と判断したのでしょう。展開を見て自軍に不利となったときにはじめてアピールするというケースがあります。また、審判員は、不正位打者が打席に立ったことに気付いても、何人にも注意を喚起してはならないことになっています。このケースは、野球規則6.07 打撃順に誤りがあった場合 というところに記載されています。 |
☆ ☆ ☆ グローブを投げた場合は?☆ ☆ ☆ レフト線ギリギリのヒットが打たれた。守備側レフト野手走って追いつかないのでグローブをボールに投げて当ててボールを止めてこれを捕球。走者サードを目指していたのでサードへ送球。サードで走者アウトとなる。この場合のあなたの判定は? 7.05 次の場合、各走者(打者走者を含む)は、アウトにされるおそれなく進塁することができる。
(a)略
(b)略
(c)三個の塁が与えられる場合 ── 野手が、グラブを故意に投げて、フェアボールに触れさせた場合。
この際はボールインプレイであるから、打者はアウトを賭して本塁に進んでもよい。 【注】 ここでいうフェアボールとは、野手がすでに触れていたかどうかを問わない。 |
☆ ☆ ☆ インターフェアとオブストラクションはどちらも妨害行為だがどう違うのだろう? ☆ ☆ ☆ INTERFERENCE(インターフェアランス)は打撃妨害、守備妨害をさし、OBSTRUCTION (オブストラクション)は走塁妨害のことで、ボールを持っていない野手、またはボールを処理する行為をしていない野手が、走者の進塁を妨げた場合を言います。英語でインターフェアはじゃますること、オブストラクションは(道を)ふさぐことです。 たとえばランナーが2塁にいて、打者がショートゴロを打った。走者が3塁へ走り、そのボールを処理しようとしているショートとぶつかった。これは、守備妨害である。故意か否かは問題ではなく、結果として野手を避けなければ守備妨害になります。走者は守備妨害にならないように走るべきであり、守備側の権利をまず優先しています。したがってランナーに打球が当たっても守備妨害になります。ただし審判に打球が当たった場合はその時点でボールデッドとなり打者にはヒットが与えられます。審判は痛いよ(^-^)。審判は石ころだということが言われますがこれについては下記参照ください。 では、インターフェアがらみでもうひとつ。無死走者3塁で打者が打ったとき、捕球にいったキャッチャーのミットが、パットにふれてしまった。打撃妨害だが、打球はレフトフライになり@タッチアップした3塁走者がホームインしたときAタッチアップした3塁走者がホームでアウトになったときには、どのような判定になるのか?ルールというのは基本的に、不利をこうむったほうが利益を受けるようにできていますから、@のケースではタッチアップからホームインで1点得て1アウトランナー無しを選択してもいいし、打撃妨害を選択して無死1、3塁にしてもいい。その選択権は、攻撃側の監督にあります。では、Aの場合はどうか?もちろんダブルプレーにはなりません。3塁走者がアウトで、打撃妨害を受けた打者が1塁に生きるか?いや、インターフェアを受けた側が不利にならないようにするためには、妨害によるペナルティを得て、無死1、3塁となるのが正解だ。ただしインターフェアがあっても決めつけるのは禁物。インターフェアと判定されずプレーが続行する可能性もあるから、気を抜かずに全力でプレーを続けなければなりません。 3塁に走者がいて、スクイズまたはホームスチールによって得点しようとしている時に打撃妨害があった場合は、便宜上投手にボークが課せられ、打者は1塁へ進み、3塁走者の生還が認められます。また、この時はボールデッドとなります。 打球が転がったあるいはフライになったとき野手と走者がぶつかった場合などは、インターフェアになる場合もオブストラクションになる場合もあります。普通守る側も必死に打球に追い付こうとしますし、走者は必死に次の塁をめざそうとします。走者は野手を避けなければならないとは言っても、捕れない打球を追った野手とぶつかった場合などは走塁妨害になります。審判が野手の動きを見て判断を下します。 |
☆ ☆ ☆ 審判は石ころか? ☆ ☆ ☆ よく言われる言葉に『審判は石ころだと考えよう』というものがあります。たとえばランナー2塁のとき投手が牽制球を投げた。牽制に入ったショートがこのボールをグローブの先に当てたが捕りきれず、方向が変わって審判に当たりバックアップに回ったセカンド、センターの思惑とは違う方向へテンテンテン・・・、こういう場合はたまたま石があって送球の方向が変わったのと同じでしょうがないということになっております。ところが例えば左打者の強烈な打球が1塁を襲い、ファーストが捕れず審判に打球が当たった場合はその時点でボールデッドとなり打者にはヒットが与えられます。このように打球に関しては石ころではありません。 |
☆ ☆ ☆ 投手交代のルールについて ☆ ☆ ☆ 第8回東入間低学年大会の試合で投手交代について審判協議の場面がありました。一旦投手が野手に退き、代わった投手が打者を処理した後、再びマウンドに戻れるか?というものです。主審は審判を集めて協議し、本部席にも相談がありましたが、本部では以前阪神タイガースの遠山の例もあり、1ポイントで1塁手を務め、ふたたびマウンドに戻るパターンを見てもOKの意見が多かったものの、ルールブックを見てもそのものズバリの記述は無く、結局交代無しで続行しました。正解は「投手が一人以上の打者をセーフでもアウトでも処理すれば責任を果たしたことになる」ので、同じイニングであろうとも再びマウンドに戻れます。それならば打者毎に何度も同じピッチャーが出てきて良いかというとそうは行きません。公認野球規則3.03の原注「同一イニングでは、投手が1度ある守備位置についたら、再び投手になる以外他の守備位置に移ることはできないし、投手に戻ってから投手以外の守備位置に移ることもできない」となっています。したがって同じ回の中で一旦別の野手ポジションに退いた投手が再びマウンドに上がって、また投手交代をベンチが申し出た場合、この投手にはもはやベンチしか行く場所がありません。ただし同じイニングに2回ベンチからタイムがかかった場合には投手は交代しなければならず、その投手は同じイニングにはマウンドに戻れません。また交代した投手が交代したときの打者に対して投球を完結する前に別の投手に交代することはできません。これはプロ野球でも以前事例があり、投手交代が認められなかったことがあります。 |
☆ ☆ ☆ ピンチヒッター:代打…なぜチャンスヒッターと言わないのだろう?同様にピンチランナー:代走も? ☆ ☆ ☆ これすなわち「ピンチ」という言葉が一般に野球では「危機的状況」のことを指すので「ピンチに出てくる打者、アレ〜チャンスなのに?」という疑問です。思うに言葉はピンチでも意味は工具の「ペンチ」、すなわち「つまむ」ということでしょう。洗濯バサミをピンチと言うのはこの意味です。ペンチは日本語になって訛っているだけで同じ意味だと思います。すなわちこの場面で一番確率の良い打者、相手投手や打者の勝負強さなどを勘案してベンチからヒョイとつまみ出す打者のことを言うのだと解釈できます。 |
☆ ☆ ☆ 振り逃げ…振らなくたって逃げられる? ☆ ☆ ☆ スリーストライク目を捕手が正規に捕球できなかった場合には打者はアウトにならないので、この打者をアウトにするには、打者にタッチするか、1塁に送球しなければなりません。これより以前に、打者が1塁に行けばセーフとなります。ただし記録上は三振です。ただし振り逃げができるのは下記のケースのみ。 ところで2死満塁で振り逃げした場合、ボールを拾った捕手が本塁を踏めば3塁走者をアウトにできるのか?という疑問が出ますね?正解は「アウトにできる」です。 |
☆ ☆ ☆ インフィールドフライとは? ☆ ☆ ☆ 塁が詰まっている時に内野にフライが上がった場合は、インフィールドフライが宣告されて、捕球したか落球したかによらず打者はアウトとなります。故意に落球して併殺を狙えないようにしているわけです。ただしこれは難しいので整理してみましょう。 @インフィールドフライになる場合とは? ・無死または1死で、走者が1・2塁または満塁の時(1塁および1・3塁は適用外)。 巨人の桑田のようなうまい選手は小飛球をダッシュ良く追い付いてわざとショートバウンドで捕球して併殺をとることがありました。こういう場合と「故意落球」と判定される場合と両方ありますので要注意です。1塁に走者がいるときにフェアのフライまたはライナーをわざと落球した時は故意落球となります。一度地面に触れたものを捕球するのはOKです。 Aインフィールドフライはインプレイ(ボールデッドではない)…内野手が捕球したら帰塁の義務が生じるが、落球したら進塁して良い。 C逆にインフィールドフライと宣告された打球がファウルグランドから転がってフェアになった場合は?…ただのインフィールドフライです(^-^)。 ただし、あくまで主審が前に進み出て「インフィールドフライ!」と宣告した場合ですから、選手が勝手に「インフィールドフライ!」と叫んでもインフィールドフライにはなりませんよ。 |
特にスコアラーの方に知って頂きたいことは別にまとめました → こちら(知 っ 得2)をご覧下さい。