スコアラーの目2004                   澤 藤 隆 一

シーズン当初は7人いた6年生が途中で5人になってしまう苦しい1年だったので、戦績は1114敗、勝率0.4405割を下回った。前年6年生を押しのけてレギュラーを張った松原、三澤、佐伯と、成長した芦野、佐藤の頑張りはあったが、やはり65人では今一歩勝てない。

松原主将の打撃は近年稀に見る豪快さ、佐伯隆は腰が入れば芯に当たった感動的な打球が外野を抜けて行く。体が大きくなった芦野はどでかい当たりをぶっ飛ばす。守備では三澤の好守備、佐藤の堅実な守備が数々のピンチを救った。そういう意味では残った5人は好選手だった。

ここではシーズン最初と最後の試合を振り返ってみる。埼玉南部春季大会1回戦では楽勝と思われる試合をサドンデスの末失った。ファイブタウン大会ではサドンデスを勝ち抜いて決勝進出、東入間秋季大会初戦コールド負けの相手を撃破して優勝。この2試合の勝敗の理由、下記ご覧頂けばわかるが、5年生がやっと戦力になり、6年生がのびのびプレーできるようになったことだろう。

50回埼玉南部春季大会1回戦 2004321日(日) 830分 和光レク広場

チーム

1

2

3

4

5

6

サドン

大井ウエスト

0

0

2

1

1

0

4

3

あさかスリースターズ

0

0

1

0

3

0

4

4×

敗戦投手:三澤邑太

戦況:両チーム無得点の3回表、局面打開のため三吉に2球目セフティバントさせたが投手真正面、あ〜ダメか、ところがピッチャーポロリ、慌てた投手が1塁悪送球で2塁進塁、さらに次打者初球暴投で無死3塁のチャンス、1死後、名手三澤2球目をスクイズしたがファウル、次の球をまたしてもスクイズで1点先取、2死ランナー無くなったが左の好打者佐伯が投手の外角球を逆らわずに左中間へ流し打って更に盗塁、暴投で三進、期待の松原は空振り三振、しかしこれがこぼれて振り逃げとなり走塁のうまい佐伯がホームイン!パスボールで松原2塁へ進み、当たっている5番芦野、押せ押せの場面だったが空振り三振でこの回2点止まり。その裏1死後サード斎田、ショート長谷川翼のエラーで1点返された。4回表2死後佐藤が2-3から四球を選び2盗、さらに捕手のポロリを見て3盗敢行、慌てたキャッチャーが3塁悪送球して1点頂き。5回表には佐伯がレフトへ痛烈におっつけるライナー、レフト前でバウンドして頭を越し、テンテンテン・・・3塁打だ!レフトからサードへの送球がそれるのを見て佐伯一気にホームイン、さすがのランニング!続く松原デッドボール、ここで芦野は鋭くライトへゴロを打ち、1塁送球、完全に足が離れているのにアウト!そりゃないよ〜、でも判定だから仕方ない。打撃圧倒、三澤も好投、楽勝ムードの5回裏、1死後1番打者に四球を出したのがケチのつきはじめ、またしてもサード、ショートのまずい守備で1点、5番打者は抜けるかと思うほどの痛烈な1塁線ゴロ、佐伯飛びついたが弾かれてコーチャーズボックスの先へ、拾ったが1塁も間に合わず、また1点、満塁で6番打者に2-3から痛恨の押し出し四球で同点。6回表ウエストは三者凡退。もうあと3分しかない6回裏、1死からセンターへテキサスヒットが出た。このランナーを返されたらサヨナラ、後攻め有利で一気に行こうとした相手ベンチ、しかし松原が2塁盗塁を刺し、次打者見逃し三振でさあ〜サドンデス!ウエストは1番打者の長谷川翼が2-3からとんでもないボールを空振り三振。しかし三澤がセンター右へテキサスヒットして1点。佐伯は投ゴロで本塁封殺2死、松原の打球はサードが1塁悪送球して三吉、続いて三澤も一挙ホームインして3点。その裏先頭打者の打球は1バウンドして投手の頭上を越し、ショートも取れずセンターへ、いきなり2点、次打者デッドボールでまた無死満塁、さて怖い4番打者、打った〜センターへ、1人ホームインして同点、さらにホームを狙った2塁ランナーは芦野→三澤→松原の中継プレーで本塁タッチアウト、123塁から敬遠策、満塁にして6番打者はショートゴロ、62いい球返って来たが松原ポロリ、サヨナラ負け。いっぱいればたらがあった試合だった。打力で上回って、守りは?と言えば双方エラーが多かったが、やはりウエストの三遊間の弱さが出てしまった試合だった。三澤熱投136球、悔み切れない口惜しい敗戦だった。

7回ファイブタウン少年野球大会 決勝戦2004124日(土)1200 所沢並木小学校

所沢市を中心に、隣接する川越市、大井町、三芳町、富士見市の各市町から代表チームを集め合計20チーム、5ブロックに分けて開催され、開会式の行われた並木小学校ブロックでは大井ウエストが優勝!有終の美を飾った。1回戦ウエストは西部大会で5-4と辛勝している大東スポーツクラブに6-5でリードしていてそのまま逃げ切ると思われた最終回、エラーが出てサドンデスに持ちこまれながらも、なんとか勝ち、決勝戦では東入間秋季大会でコールド負けしている富士見ゴールデンイーグルスに逆転勝利。松本会長も見に来て頂き、優勝を見てもらえたのが良かった。

チーム

1

2

3

4

5

6

富士見ゴールデンイーグルス

0

0

1

0

0

0

1

大井ウエスト

0

0

0

0

0

6

6

 勝利投手:三澤邑太

戦況:一言で言えば三澤投手の無四球ピッチング、1回戦と連投170球の力投が勝因だった。3回表ゴールデンイーグルスは2死後1番打者がレフト線2塁打、2番センター右へライナーを打ち、芦野ダイレクト返球すればアウトと思われたが本塁生還を許してしまった。一方ウエストは3回まで三者凡退、水口投手の速球に手を焼いた。4回表その水口の打球はレフトへ上がる、市川左翼線へ向かって走る、左打者の打球は切れて行く、市川打球に飛びつく、そして1回転、2回転、立ち上がってグローブを突き上げた、アウトだ!超ファインプレー、ベンチが皆立ち上がって大拍手、感動のプレーだった。こういうプレーは流れを変える。4回裏点にはつながらなかったが、三吉のセンターへ抜けるヒットに続きこの日打撃不振の三澤にもセンターへライナーのクリーンヒットが出て、「打てるぞ!」の雰囲気がチーム全体に漂った。5回表2死後ヒット、2塁打と連打されたがなんとか失点を防ぎ、その裏芦野が2回のライトライナーに続き左中間へまたも痛烈なライナー、ホームランかと思われる当たりだったが何故かセンターが左中間に守っていて捕られてしまった。6回表先頭打者にレフトへヒットを打たれたが松原捕手が盗塁を阻止したお蔭で、三澤投手9球で簡単にこの回を終えた。実はこれが結果的に6回裏の大逆転を呼んだ。6回裏市川の代打冨士川がライト左へ打ち上げたフライがポトリと落ち、斎田四球、三吉バントを二つファウル後バントの構えで見送り三振したが、三澤がそれなら自分がとバント、投手がこれをジャッグルして1塁送球、間に合わずセーフ、見事なバントだった。この満塁の絶好機に佐伯隆がセンター右へ痛打、2者迎え入れて逆転、これで水口投手ガックリ、松原はピッチャーフライに倒れたが、芦野が今度は左中間にセンターの頭上を越える3ランホームラン、とどめを刺したと言えるが、これでは終らなかった。水口投手、カッカして佐藤、長谷川に四球を与え、打者一巡、この回2度目の打席の冨士川がセンターオーバーの2塁打で更に1点追加、斎田ファーストフライでゲームセットとなったが、佐伯隆の逆転打の時点で勝利が確信できる試合の流れだった。そしてこれを呼んだのは三澤のバント、さらにその前は松原の盗塁阻止、6年生全員の活躍で、少年野球生活最後の公式試合を有終の美で飾ったのは見事、おめでとう!大井ウエストの卒業生諸君、終わり良ければすべて良し、優勝の2文字で締めくくってくれたこと、チョー気持ちいい!